デミング博士のニューエコノミクスって

デミング博士の”ニューエコノミクス”に書かれた内容と,それに関連する内容を,「マターリ」と理解するページ

PDSA Cycle PDSAサイクル

2005-11-27 16:00:00 | 論理!!
 論理の要,PDSAサイクルと,演繹と帰納についてさらします.

1.PDSAサイクル



 まず,PDSAサイクル(について,New Economics Ch. 6 Management Peopleよりの内容をさらします.
 ちなみにオリジナルはPDCAサイクルですが,デミングさんはもっと本質がわかりやすくなるよう,C: CheckをS: Studyと言い換えています)

 The New Economics: for Industry, government, education -2nd ed. P.131より
【】内訳注
<引用>


Fig. 13 A flow diagram for learning and for improvement of product or of a process.

The PDSA Cycle. 2 このサイクルは(Fig. 13),学習及び,製品やプロセスの改善ためのフローダイヤグラムである.

 ステップ1. PLAN. 誰かが製品やプロセスの改善のアイディアを持っている.これが ステップ1に埋め込まれている 0-th ステージである.これが,テスト,比較,実験の計画を導く.ステップ1がサイクルすべての基礎である.急なスタートは非効率で,コストがかかり,フラストレーションがたまる.人々はこのステップをショートカットする弱さを持っている.彼らは動きを止めず,活動を止めず,忙しさを止めず,ステップ2に移る.
 計画ステージは,いくつかの考えよりの選択と共にスタートしているであろう.どれがテストできるか? 結果はどうか? 可能な選択からの可能な出力を比較する.どの考えが,新しい知識または利益を最も確実に表しているか?
 問題は,どうやって実行可能なゴールを達成するかであろう.

 ステップ2. DO. ステップ1で決定したレイアウト【割付】条件での望ましい限り小さいスケールでのテスト,比較,実験の実行を行う.
【実験計画法みたいです】

 ステップ3. STUDY 結果を学習する.結果は,希望や期待とどれだけ一致しているのか? もし違うならば,何が間違っていたのか? たぶん,私たちは初めの時点で自分を騙していたので,再度新しくスタートしなければならない.

 ステップ4. ACT. 変化を採用する
      もしくは 【その考えを】廃棄する
      もしくは  再度サイクルを回す,出来るだけ違う環境条件,
            違う材料,違う人々,違うルールで.

 読者に銘記して頂きたいのは,変化を採用するまたは,廃棄するには,予測が必要である事である.

2 このPDSAサイクルの出典は,1950年 日本での私の講義による.これは,Elementary Principales of the Statical Control of Quality (JUSE 【日科技連】, 1950; Out of print)に示されている.

</引用>

 実は,このサイクルについてデミングさんは,Ch4. でもいっていて,下記のような例や,幾何学(ユークリッド幾何学から非ユークリッド幾何学が出てきた:デミングさんは,ユークリッド幾何学を大きな広いビルや長い道路に応用した際に生じる不都合(地球は丸いので)に新しい幾何学が必要になったとの説明をしています)例などを引いて,説明しています.

 前にCh4の内容を書いていますので,そこからのコピペです.

The New Economics: for Industry, government, education -2nd ed. Ch.4 P. 102 より
<引用>

 Knowledge is built on theory. 知識は,論理の積み重ね.

 知識の論理は私たちにひとつの事柄を教えてくれる.もしそれが知識を運んできてくれ,将来の予測が出てきて,間違いのリスクも分かり,そして過去の観察と間違いなしに合えば.
 合理的な予測には,予測と観察結果との比較が基礎になった,システマチックな変更や論理の拡張による,論理や知識の組み立てが必要である.

 庭の雄鶏君は論理を持っていた.
 彼は毎朝パタパタ羽をはばたかせ,彼の全エネルギーを使い鳴いていた.
 太陽が昇った.
 この関係は明らかだ:彼の鳴き声が原因で太陽が昇る.
 彼の重要性には,何の疑いも無い.
 障害がおきた.ある朝,彼は鳴くのを忘れた.
 太陽は,お構い無しに上がってきた.
 ショボーン.彼は,彼の理論を変更する必要性を感じた.

