新潟の地震は大変な惨事になってしまった。10万人以上の避難者だという。
“村”がそっくり壊滅してしまった。昨日までののどかな生活が一夜の不幸な出来事で消えてしまった。当事者の方々は、どれだけの心痛を味わっていることか。壊れた村は元には戻らない。避難した方々は、これから生活を再建しなければならない。昨日、近くのパン屋さんへ行った。経営主は中東生まれのAさん。10年間、数人のベテラン親方の下で休みなく修行をした。今も新店舗開店の時は、その親方に呼び出されて手伝う。”せっちゃん、今朝自衛隊や県に電話してパンを運んでもらおうと思ったんだけど取り合ってくれないんだよ。”自分の無力さにガッカリした。”何かしなくちゃね”と被災者の方を思いやっていた。私は自分ができることを何も考えていない事を反省した。もしかしたら、こんな災害の時こそ団体や組織をつくっておくべきなのかも知れない。どんなに小さくても暖かい気持ちを形にして新潟に届けたいものだ。おいしいAさんのパンを喜んで食べている方々の姿が目に浮かぶ。自分には何ができるのか考えよう。
坂口せつ子
2004年平成16年10月28日木曜日
高崎市民新聞連載より転載。
“村”がそっくり壊滅してしまった。昨日までののどかな生活が一夜の不幸な出来事で消えてしまった。当事者の方々は、どれだけの心痛を味わっていることか。壊れた村は元には戻らない。避難した方々は、これから生活を再建しなければならない。昨日、近くのパン屋さんへ行った。経営主は中東生まれのAさん。10年間、数人のベテラン親方の下で休みなく修行をした。今も新店舗開店の時は、その親方に呼び出されて手伝う。”せっちゃん、今朝自衛隊や県に電話してパンを運んでもらおうと思ったんだけど取り合ってくれないんだよ。”自分の無力さにガッカリした。”何かしなくちゃね”と被災者の方を思いやっていた。私は自分ができることを何も考えていない事を反省した。もしかしたら、こんな災害の時こそ団体や組織をつくっておくべきなのかも知れない。どんなに小さくても暖かい気持ちを形にして新潟に届けたいものだ。おいしいAさんのパンを喜んで食べている方々の姿が目に浮かぶ。自分には何ができるのか考えよう。
坂口せつ子
2004年平成16年10月28日木曜日
高崎市民新聞連載より転載。