今NHKの大河で「義経」をやっていて、ちょっとしたブームである。僕はあんまり見ていないので、いろんな人から怒られているのだがまあ許して欲しい。 しかし大河ドラマというのはストーリーが全部わかっている話なのでいつから見始めてもいいという便利さもある。今週は見よう。
源平の戦いというのは結局西日本と関東の豪族勢力の争いととらえてしまえば、旗頭である頼朝と軍事司令官義経が居なくても、別の旗頭を立てて鎌倉幕府は出来ているさ、という見方もないではないけれども、やはり頼朝というカリスマが居なければ、北条氏以下の東国連合が団結したかどうかは怪しい。また義経という天才が居なければ、平家没落があそこまで流れるように進んだかどうか。
それにしてもこの源氏の貴種たちは運がいい。結局両名とも綱渡りであそこまでなったようなものだ。
頼朝は3男なのだが母が正室だったため嫡男である。義朝が敗れた時点で絶対に命は永らえることが出来ないはずなのである。しかし、伊豆の蛭ヶ小島に流されるにとどまった。池禅尼の助命嘆願がもしもなかったら、あっても清盛が情に流されなかったならば。強運である。そして雌伏の後に北条時政の娘・政子と結婚。これも普通考えられない。詳細は言い出すとキリが無いが北条政子の胆力と先見性の賜物だろう。そして関東勢力の代表として旗揚げをする。しかしその挙兵も、緒戦の石橋山合戦では敗北する。この時平氏側の武将であった梶原景時が彼を助ける。史実かどうかはともかくとして洞窟に身を潜めている頼朝を景時が見つけたが、これを見逃したという。普通ならこの場面で終わりのはずである。強運だ。そしてさらに頼朝は兵を集結させ、富士川の戦いで勝利し関東平定、鎌倉入りするのだ。これも史実かはともかく、平氏軍は水鳥の飛び立ちを敵襲と勘違いして逃げたとも言われる。もしも本当であれば平維盛は実に情けない。これも頼朝の強運だろう。
頼朝の評価が高い理由は、この後鎌倉を動かなかったことだ。地盤固めに集中している。むろん関東豪族の連合政権であった故、動けなかったという見方が正しいのだろうが、地元民重視の政策を採ったことでより関東が強固になったと言える。政治家としての視点が確立している。そして、打倒平氏はその後彗星のように現われた義経に託すことになる。
義経も兄に劣ることなく強運だ。彼も末っ子とは言え源氏の血筋、消されて当然だが、清盛が常盤御前の色香に迷い(これはドラマ的視点だが)生きながらえている。また奥州へ行けたこともある意味奇跡である。武将として成長する可能性など鞍馬山に行った時点でほぼ無かったはずなのだから。
そして、軍を率いては連勝街道である。源範頼だけであればこうなったかどうか。範頼は一の谷の後、瀬戸内を西に攻めてゆくがなかなかうまくいっていない。やはり義経あればこそである(しかし範頼がその後九州を制圧し背後を断ったから平氏は壇ノ浦で窮したことは忘れてはいけないが)。義経なくして平氏滅亡は無かったかと問われると難しいが、少なくとももっと時間がかかっていたに違いない。時間がかかれば平氏も盛り返し乱れていく。
もしも頼朝、義経が生き延びていなかったらどうなっていただろうか。
「驕れる平家久しからず」であり、平氏政権は続かなかっただろう。木曾義仲が歴史どおり登場して平氏を打倒し、一時は源氏の世に移り変わっただろう。しかし、彼には頼朝の関東豪族のような強い軍事的後盾が無いため、平氏を滅ぼすまでには至らなかった可能性が高い。平氏は西で勢力を盛り返し、また京を奪い返すか。しかし平氏とて絶対的な力をもつ訳でもなく、乱世が続くだろう。
さて、この時京には歴史上有数のタヌキ政治家が居る。「日本一の大天狗」後白河法皇である。
