職場の先輩が自分で肩をたたきながら云った。「今日は仕事をして、損をしちゃいましたよ」。私が日本政府から派遣されて、アメリカの空軍に勤めだして一週間も経たない頃の事だった。右を向いても左を向いてもアメリカ人だらけの職場にいた数少ない日本人の先輩だった。私はこの先輩から仕事を教わるつもりでいたが、彼は一切仕事の指示を出さず、仕事を教えてもくれなかった。而し、言葉使いだけは丁寧だった。私を「さん」づけで呼び、間違っても「コーヒーを持って来い!」等とは云わなかった。彼から教わった唯一のことは「三ず主義」だった。「公務員はすべからく、休まず、遅れず、働かず、です」。アメリカの空軍基地で働いていても、我々の身分は日本の「公務員」であることに違いない。だから、この先輩は「三ず主義」を守り通しているのだ。私の周囲の日本人は「三ず主義」を信奉しているこの先輩。我々の不動産課の責任者である空軍中佐の秘書兼タイピストのお嬢さん。それと私より一年ほど前に入った同僚。日本人は私を含めて4人しかいなかった。「三ず主義」の先輩は結婚しており、我々とは年もかなり離れていた。従ってお昼にはいつも年の近い我々3人で行っていた。その時に仕事以外にも色々と職場の事を教わった。我々の上司である軍人や同僚の軍人も、あの「三ず主義」の先輩に手を焼いているが、我々の身分は日本政府から派遣されている公務員である。従って、アメリカ空軍の指揮下に入っていても、人事権までは彼らになかった。我々が転勤や移動を望まない限り、軍の人事部は一切我々に手を出せなかった。
TDYマダガスカル編14でも多少触れたが、アメリカでは一般に、「この仕事を一週間で全てこなすから、これだけの報酬を支払う」との考え方が一般である。日本みたいに、「一か月間休まずに出勤したから此の給料を払う」と云うことではない。従って、「三ず主義」の先輩の分の仕事まで我々、特に一年先輩の同僚と私とで分担してやらなければならなかった。時には秘書のお嬢さんも手伝ってくれたし、同僚のアメリカ兵も手伝ってくれた。だが、軍人宿舎となっていたワシントン・ハイツ(跡地が代々木公園になっている)の日本への返還業務が始まると、全くお手上げだった。軍は日本政府と交渉し、臨時に人を廻して貰う一方で、事務職に向いた兵隊も増員してくれた。新人の私にも、日本人やアメリカ兵の部下が出来た。
先週に続き上野動物園の写真をご覧頂きたい。年間パスを買い、気に入った動物の写真を撮るのを楽しみにしている。夏の強い日差しはなくなったが、幼稚園児の集団が幾つもやってくる。その幼稚園児より付き添いの母親の方が騒がしく、嬌声を発している。園児より、母親たちの方が楽しんでいるのであろう。また、外国人たちが大勢いる。ヨーロッパ、アメリカ、東南アジア、中国等々。日本人の客より多いのではないかとさえ思われる。中でも北欧からの観光客は非常に薄着で、太陽の熱を全て体内に取り込もうとしているようだ。

EOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
写真のラマより、同じ檻にいるアルパカの方が好きであるが、このラマにほほ摺りをされたことがある。傍にいた飼育員君がびっくりして私の顔を覗き込んだことがあった。普通は気に入らない客に唾をひっかけることの方が多いそうだ。別の飼育員のお嬢さんは「彼は眼鏡をかけた、背の高い男の人が嫌いです。唾をひっかけます」と笑っていた。そして、ラマは猿と同様に顔をいくらか覚えているらしいとも云っていた。私が彼の檻に近づくと、機嫌のいい時は寄ってくるし、そうでないときは知らん顔をされる。

EOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
ジロー。若い嫁さん候補の「ユイ」と未だに一緒にしてもらえない。

EOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
最近気が付いたのだが、ワオキツネザルの数が非常に増えている。弁天池に浮かぶ島で自由に振舞っているのが繁殖を促す結果になったのだろうか。

EOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:800、 f5.6、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート、 PLフィルター使用。
このアムールトラは非常に撮りにくい。夏は勤務時間中であるのに、日陰に入ったきり出てこない。それ以外の時は、自分の気に入った外界の見える場所から動くのは30分に一回ぐらいだ。その時を狙って撮るのだが、うまく撮れないときは、余儀なく30分ほど待たされる。

EOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/13秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
上野動物園の中でも画になり辛い被写体の一つである。私の腕が悪いのだとは思うが、行くたびに角度を変えて撮っても気に入った写真が撮れない。

EOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:400、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
ワニの中でも特に凶暴だとされる「イリエワニ」。上野動物園の両生昆虫館で飼育されている。同じ水槽に魚が何匹も泳いでいるが、魚どもは小さすぎてエサにならないと考えているのか?
TDYマダガスカル編14でも多少触れたが、アメリカでは一般に、「この仕事を一週間で全てこなすから、これだけの報酬を支払う」との考え方が一般である。日本みたいに、「一か月間休まずに出勤したから此の給料を払う」と云うことではない。従って、「三ず主義」の先輩の分の仕事まで我々、特に一年先輩の同僚と私とで分担してやらなければならなかった。時には秘書のお嬢さんも手伝ってくれたし、同僚のアメリカ兵も手伝ってくれた。だが、軍人宿舎となっていたワシントン・ハイツ(跡地が代々木公園になっている)の日本への返還業務が始まると、全くお手上げだった。軍は日本政府と交渉し、臨時に人を廻して貰う一方で、事務職に向いた兵隊も増員してくれた。新人の私にも、日本人やアメリカ兵の部下が出来た。
先週に続き上野動物園の写真をご覧頂きたい。年間パスを買い、気に入った動物の写真を撮るのを楽しみにしている。夏の強い日差しはなくなったが、幼稚園児の集団が幾つもやってくる。その幼稚園児より付き添いの母親の方が騒がしく、嬌声を発している。園児より、母親たちの方が楽しんでいるのであろう。また、外国人たちが大勢いる。ヨーロッパ、アメリカ、東南アジア、中国等々。日本人の客より多いのではないかとさえ思われる。中でも北欧からの観光客は非常に薄着で、太陽の熱を全て体内に取り込もうとしているようだ。

EOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
写真のラマより、同じ檻にいるアルパカの方が好きであるが、このラマにほほ摺りをされたことがある。傍にいた飼育員君がびっくりして私の顔を覗き込んだことがあった。普通は気に入らない客に唾をひっかけることの方が多いそうだ。別の飼育員のお嬢さんは「彼は眼鏡をかけた、背の高い男の人が嫌いです。唾をひっかけます」と笑っていた。そして、ラマは猿と同様に顔をいくらか覚えているらしいとも云っていた。私が彼の檻に近づくと、機嫌のいい時は寄ってくるし、そうでないときは知らん顔をされる。

EOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/60秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
ジロー。若い嫁さん候補の「ユイ」と未だに一緒にしてもらえない。

EOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
最近気が付いたのだが、ワオキツネザルの数が非常に増えている。弁天池に浮かぶ島で自由に振舞っているのが繁殖を促す結果になったのだろうか。

EOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:800、 f5.6、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート、 PLフィルター使用。
このアムールトラは非常に撮りにくい。夏は勤務時間中であるのに、日陰に入ったきり出てこない。それ以外の時は、自分の気に入った外界の見える場所から動くのは30分に一回ぐらいだ。その時を狙って撮るのだが、うまく撮れないときは、余儀なく30分ほど待たされる。

EOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/13秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
上野動物園の中でも画になり辛い被写体の一つである。私の腕が悪いのだとは思うが、行くたびに角度を変えて撮っても気に入った写真が撮れない。

EOS7DにEF100-400mm、4.5-5.6Lを装着。 ISO:400、 f11、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
ワニの中でも特に凶暴だとされる「イリエワニ」。上野動物園の両生昆虫館で飼育されている。同じ水槽に魚が何匹も泳いでいるが、魚どもは小さすぎてエサにならないと考えているのか?