雪まみれ日記

もうすぐ40の声が聞こえてきた中年&へタレなスノーボーダの雪まみれ&山遊び関連の日記。

半島を出よ

2005年05月01日 | 
飛行機嫌いである。怖いってのではなく暇なのだ。テントや車の中ではどこでも眠れるのに飛行機ではどうも苦手…で眠れない…暇で暇で…つらい。

そんなわけで長いフライトの暇つぶしに本はかかせない。
今回のお供に選んだのが「半島を出よ 上・下」。
上下巻1650ページという超分厚いハードカバーなので重いのなんの。筋トレにはいいが飛行機にもっていくサイズではないよなっと躊躇したのだが、1分でも早く読みたい…っという欲望に負けて2冊をかばんにいれる。

福岡ドーム開幕戦を狙って北朝鮮の特殊部隊が占拠、その後に続く高麗遠征軍が福岡制圧をしていくのだが日本は何にも危機管理の対応ができなくていいようにやられちゃう…そんな中で… なんていう作品である。

「コインロッカーベイビーズ」、「愛と幻想のファシズム」「五分後の世界」といった狂気系SF作品の系統。「破壊と狂気」「意味もなくつるんでしまう集団への嫌悪」ってのがこの手の村上SFの真骨頂。相変わらず村上節全快で面白い。脳みそがやける感じが久しぶり。
行きの飛行機プラス現地での時差ぼけ調整時間で全部読みきる。
ここのところ忙しくて長時間の集中した本読む時間がなかったところに、いい本に没頭できて幸せ。

よくできてる本である。
ただ…過去の作品と同じように全ページが毒気と狂気に満ちた作品なんだけど、主人公のカッコヨサと狂気・毒が以前のものに比べてなくってる気がするのだ。
イシハラよりもどう考えたって狩猟社のトウジ、ゼロ、コインロッカーのキクやハシのほうがかっこいいに決まってる。
突出した主人公っていうのはもうはやりじゃなくて、イシハラ風な主人公がはやりなのかなあ…。

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