おもいつくままに

身の回りのことや世の中のことについて、思い付いたことや気付いたことを記す

最相葉月著「ビヨンド・エジソン ~12人の博士が見つめる未来~」(ポプラ文庫)

2012年08月17日 00時38分07秒 | 
(新入生向け読書案内原稿)
 12人の一流の科学者の研究内容とこれまでの経緯、研究に対する思いを著者がまとめたものです。「科学者としての自分に影響を与えたと思う伝記や評伝」を問い、それを切り口にしたインタビューだけに、研究、人生、そして社会に対する科学者の思いが伝わってきます。
 地震学者(日本地震学会元会長)・石田瑞穂「災害軽減のためにできること」では阪神大震災について語られていますが、今年出版された文庫版では東日本大震災についての対談が収録され、無念さと心からの思いが伝わってきます。
 専門との関係では、人間情報学部であれば情報科学者・中小路久美代「人間とコンピュータの対話をデザインする」がいいでしょう。また、音声工学者・峯松信明「言葉の不思議を科学する」では、動物科学者テンプル・グランディンの自閉症報告が取り上げられており、人間情報だけでなく、健康医療、心理、教育、福祉貢献など幅広い学部学科に関係してきます。
 大学での勉強は高校とはかなり違います。この本は学問・研究とは何かを知る上でとても良いガイドになります。全ての学部学科の人に一読をお勧めします。
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