P突堤2

「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

自衛のために独自の通貨記号を提案する

2023-05-23 | ビッグマウス(砕けた文体)(仮)

少し時間がたってしまいましたが、先日こんなニュースを目にしました。
キャスター:「あるネット通販サイトで、ガイドブックが『¥1680』でいいな、買おうと思ってポチッとしたら、3万2916円の請求が来たといいます。国民生活センターが注意喚起しましたが、どういうことでしょうか?」
解説者:「この¥のマーク、日本円かと思いきや、中国の人民元だといいます。今のレートでは人民元は日本円の約20倍なので、3万3000円ほどになってしまったということです」

表記の盲点を突いた嫌がらせ、従前より中国元の英語表記が”Yuan”で円通貨記号とカブる「¥」表示だったことは知っていたのでもしかして悪用する輩が出るのでは…という悪い予感が的中してしまいました。
日本では海外サイトまで乗り込んでいったのだから自業自得だろ…って冷たい自己責任に帰す人が多すぎて嫌になるのですが
問題のサイトは明らかに日本語話者のユーザーを標的にしていて詳細の確認をしようとしても導線が辿りにくくしてあるかUIが不親切な作りで
故意に誤認を誘っている悪意あるつくり。自己責任の前に悪意の糾弾というプロセスをすっ飛ばしていないか?という疑問が湧いてきます。

これは根源的な問題であるように思えます。
中国の当局が自ら襟を正して対処するかと言えばそんなこと1ミリも期待できません。
やはり異なる国同士が同じ通貨記号を共用しているというのは間違いのもとであります。
一般的な表記の分け方として、日本円の場合はJPY、人民元の場合はCNYという通貨コードの書かれ方がされていますのでそちらの表記をもっと一般化させればいいじゃないか、
という声もあるかとは思いますがリージョナルな前提条件でユーザーは見ていますから日本においては日本円、中国においては人民元、というように解釈が相容れない非対称的な構造を内部にはらんでいます。
今のWebの世界はユーザープロファイルがあまりにも開放的過ぎてアクセス資格に何の制限もないことが問題の一端であると考えています。
私はもっと、アーキテクチャの問題は国家・地域や課金/非課金メンバーシップ、商圏運営者あるいはネットショッピング配達実績、公的身分証明の有無、多重アカウント取得の無効化などといった
従来では組み入れられなかったプロファイリングをOSレベル・エコシステムレベルの高いレベルでリンクすべし、というのを展望しています。

ペンタクラスタキーボードのグローバル展開というのには私はやや慎重で、ここでの配列アイデアは所詮日本という一地域に最適化されたローカルの産物に過ぎないもので
各国・地域にはそれぞれ最適化された形状・仕様のデバイスを使えばよいという考えは当然持っておりますし、
全体構想としてプラットフォームの統一性という領域にはいまだ思いも及びません。
在外邦人はどうするのか、事実上の名義貸しが横行してルールが有名無実化するのではないか、など懸念材料は山積しておりますが
なんなら偉大なるCERN(セルン)の科学者ティム・バーナーズ=リーのWebとは違う"別のWeb"を構築していこうというアーキテクチャ自体の模索ももっと議論されるべきであります。
そして肝心の社会的レイヤーでの実効力のある仕組みづくり、商習慣に対するわれわれの新たな認識をどう培っていくのか、難題ではありますが真剣に取り組まねばならない課題であると考えております。

と、まあこれだけ大風呂敷を広げたのですから¥記号の表記問題なんて小さなものです。
文字コード自体、字形も違う¥記号と区別できる別の記号を作ってしまえばいいのです。

独自の通貨記号 P円
(パソコンではテキスト文字が表示できないので、ここでは便宜的に「P円」と書きます)