 彼の理論が無いと,彼は,何も変更できない.何も学習出来ない.

</引用>

 これは,PDSAサイクルのPの時点で論理(仮説)を組み立てる必要があり,その論理が無いと,このサイクルが役立たない事を指し示しています.(だから,上記「ステップ1」で,「人々はこのステップをショートカットする弱さを持っている.」とわざと説明しているのでしょう.)
 下記に,私がまとめたPDSAの内容を挙げておおきます.

  • 将来を予測できる理論である.(Plan)
  • その理論より出た予測と,実際の観察の結果との比較が可能である.(合っているかどうかがわかる)(Do)
  • 比較の結果,その理論があっているか,間違っているか判別可能である.(Study・Check)
  • 理論が間違っていた場合,その理論の変更もしくは拡張で理論を改善できる.(Action) (これが出来ないと,その理論を捨てて,新しい理論を採用する必要がある)

 そして,上記のような理論が無いと,予測が出来ない.また予測が間違っているかどうかが分からないため,学習が出来ない.(=改善できない)となります.

2.演繹と帰納



 ここで,デミングさんの本から離れて,宮川雅巳さんの「品質を獲得する技術 タグチメソッドがもたらしたもの」P. 53 2.3.1 実験研究の2つの流儀の内容を見ていきましょう.
 この研究(実験)の二つの流儀とは,「演繹的実験」と「帰納的実験」の二つです.
 この二つは以下のような感じです.
  • 演繹的実験: 実験する項目に対する仮説を立てる.例えば落体の実験とかで,「落体の落下距離は,時間の2乗に比例する」とかです.これを条件を合わせて色々な高さから落としてみて,時間を計り,このとおりになるかどうかを確かめるのを演繹的実験とかと名づけます.
  • 帰納的実験:もう一つの帰納的実験とかは,ベーコンさんが提案した概念で,自然現象に人工を加えてどのような結果になるかを観察することだそうで,これを経験的因果関係の発見に役立てようとしたらしいです.
       この二つをホパーさんの科学的研究法の枠組みにはめると,下記図のようになります.(なおこの図は,「品質を獲得する技術」P54 図2.11 に私が加工と落書きしたものです) 図 ホパーによる科学的研究法の枠組み及び,PDSAとの関連  そう,実は私がこの図を見たときに,「PDSAに似てない?」と考え,落書きしてみたら,あらま,合うではないですか.(そうでもないですか?)  もしかしたら,「仕事や社会の仕組みの分析や設計に科学を持ち込むとはこういうことですか.」などと思ってしまいました.  それはともかく,宮川さんは,【フィッシャー(R.A.Fisher;1867-1947)が20世紀初頭に創始した実験計画法は,無視できない実験誤差のもとで,ベーコン流実験を近似的に実現する方法論であり,タグチ流実験も帰納的実験をある面で徹底させたものである.】(宮川,前掲書,P. 55)といっています.  もし,上記図が,PDSAにフィットするのであれば,PD部分は,各技術やら方法論やらでカバーする領域であり,SA部分は統計的手法がカバーする領域で,品質管理とはつまり,各固有技術(方法)+統計的手法という事になります.  そして,デミングさんの言うとおり,Pでの論理の組み立てが重要であるのであれば,基礎体力として統計的手法は必要であるが,やはり重要なのは固有技術であるといえると思います.