後白河法皇は、源氏の旗色が強くなると平氏に肩入れしたり、義経に検非違使を与えて頼朝と仲違いを図ったり、権謀術策に長けている。法皇がパワーバランスを見ながら武士を操り、平氏も源氏も消耗させ、奥州藤原氏とも連携を図り、武士の力をどんどん削いで、結局京の院政の力を取り戻すことだって充分考えられる。後白河法皇に対抗できるのは清盛か頼朝くらいしか居ないだろう。彼らが居なければ武士は手玉に取られてしまうかもしれない。京の院政の時代は続き、鎌倉幕府はもちろん、武士の世が来るのがかなり遅れたことが充分に考えられる。室町幕府だって江戸幕府だってどうなったかわからない。
もう一つ本当は「if」を加えたいところなのだ。それは、「平重盛がもう少し長生きしていたら」である。平宗盛では一門の棟梁はなかなか重荷だった。もし重盛が存命であれば、「驕れる平家」を引き締め組織力を強固にして、そうそう源氏に滅ぼされることなど無かったのではないか。
頼朝、義経、重盛。この3つのピースの存在の組み合わせを考えると興味は尽きないが、それは次回。
源平の戦いというのは結局西日本と関東の豪族勢力の争いととらえてしまえば、旗頭である頼朝と軍事司令官義経が居なくても、別の旗頭を立てて鎌倉幕府は出来ているさ、という見方もないではないけれども、やはり頼朝というカリスマが居なければ、北条氏以下の東国連合が団結したかどうかは怪しい。また義経という天才が居なければ、平家没落があそこまで流れるように進んだかどうか。
それにしてもこの源氏の貴種たちは運がいい。結局両名とも綱渡りであそこまでなったようなものだ。
頼朝は3男なのだが母が正室だったため嫡男である。義朝が敗れた時点で絶対に命は永らえることが出来ないはずなのである。しかし、伊豆の蛭ヶ小島に流されるにとどまった。池禅尼の助命嘆願がもしもなかったら、あっても清盛が情に流されなかったならば。強運である。そして雌伏の後に北条時政の娘・政子と結婚。これも普通考えられない。詳細は言い出すとキリが無いが北条政子の胆力と先見性の賜物だろう。そして関東勢力の代表として旗揚げをする。しかしその挙兵も、緒戦の石橋山合戦では敗北する。この時平氏側の武将であった梶原景時が彼を助ける。史実かどうかはともかくとして洞窟に身を潜めている頼朝を景時が見つけたが、これを見逃したという。普通ならこの場面で終わりのはずである。強運だ。そしてさらに頼朝は兵を集結させ、富士川の戦いで勝利し関東平定、鎌倉入りするのだ。これも史実かはともかく、平氏軍は水鳥の飛び立ちを敵襲と勘違いして逃げたとも言われる。もしも本当であれば平維盛は実に情けない。これも頼朝の強運だろう。
頼朝の評価が高い理由は、この後鎌倉を動かなかったことだ。地盤固めに集中している。むろん関東豪族の連合政権であった故、動けなかったという見方が正しいのだろうが、地元民重視の政策を採ったことでより関東が強固になったと言える。政治家としての視点が確立している。そして、打倒平氏はその後彗星のように現われた義経に託すことになる。
義経も兄に劣ることなく強運だ。彼も末っ子とは言え源氏の血筋、消されて当然だが、清盛が常盤御前の色香に迷い(これはドラマ的視点だが)生きながらえている。また奥州へ行けたこともある意味奇跡である。武将として成長する可能性など鞍馬山に行った時点でほぼ無かったはずなのだから。
そして、軍を率いては連勝街道である。源範頼だけであればこうなったかどうか。範頼は一の谷の後、瀬戸内を西に攻めてゆくがなかなかうまくいっていない。やはり義経あればこそである(しかし範頼がその後九州を制圧し背後を断ったから平氏は壇ノ浦で窮したことは忘れてはいけないが)。義経なくして平氏滅亡は無かったかと問われると難しいが、少なくとももっと時間がかかっていたに違いない。時間がかかれば平氏も盛り返し乱れていく。
