徳川家康は少年時代に人質として織田家と今川家の間を揺れ動き翻弄され、相当の葛藤があっただろうかと思います。
6歳から19歳になるまで、実に十年以上もの長い歳月を竹千代~元信~元康時代に人質として過ごしてきているという過酷な境遇。
人間というのはデリケートにできていて物理的拘束でさえも拘禁反応というのを起こすというのに
こういった社会的枷はめっていうのはどうなんでしょうか?人格形成にも多大な影響を及ぼすと思うのですが…。
今年の大河ドラマ「どうする家康」ではそのへんはどう描かれるのでしょうか?
近年の歴史考証のアップデートが進み人質とはいっても思ったより不遇ではなくて
パワーゲームのキャスティングボードを握るキーパーソンとして士官候補、エリート候補として厚遇され
長期的戦略のレールの上で英才教育・報恩謝徳の慈しみの中で育まれたものであったという解釈が有力になってきています。
今後の展開・演出が楽しみですね。
その後の活躍は皆さんの知っての通り。武侠武勇にはあまり興味はないのですけれど
正室の瀬名と竹千代を殺した家康っていう字面が飛び込んできて歴史に疎いぴとてつはうろたえております。
生兵法であまり見当違いのことを言うと大怪我しかねないので、このへんに関するツッコミは今は自重しておきます。
いやぁそれにしても
「織田がつき 羽柴がこねし天下餅 座して喰らふは徳の川」
という歌は大器晩成であった家康の行き方をよくあらわした句だと思います。
その裏では鬱屈やドロドロがあったとしてもこの境涯を腑に落とすところまでには今の自分ではまだ経験が浅かったかなと反省あるのみです。
なんでも盤石の体制を築いて幕府を開くころには還暦を越えていたのだそうでありますか。ほぉ。
派手なところの器や鋭さという人物評のものではなくて時を操る魔術にステータスを全振りしたかのような素朴な巧緻を感じます。
そこから始まって将軍15代、およそ265年にわたって天下泰平の世を紡いでいくーー。
なんか、今の世の中と完全に別物ですね。ナムナム…
…そんなわけで
今回はデビューが遅い/大器晩成/遅咲き/人生後半で転機が訪れた…というざっくりとしたくくりで
歴史上の偉人たちの足跡を辿っていきたいと思います。
巷ではリスキリングだとか90まで働けだとか言っておりますが人生は長い。
先人の生き方から勇気をもらってまずは馬力をつけてからスタートしたい。
そんなあなたを応援するとともに自分自身への励ましの記念碑としてこの記事をうやうやしく投入したいと思います。
なにか行き詰ったときにはこのページを思い出してください。
それでは、いってみましょう!
【デビューが遅い/大器晩成/遅咲き/人生後半で転機が訪れた著名人列挙】
カーネル・サンダース…30代でガソリンスタンドを経営するものの失敗、フライドチキンをFC化したのが60代
伊能忠敬…50歳で19も年下の高橋至時に弟子入りし、55歳から日本地図を作りはじめる
葛飾北斎…北斎が72歳のとき富嶽三十六景が世に出る。90歳になっても中二病心を失わず画狂老人卍と名乗る
松本清張…作家デビューは42歳。「私には時間がないんだよ。出発が遅かった私には、書きたいことがヤマのようにある。人生が足りないんだ」
山本一力…土佐出身で40代後半にデビュー。ジョン万次郎の生涯を描く歴史小説「ジョン・マン」シリーズは拙ブログ過去記事でも紹介した
佐々木正…シャープの元副社長として同社を世界的な電機メーカーに育てた。79歳で国際基盤材料研究所を起業し、ナノテクノロジーの技術開発に取り組む
草間彌生…かぼちゃモチーフの作品で知られる芸術家。活動再活発化の90年代、ヴェネチア・ビエンナーレ参加時には60を越えていた
ピート・モンドリアン…『赤、黄、青と黒のコンポジション』抽象画家としてのスタイルを確立したのは49歳のとき
やなせたかし…アンパンマンがアニメ化でブレイクしたのは69歳のとき
綾小路きみまろ…潜伏期間30年、ゲリラ作戦で漫談のテープを観光バスのサービスエリアに配って夢をあきらめず52歳で世に出る
スキャットマン・ジョン…吃音を逆に強みに変えて52歳のときにCDデビュー。スキャット歌唱で世界的大ヒット
安藤百福…容器や製法に工夫を凝らし世界中で愛されるカップ即席めん「カップヌードル」を発売。このとき61歳
エドワード・エルガー…身分違いで大反対された末に結婚した愛妻のアリスの献身もあって42歳の時にエニグマ変奏曲の大成功。作曲家としての地位を確立
ユリウス・カエサル…カエサルは40代で共和政ローマにおける最高の地位コンスルに就任している。後継者に全く無名のオクタヴィアヌスを託す慧眼もスゴイ
窪美澄…44歳で作家デビューに至るまで仕事と子育ての両立や自身の離婚も経験。女性の生き方を通して社会問題にも鋭く切り込む作品
緒方貞子…学者出身であったが63歳のとき国連難民高等弁務官に就く。身長5フィートの巨人と呼ばれアジア各地の貧困や難民、人権侵害などと向き合った
シンディ・ローパー…1953年ニューヨーク市ブルックリンで生まれる。20代の頃からバンド活動をしていたが転機の30歳という遅咲きで全米スーパースターに
J・K・ローリング…「ハリーポッターと賢者の石」は12もの出版社から断られ続けるが…32歳のときシングルマザー・生活困窮から一転億万長者に
銭屋五兵衛…「海の百万石」と称された加賀の豪商。躍進の原点になったのは質流れのボロ船で海運業を営みはじめる39歳の時から
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
このなかであまりポピュラーでない銭屋五兵衛なのですが
日本でもこんなスケールの大きな人物がいたのかっていうくらい商才と先見性をもった人物であります。
不遇な晩年を迎えましたがなんてったって名前に五がつく!ペンタクラスタキーボードを標榜する私ぴとてつにとりましても他人とは思えない!
というわけで当ブログ一押しの神シニアに認定いたします。
小説「銭五の海」(南原幹雄:著)は序盤の商売が軌道に乗るところまでのワクワク感が爽快で非常に読み応えのある作品でした。
今でいうテンセントとアリババが中国当局に1兆円超の寄付を共同富裕の名のもとに壮大な「公金逆チューチュー」で召し上げられるなんて場面も
巨大になった御用商人が政治の圧力をかわすために苦労させられる描写ともリンクするホットなテーマだと思いますよ。
骨太な時代小説もたまにはいいかな…なんて興味のある方はぜひ読んでみてください。
今回は以上です。よかったらブックマークしていただくとうれしいです。
カテゴリは迷いましたがビッグマウス(砕けた文体)(仮)とさせていただきます。
ありがとうございました(^^♪