      参考文献

      • Dening, W. Edwards,The New Economics: for Industry, government, education -2nd ed.,1994,ISBN:0-262-54116-5
      • 宮川雅巳,品質を獲得する技術 タグチメソッドがもたらしたもの,2000,ISBN:4-8171-0399-6

Interdependence 相互依存

2005-11-20 16:26:46 | システムについて
 経営学の父:ピーター・ドラッカーさんが先週亡くなったようです.
 実はデミングさんとドラッカーさんは,NYU(ニューヨーク大学)での同僚でした.何でも,マネジメント科創設の時,教室が確保できなくて,市民プールが使用されていない時にそこを教室として講義をしていたそうです.(でも,この2人には何かぎこちなさがありますが…….やっぱりMBOがらみなんですかね?)
 そこで,デミングさんの本で,ピーター・ドラッカーさんに言及している部分を抜き出してさらします.

Interdependence 相互依存



The New Economics: for Industry, government, education -2nd ed. P96より
<引用>

 コンポーネント間の相互依存の大きさは,彼らの間のコミュニケーションと協力の必要性による.
 Figure 9に,低から高までの依存度を示す.
 マネージメントの間違いは,コンポーネント間の相互依存を含んでおり,事実,M.B.O.の実践における損失の原因である.
 会社の事業部におけるそれぞれの仕事に与えられている努力は,足し合わされない.
彼らの努力は,相互依存的なものである.一つの事業部がゴールを達成できたとしても,それ自身が置き去りにされ,ほかの事業部を殺してしまう.ピーター・ドラッガー【Peter Drucker】はこの点を明確にしている.
Peter Drucker, Management Tasks, Responsibilities, Practices (Harper & Row, 1973)


Fig. 9 Interdependence, from low to high.


 良く最適化されたシステムの例として,オーケストラがある.演奏者は,プリ・マドンナのようにソロを演奏しないし,各人が,聴衆の耳を捉えようとしている.彼らは,お互いをサポートしている.
個人個人では,国のベストプレーヤである必要は無い.つまり,ロンドン王立交響楽団の140人各人の演奏者は、他の139人の演奏者をサポートしている.オーケストラは,聴衆に判断される.いつも輝かしい演奏者によってではなく.しかし,彼らは共に働くのだ.マネージャと同じ【役割である】指揮者は,システムである演奏者間に協力を生み出し,各演奏者はお互いをサポートする.
ここには,演奏者及び指揮者の働く喜びという,他のオーケストラの目的がある.

</引用>

もう一つ.

In MBO (management by objective) 目標管理



The New Economics: for Industry, government, education -2nd ed. P30より
<引用>





現在の実践 ベター・プラクティス
M.B.O. (management by objective) システムの論理を学ぶこと.システムの目的の最適化により,コンポーネントをマネージすること.

 実践されているMBO,会社の目的は,いろいろな部署や事業部に配分されているものである.経験による通常の仮定は,もしすべてのコンポーネントや事業部が【目的の】共有化を成し遂げれば,全社で目標を成し遂げるであろう.この仮定は一般的な妥当性が無い:コンポーネントは大概の場合,相互依存している.
  不幸にも,いろいろなコンポーネントの努力は,足し合わされない.そこには 依存性がある.つまり,昨年度,購買の人間が10%のコストダウンを成し遂げたとしても,製造でコストアップと品質悪化があるであろう.彼ら【購買】が取るハイ・ボリューム・ディスカウントの優位とそれによる在庫の積み増しが,柔軟性とビジネス上の不測の事態に対する反応の邪魔になる.
 ビーター・ドラッカー【Peter Drucker】は,深い理解とともに,この点を明瞭にしている.
 不幸なことに,大勢の人々は,彼の警告を読んでも,悩むことは無い.
(Management Tasks, Responsibilities, Practices, Harper & Row, 1973)

</引用>

参考文献


  • Dening, W. Edwards, The New Economics: for Industry, government, education -2nd ed., 1994, ISBN:0-262-54116-5
  • Peter Drucker, 牧野洋 訳,ドラッカー 20世紀を生きて, 2005, ISBN:4-532-31232-9


The Funnel 漏斗の実験

2005-11-20 16:23:00 | システムについて
 The New Economics: for Industry, government, education -2nd ed. の第9章The Funnelの内容をさらします.