もしも頼朝、義経が生き延びていなかったらどうなっていただろうか。
「驕れる平家久しからず」であり、平氏政権は続かなかっただろう。木曾義仲が歴史どおり登場して平氏を打倒し、一時は源氏の世に移り変わっただろう。しかし、彼には頼朝の関東豪族のような強い軍事的後盾が無いため、平氏を滅ぼすまでには至らなかった可能性が高い。平氏は西で勢力を盛り返し、また京を奪い返すか。しかし平氏とて絶対的な力をもつ訳でもなく、乱世が続くだろう。
さて、この時京には歴史上有数のタヌキ政治家が居る。「日本一の大天狗」後白河法皇である。
後白河法皇は、源氏の旗色が強くなると平氏に肩入れしたり、義経に検非違使を与えて頼朝と仲違いを図ったり、権謀術策に長けている。法皇がパワーバランスを見ながら武士を操り、平氏も源氏も消耗させ、奥州藤原氏とも連携を図り、武士の力をどんどん削いで、結局京の院政の力を取り戻すことだって充分考えられる。後白河法皇に対抗できるのは清盛か頼朝くらいしか居ないだろう。彼らが居なければ武士は手玉に取られてしまうかもしれない。京の院政の時代は続き、鎌倉幕府はもちろん、武士の世が来るのがかなり遅れたことが充分に考えられる。室町幕府だって江戸幕府だってどうなったかわからない。
もう一つ本当は「if」を加えたいところなのだ。それは、「平重盛がもう少し長生きしていたら」である。平宗盛では一門の棟梁はなかなか重荷だった。もし重盛が存命であれば、「驕れる平家」を引き締め組織力を強固にして、そうそう源氏に滅ぼされることなど無かったのではないか。
頼朝、義経、重盛。この3つのピースの存在の組み合わせを考えると興味は尽きないが、それは次回。
>Mamiさん
登場人物は歴史ドラマだと煩雑になりますね。しかもみんな平○盛とか源義○とかねぇ(笑)。子役は顔が憶えにくいのでなおさらわかんない。^^;
義経公式HPを見てましたら、伊勢三郎とか駿河次郎とかのキャスティングは面白そうですね。(^-^)
ブログリストのことは、どうぞ宜しくお願いします♪ (といってブログリストってよく知らないんですけど。←素人^^; ブックマークみたいなもんですか? ) お仲間に入れていただけるのは嬉しい。北海道大好きなので、地元のお話はいつもとても楽しみにしています☆
>jasminteaさん
僕も武家政治はどんな形であれ成立していたとは思います。まあ摂関政治が続くってのは極端ですよね(笑)。タヌキが居なくなればそれも終わりです。でもそういうとんでもない空想は好きなので♪
重盛は惜しかったですよねぇ。彼が健在なら、頼朝はそうそう西に勢力を伸ばせない。重盛なら奥州藤原氏と提携することだってやりそうですし、鎌倉は北の脅威もあってなおさら関東を固めることに集中。さすれば、日本の勢力が3つに分かれて鼎立ということも。
おお、三国志だ(笑)。
かくして空想はどんどん膨らむのです。
ちなみに、、大河ファンの方に怒られるかもしれませんが、どうも大河よりホームドラマの要素が濃いです。タヌキは平幹二朗さんなのに彼の凄さがいきていません。つまんない‥毎週文句つけながら毎週見ています(^^; ....
私は大河の中で、新選組でもそうでしたが、歴史の教科書では習わないような人間ドラマを観るのが好きなんですよ。もちろん、創作もありますけどね。
それにしても登場人物多いですよね。
子供が多いせいかしら、わけわかんなくなってしまいます。(笑)
ブログリストに登録させていただいてもよろしいでしょうか?今後とも宜しくお願いいたします。