新しい円記号、*primum(プリムム)・(エン)略してP円です。どうです?P突堤2らしくていいでしょう?
日本のリージョンにおいてはもっぱらこの記号を使い、海外由来の提供サービスの事業者はこの記号を商売には使えません。
ユーザープロファイリングは一般ユーザーだけではなくて事業提供者にももちろん適用されます。
海外のサーバーを使っていたらダメなの?という疑問もあるかもしれませんがペンタクラスタキーボードのエコシステム(P陣営)はまだ始まってすらいないのですから
プロファイル認証の信頼性を担保するために国内サーバーのみで展開すればいいのです。
始めが肝心、隗より始めよ。ネイションはリージョンとともにある。仕様・挙動はドメスティックの裏付けで規定する。
もちろん中国自身が自国の通貨単位として¥を使う分には一向にかまわないのですけれど日本ユーザー向けにサービスを展開するのであれば
当然、日本に現地法人を置かなくてはならないですしプロファイリング有資格者が責任者になっていないといけません。
まず、越境してP円の記号を使ってはならないという事です。ペンタクラスタキーボードでは音声読み上げが標準となっていますから、
中国サイドでお買い上げありがとうメールを作成したとしても読み上げの際はプロファイリングアノテーションが付いてきますから
「¥1680」は中国語で解釈され「yī qiān liù bǎi bā shí rén mín bì」と読まれるので最終チェックの段階で音声を確認すればたちどころにわかります。
越境と申しましたがP陣営のエコシステムには「商圏施政権」というのがあってこういう通貨の齟齬であるとか適用される法規制というのは各リージョンごとにユーザープロファイリングの背景を酌んで成立させているものであります。
商取引もどこのユーザーが主体となって舞台となっているのか、その勢力圏のあり方も「商圏施政権」という旗印を基盤に据えていくというのを構想しています。
国民生活センターの報告書では、そもそも特商法で記載すべき事業者の連絡先表記もなかったとのことです、という有様でしたが
もちろんPエコシステムのもとでは日本なら日本の特定商取引法の法令に則って連絡先明示・売買・解約・返品等が執り行われるという事であります。
販売側に罰則を…と言っても向こうさんは無尽蔵に湧いて出てくるのでいたちごっこ必至で根本的な解決にならない…アーキテクチャ自体を変えない限りこの非対称な構造は変えられないのです。
こちらに決定権のある仕組み、バウンダリーのこちら側で実行定義できる強力な機構がなくてはならない――Webマナーしかり、ダイナミックプライシングのような新しい商習慣の試みしかり、セキュリティしかり、でありますが
まずは身近なネットショッピングという場面においてこれ以上の被害者を目にするのは心中いたたまれないとの思いから
こうして思い付きではありますがまだ形になっていないおぼろげなP陣営構想も交錯する中で貴重な発言の機会を頂いた、と思っております。

卑近なところで話を戻しますと、わたくしぴとてつは現在目下ペンタクラスタキーボードの基本コンセプトの練り直しにかかりっきりであります。
そんな中でこのニュースを目にしてちょうどキーボード配置図もいじっていたな…というモメンタムな状況もありまして
今回の提案「P円」の配置も実際試してみようという事で若干の修正をほどこした盤面配置図を作ってみました。
サムネイルがちょっと小さいのでクリックして拡大してみてみてください↓

 

ペンタ 人民元s

(画像をクリックすると別タブが開いて拡大します)

相互主義の観点にもとづいて、中国(あるいは他の第三国)には中国の商圏施政権というのがあるのでしょうから日本はそれを尊重してそのリージョン独自のレギュレーションを行使させておけばいいだけです。
たとえば日本でアメリカの製品を買うのにアメリカの商圏施政権が及んでくるとは思いますが表現規制やクレジットカード会社の事実上の圧力など細かな点でもっと煮詰めていかなければならない点は残りますが
自由や民主主義、法の支配といった基本的価値を共有する二国間ですので商取引上の不便益はそれほど生じてこないといってもいいでしょう。
中国にしてもあまり規制でがんじがらめにすると越境購買者に魅力を低下させる負のインセンティブが働き諸外国からそっぽを向かれ実質的に転売ブローカーがのさばる事態に陥りかねない状況は避けたいはずです。
消費者はユーザープロファイリングによって守られていますから商取引自体のトポロジーが変化しているのでよりベネフィットをもたらしてくれる商圏のほうがますます好まれるという構造に世界はなっていくと思います。

日本企業が中国へ進出しても、人民元の他国通貨への換金は出来ません。
ようは、儲けても中国国内で使うしかありません!ということを今更ながら知って驚愕しております。
これははよくよく考えてみたらおかしいことですし、こんな片務的なことが成り立つのならP陣営のエコシステムみたいに各国が防波堤を作る施策もあってしかるべきです。

今記事は
ドメスティック・キーボードの住人を守る――P陣営は日本円通貨の新たな記号を提案する

との触れ込みでインスタントにこたつ記事でも書こうか…との目論見で思い立ったこの記事ではありますが
エコシステム自体の練り込みも甘くてマーケットの温度も法知識の裏付けも全然理解不足なままで記事を書きなぐっていくがままに任せて、筆を走らせて
己の未熟さを痛感するとともに、懐中に忍ばせてあった"P陣営構想"の一端を皆様にお見せすることができて
なんだかいろいろ起伏の激しい、心地よい疲労感で満たされております。
最近夜更かしが続いていたので、今夜くらいは早めに寝ようかとも思っています。