1.目的


 いつものように,目的と,実験方法を引用します.

The New Economics: for Industry, government, education -2nd ed. Ch.9
<引用>

 この章の目的:この章の目的は,結果管理【Management By Results】(Ch.2)での損失の論理を示すことにある.
漏斗があれば誰でもこの実験を行うことが出来る.
 この実験に必要な材料は,大体家庭のキッチンにあるものである.

 【中略】

</引用>

 つまり,この実験では,バラツキがある場合に,固定した目標や目標を追いかけた方がいいのかどうかを確かめます.

2.実験方法



<引用>

ルール1
 漏斗を目標に向ける.そのまま目標に対し固定する。
 玉を50回ほど漏斗を通して落下させる.おのおのの玉が落ちたところにマークをつける.
 ルール1の結果には,がっかりする.我々の期待より大きなラフな円を描いている.
 【中略】

 【訳注:ルール1は,つまり,漏斗を固定して何もしないということです.】

ルール2
 玉を落とすたびに,最後の落下点に対し埋め合わせるように,漏斗を移動させる.
(例:落下点が目標に対し北東に30cmずれて落ちた場合,漏斗を南西に30cm移動する.)
 結果には,がっかりする.ルール1より悪い.
 【中略】

 【訳注:ルール2は,前の目標位置-前の結果位置=次の漏斗の位置です.】

ルール3
 落胆,我々は新しいルールに関し考察した.玉を落とすたびに補正するが,目標を
補正に使う.最後の落下点を補正するために、目標の反対側に漏斗を移動する.
 ルール3のやり方は,以下の通り:
 1.漏斗を目標の上にセットする.
 2.最後の目標に対する落下点を補正するように,漏斗を動かす.
 (Dr. Gipsie Ranneyの貢献を得た)

 この結果は,今までよりひどい.
 【中略】

 【訳注:ルール3は,固定目標位置-前の結果位置=次の漏斗の位置です.】

ルール4
 (最初の落下後),最後の落下点に対し,正の位置に漏斗をセットする.
 (i.e., 最後の玉が落ちた場所がそこである.)
 ますます落胆.結局天の川のような軌跡だ.
 【中略】

 【訳注:ルール4は,前の結果位置=次の漏斗の位置です.】

 ルール4は,1924年コロラド大学のWilliam Pietenpol教授によって下記のように
規定された.その時,彼の学生のひとりとして,私は数学と物理学修士【履修に】
努力していた.
 酔っ払いの男;どちらが北か東か南か西かわからない;家に帰りたがっていた.
 彼は数歩歩く,よろめく.彼が正しいと思っている方へ,どちらが北か東か南か西かわからない;彼は数歩歩く,よろめく.そしてこの調子で彼はハンディキャップを背負ったまま行動する.彼の試みが増えるとともに,家への距離を縮めるチャンスは少なくなる.
この結論は,1898年Lord Rayleighによって予測された.

</引用>

 上では,漏斗と玉(マーブルとか・ビーズとか)を使用して実験していますが,ここではRというソフトを使用して,シミュレーションして見ます.使用したプログラムは,後の方に記載しておきます.

3.実験結果



 ルール1


Fig. 3-1-1 Rule 1


Fig. 3-1-2 Rule 1 close
座標を拡大したもの


Fig. 3-1-3 Rule 1 Control Chart Y axis

ルール2


Fig. 3-2-1 Rule 2


Fig. 3-2-2 Rule 2 close
 座標を拡大したもの 


Fig. 3-2-3 Rule 2 Control Chart Y axis

 ルール1よりもコントロール・リミットが広がっています.
 (こういう風に目標を補正することを「ハンティング」というそうです.)

ルール3


Fig. 3-3-1 Rule 3 first


Fig. 3-3-2 Rule 3 second


Fig. 3-3-3 Rule 3 Control Chart Y axis

 固定値を目標として補正しているので,波打っています.

ルール4


Fig. 3-4-1 Rule 4 first


Fig. 3-4-2 Rule 4 second


Fig. 3-4-3 Rule 4 Control Chart Y axis

 激しいランダムウォークです.

4.考察・結論


  • ルール2:バラツキがある(目標に対してバラツキが大きい場合)目標を単純に補正した場合は,何もしない場合より大きくなる.(ハンティング:デミングさんは「干渉」と呼んでいます.)
  • ルール3:目標を1つに固定して(幅を持たせず),補正すると,波打つ.
  • ルール4:前の結果が積み重なる(履歴効果等)場合,ランダムウォークになる.


 つまり,下記のような結論になります.
  • 目標を立てる場合は,結果のバラツキを小さくする方法をまず実行し,バラツキを押さえ,バラツキの幅より大きな目標の幅を取るか,補正値を工夫する.
  • むやみやたらに目標値を固定しない.その時の状況を読み取り,目標の幅を考える.
  • 大きな目標を達成するためには,前の結果がうまく積み重なるように考える.もし,その目標が環境悪化等の負の結果の減少である場合,積み重ねが減少するように考える.


 結果管理や目標管理という方法論自体,上記のことを考えていないことが多いように思えます.また,「結果のバラツキを減らす方法」が出来なかったり(例えば,売上予測の精度を向上するためには,GDP(=需要予測)の予測精度の向上が必要だと思います.),履歴効果(教育・訓練等)を無視し,投資ではなくコストとして処理するため,大きな目標(長期的目標)を達成できない事が多々あるような気がします.

5.参考文献


5-1.参考文献


  • Dening, W. Edwards, The New Economics: for Industry, government, education -2nd ed., 1994, ISBN:0-262-54116-5
  • R Development Core Team, R: A language and environment for statistical computing.(Ver. 2.1.1), 2005, ISBN:3-900051-07-0
  • 船尾暢男, The R Tips データ解析環境Rの基本技・グラフィック活用集, 2005, ISBN:4-86167-039-X
  • 田口玄一 他, 製造段階の品質工学, 1989, ISBN:4-542-51102-2
  • 宮川雅巳, 品質を獲得する技術 タグチメソッドがもたらしたもの, 2000, ISBN:4-8171-0399-6


5-2.使用プログラム


 下記に,(汚いですが)プログラムをさらします.
#
#Funnel demonstrates(experiments) program
#
#r		:漏斗の口の大きさ	funnel channel width
#j		:玉を落とす回数		Drop times of beads
#xlim		:描画エリアのX軸の大きさ(中心を0としているので
#		マイナス~プラスの値が必要,例:xlim=c(-10,10)
#		X-axis width of plot area. X-axis Center is 0. 
#		Require to set number from minus to plus.
#		e.g. xlim=c(-10,10) 
#		
#ylim		:描画エリアのy軸の大きさ(中心を0としているので
#		マイナス~プラスの値が必要,例:ylim=c(-10,10)
#		Y-axis width of plot area. Y-axis Center is 0. 
#		Require to set number from minus to plus.
#		e.g. ylim=c(-10,10) 
#		