新しい記号、「P円」なのですけれど従来の「¥」を使いたい未練や自己言及的に、あるいは引用的に旧来の「¥」を使っていきたい衝動というのもあるかと思います。
試しの提案ではありますがついでに言わせてもらいますとたとえ引用や回顧の文脈であろうとそうそう気軽には「¥」記号を使わせない作りにしちゃってもいいではないか、とも思います。
物理的にキーアクセスしにくくするのはもちろんの事、たとえ必要性があって使いたい場合であっても裸の文字コードで記号を使わすことを許容せず、
ペンタクラスタキーボードでは液晶サジェストや文化変換の助けを借りて個々のワードにアノテーションを付加するサポートが付いてきますから
使うとすればそういったインターフェースを活用して「¥(非P陣営での¥記号)」というアノテーションをつける方式にすればいいのではないでしょうか。
あるいは中国人民元としての¥記号という文脈なら「¥(商圏越境使用:中国人民元¥)」というのも同様です。
アノテーションならそのワードを使う目的や文脈を明示することができます。
日本のユーザーの方は最初は違和感があるかと思いますが「P円」の記号を日常的に使ってください。
もちろんテキスト読み上げでもただの「エン」としか発音しないので問題ありませんし何しろP円はタイプしやすいですからそのうちわずかな違いなど気にならなくなります。
JPY(P円)のユーザーは最初世間は歯牙にもかけないほど軽んじられるかとは思いますが
そんなのはこっちも先刻承知、一から歴史作ればいい、なんて悠長に構えております。
信頼性が保証されるプラットフォームを確立して、なによりPエコシステムで買い物するときにはこういった誤認表示のワナややらせレビューやなりすましアカウントの心配をすることがない
…こういったサービスが一度浸透してしまえば気づいたら無視できない存在に…なんてことももしかしたらあるかもしれません。

一方で管理社会への危機感が叫ばれる今、こういった過剰なユーザープロファイリングは一部の方には受け入れられないものだというのも十分わかります。
ただわれわれにとって幅広い選択肢というのは確保していきたいところです。
私自身OSや通信インフラ、プラットフォームのエコシステムというのに精通していないのはもちろん自覚しておりますが
少なくともP陣営では過去との継承性を断絶して「別ラインを走らせる」というロードマップで青写真を描いていきたいのです。
まだ現実化されてはいないのですからこうして試行錯誤することぐらいは許されてもいいでしょう。
ペンタクラスタキーボードのファイルシステム的に単純なtxtファイルというのは新規には生み出されません。
アーカイブとして読むことはできますがべた書きのtxtとして出力された時点で固有IDというのを失って
少なくともPエコシステム上でのWeb空間においては検索で埋没しますし文法的要素でのサーチ、アノテーションでのサーチ、ユーザーリアクションを受ける権利を失うなどの利便性を毀損して文書価値が著しく低下します。
txtファイルともxmlファイルとも違う、もっとリッチなアノテーション情報やユーザープロファイリング情報、翻訳サポート情報などさまざまなメタ情報をふんだんに含んでおりますので
従来上のtxtファイルからのコピペは「コピペ由来」と一目瞭然でラベリングされて構文解析や音声読み上げに干渉することのないただのフラグメントデータに成り下がってしまうのです。
こういったリッチテキストというか入力フォームのクエリでさえもいっそのことリッチ化してしまえ、という野望もあるのですがこのへんのところは宿題にしておきます。

ただ昨今話題になっているAIによる自動生成文なのかの判定でも目鼻をつけていくべくP陣営は前向きに取り組んでいきたいかと思っております。
オーガニックな人間の領域というのを絶対不可侵に墨守していくというテーマ…まず欠かせない重要な課題であることは間違いありません。
ペンタクラスタキーボードのでにをは別口入力やユーザープロファイリング、あるいは先ほどふれたアノテーションタグに加えましてリッチ化されたテキストにIME練度情報を埋め込むなど
ありとあらゆる角度からAIによる人間のなりすましを徹底的に排除して、画像や音楽はともかく、テキストにおいては可能な限り創作者への敬意を留意していきたいと設計していきたい所存であります。

今回は以上です。
久々のビッグマウス、ご精読(ご清聴)ありがとうございました。
Pエコシステムについては今後もコンセプトを練って新アイデアの記事などを書いていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
まだまだいくよぉ~!気分は「Rally Go Round」ってことで。


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