funnel<-function(x,y,r){
funneldata<-rep(0,2)
rud<-runif(1,min=0,max=r)
sita<-runif(1,min=0,max=pi*2)
funneldata[1]<-(rud*cos(sita))+x
funneldata[2]<-(rud*sin(sita))+y
return(funneldata) } funnelexp1<-function(r=1,j=100,xlim=c(-10,10),ylim=c(-10,10)){
funneldata<-matrix(1:(j*2),ncol=2)
title= for(i in 1:j){ funneldata[i,]<-funnel(x=0,y=0,r)
} par(ask=TRUE) plot(x=funneldata[,1],y=funneldata[,2],xlim,ylim,type="p", main="Funnel demonstrate with Rule.1",xlab="",ylab="") qcc(funneldata[,1],type="xbar.one", title="Funnel demonstrate with Rule.1 x axis") qcc(funneldata[,2],type="xbar.one", title="Funnel demonstrate with Rule.1 y axis") } funnelexp2<-function(r=1,j=100,xlim=c(-10,10),ylim=c(-10,10)){
x<-rep(0,(j+1))
y<-rep(0,(j+1))
i<-0
funneldata<-matrix(1:((j+1)*2),ncol=2)
funneldata[1,]<-funnel(x=0,y=0,r)
for(i in 2:(j+1)){ x[i]<-x[(i-1)]-funneldata[(i-1),1]
y[i]<-y[(i-1)]-funneldata[(i-1),2]
funneldata[i,]<-funnel(x=x[i],y=y[i],r)
} par(ask=TRUE) plot(x=funneldata[1:j,1],y=funneldata[1:j,2],xlim,ylim,type="p", main="Funnel demonstrate with Rule.2",xlab="",ylab="") qcc(funneldata[1:j,1],type="xbar.one", title="Funnel demonstrate with Rule.2 x axis") qcc(funneldata[1:j,2],type="xbar.one", title="Funnel demonstrate with Rule.2 y axis") } funnelexp3<-function(r=1,j=100,xlim=c(-10,10),ylim=c(-10,10)){
funneldata<-matrix(1:(j*2),ncol=2)
funneldata[1,]<-funnel(x=0,y=0,r)
for(i in 2:(j)){ funneldata[i,]<-funnel(x=0-funneldata[(i-1),1],
y=0-funneldata[(i-1),2],r) } par(ask=TRUE) plot(x=funneldata[,1],y=funneldata[,2],xlim,ylim,type="p", main="Funnel demonstrate with Rule.3",xlab="",ylab="") qcc(funneldata[,1],type="xbar.one", title="Funnel demonstrate with Rule.3 x axis") qcc(funneldata[,2],type="xbar.one", title="Funnel demonstrate with Rule.3 y axis") } funnelexp4<-function(r=1,j=100,xlim=c(-10,10),ylim=c(-10,10)){
funneldata<-matrix(1:(j*2),ncol=2)
funneldata[1,]<-funnel(x=0,y=0,r)
for(i in 2:j){ funneldata[i,]<-funnel(x=funneldata[(i-1),1],
y=funneldata[(i-1),2],r) } par(ask=TRUE) plot(x=funneldata[,1],y=funneldata[,2],xlim,ylim,type="p", main="Funnel demonstrate with Rule.4",xlab="",ylab="") qcc(funneldata[,1],type="xbar.one", title="Funnel demonstrate with Rule.4 x axis") qcc(funneldata[,2],type="xbar.one", title="Funnel demonstrate with Rule.4 y axis") } funnelexp1() funnelexp2() funnelexp3() funnelexp4()


分布の種類

2005-11-13 19:00:00 | R 統計
 ここに,分布の種類と,Rの関数名をさらします.
 
 ちなみに,この関数名の前に,下記の頭がつきます.
 




 
用途 関数名 説明
確率密度 dxxxx(q) qは分位数です.例:正規分布(norm)であれば,dnorm(q)となります.
累積密度 pxxxx(q) qは分位数です.例:正規分布(norm)であれば,pnorm(q)となります.
分位数 qxxxx(p) pは確率です.例:正規分布(norm)であれば,qnorm(p)となります.
乱数 rxxxx(n) nは発生させる乱数の個数です.例:正規分布(norm)であれば,rnorm(n)となります.

 
 ・正規分布
 式:
 
 11/20 追記正規分布は,簡単な関数では表せないそうです.上の式は,実データ
    よりの推測を行うものです.
 
 グラフ:
 
 
 R関数:
 norm
 
 パラメータ:
 mean(平均), sd(標準偏差)
 
 説明:
 普通に見るベルカーブ
 
 ・2項分布
 式:
 
 
 グラフ:
 
 
 R関数:
 binom
 
 パラメータ:
 size(試行回数), prob(成功確率)

 説明
 コイン投げでの表が出る度数(何回中,何回表が出たのかの数)
  
  ・ポアソン分布
 式:
 
 
 グラフ:
 
 
 R関数:
 pois
 
 パラメータ:
 lambda(λ)

 説明:
 事故などのあまり発生しない事柄の分布.マイナスになれない
 (キズの数とか)の分布もこれが出てくるそうです.

  ・超幾何分布
 式:
 
 
 グラフ:
 
 
 R関数:
 hyper
 
 パラメータ:
 n(赤玉の数),m(白玉の数),k(サンプル数)

 説明:
 赤玉・白玉を壷の中で混ぜて,サンプル数分を玉を壷から取った
 時の赤玉の数(たぶん・・・白玉かもしれない・・・後で調べます)

  ・一様分布
 式:
 
 
 グラフ:
 
 
 R関数:
 unif
 
 パラメータ:
 min,max

 説明:
 帯のような分布.元のグループ(群)の分布がわからないときとかに
 これを仮定することがあるそうです.  
 
 参考文献:
 ・船尾暢男,The R Tips データ解析環境Rの基本技・グラフィック活用集,2005,ISBN:4-86167-039-X
 ・間瀬茂 他,工学のための データサイエンス入門 -フリーな統計環境Rを用いたデータ解析-,2004,ISBN:4-901683-12-8
 ・荒木孝治 他,フリーソフトウェアRによる 統計的品質管理入門,2005,ISBN:4-8171-9148-1
 ・R Development Core Team, R: A language and environment for statistical computing.(Ver. 2.1.1),2005,ISBN:3-900051-07-0

経済学のコンセンサス

2005-11-06 18:50:43 | 経済
何か,話が経済学方面に行ってしまったので,スティグリッツさんの教科書からの抜粋をさらします.

経済学のコンセンサス -スティグリッツ 入門・ミクロ・マクロ経済学 日本語第2版より抜粋-

【ミクロ経済学】



1・希少性 Scarcity (入門38p ミクロ8p マクロ4p)
あるものを多く食べるためには,他のものをあきらめなければならない.
すなわち,フリーランチは無い.(There is no free lunch)

2・インセンティブ Incentives (入門52p ミクロ11p マクロ4p)
適切なインセンティブを提供することは,基本的な経済問題である.
現代の市場経済においては,利潤は企業に個人が望むものを生産するようにインセンティブを与え,
賃金は個人に働くインセンティブをもたらす.
所有権もまた人々に投資や貯蓄だけでなく,彼らの資産を最善な方法で用いようという,重要なインセンティブを与える.

3・取引と貿易 Trade (入門104p ミクロ17p マクロ4p)
自発的交換は利益を生み出す.個人間の取引であれ,国境を越えた貿易であろうと,すべての取引者は自発的交換から利益を得ることができる.

4・価格 Prices (入門137p ミクロ27p マクロ5p)
競争市場では,価格は需要・供給の法則で決まる.
需要曲線や供給曲線がシフトすると均衡価格は変化する.
同様の原理は,労働市場や資本市場にも当てはまる.
労働の価格は賃金であり,資本の価格は利子率である.

5・金融市場 Financial Market (入門227p ミクロ33p)
金融市場は現代経済の中心的な領域である.
それらは,新しく設立された企業のための資本調達,既存企業の拡張,およびリスクの分担にとって欠く事ができないものである.

6・政府の役割 The Role of Government (入門263p ミクロ36p)
現代経済では政府は重要な役割を果たしている.
政府は市場の失敗を矯正し,所得再配分を行い,失業,疾病,障害,引退などのリスクに対する社会保険を提供する.
政府活動の意図や見通しについては論争が多いものの,経済における政府の役割の重要性については広範な合意がある.

7・競争市場の効率性 The Efficiency of Competitive Market (ミクロ317p)
現代の経済の中心には競争市場が存在する.
利潤動機と価格システムを通じて,競争市場は経済的効率性をもたらす.
しかしながら,市場が効率性を生み出せなくなる重要な例外が存在する.
たとえば,市場は競争的で無いかもしれないし,市場は(環境汚染のような)負の外部性を持つ財を過大に生産しすぎるかもしれないし,(基礎研究のような)正の外部性を持つ財を過少にしか生産しないかもしれない.

8・不完全競争 Imparfect Competition (ミクロ416p)
多くの市場では競争は制限されている.
不完全競争市場では,企業は,自社の産出量やその他の行動が自社製品の価格に影響を及ぼすことを知っている.
多くの場合に,各企業は,自社の行動がライバル企業のどのような対応を招くかを考慮した上で,戦略的に行動しなければならない.

9・技術革新 Innovation (ミクロ490p)
現代経済は技術革新の上に成り立っている.
技術革新が重要な部門では,不完全競争が一般的である.
政府は(特許や著作権によって)知的財産権を保護したり,基礎研究を助成したりして,技術革新面で決定的な役割を果たしている.

10・不完全情報 Imperfect Information (ミクロ526p)
個人や企業が不完全情報に基づいて意思決定を行うという事実は,多くの点において市場の働きに影響を及ぼす.
企業や個人は,情報の希少性を何らかの方法によって補おうとする.
逆選択やモラルハザードが生じる多くの市場において,企業は品質の情報を伝達するように価格を調整する.
個人や企業は,自らの特性に関する情報のシグナルを送ることによって伝えようとしたり,名声(評判)を樹立するための努力を重ねるのである.

【マクロ経済学】



1~4までは,ミクロ経済学のコンセンサスが,マクロ経済学でも当てはまる.

5・完全雇用下での政府支出の効果 Effects of Government Expenditures at Full Employment (マクロ135p)
経済が完全雇用下にあり,閉鎖経済であるときには,政府支出の増加は民間消費か投資,または両方の減少を引き起こす.
それがちょうど増税で賄われるとしても,増税が通常貯蓄を減少させるため,政府支出の増加は民間投資をクラウディング・アウトする.(押し退ける)
開放経済であるならば,政府支出は海外からの借り入れの増加を招くことになる.
しかしアメリカでは,借り入れ増加が貯蓄減少分を完全には埋め合わせることにはならず,投資は減少する.

6・貨幣の中立性 Neutrality of money (マクロ136p)
完全雇用下では,マネーサプライ(貨幣供給量)の増加は物価と賃金の比例的上昇を引き起こすだけであり,実質的な効果はまったく無い.

7・経済成長 Growth (マクロ167p)
生活水準の上昇は生産性の上昇を必要とする.
生産性の上昇は,研究開発(R&D)への支出,新しい技術・プラント・設備・インフラストラクチャーへの投資,そして労働力の熟練の向上を必要とする.

8・失業 Unemployment (マクロ182p)
失業は,典型的には,価格が調整されない時に労働の総需要曲線がシフトすることによって発生する.
労働の総需要曲線のシフトは,典型的には,産出量が変化することによって発生する.

9・経済が生産能力を下回っている場合に,経済を刺激する Stimulating the Economy When It Is Below Capacity
(マクロ192p)
経済が過剰生産能力の状態にある場合には,(あらゆる物価水準における)総需要の増加は,価格にはほとんど影響を及ぼすことは無く,総産出量を増加する.

10・経済を過度に刺激することの影響 The Effect of Overstimulating the Economy (マクロ192p)
経済がフル活動に近く,ほとんどの機械と労働者が完全雇用されている場合には,(あらゆる物価水準における)財・サービスへの需要の更なる増加は,物価上昇圧力をもたらすだけで,産出量に対してはほとんど影響を及ぼさない.

11・過剰生産能力が存在する時のサプライサイド効果 Supply-Side Effects When There Is Excess Capacity
(マクロ192p)
経済に過剰生産能力がある場合には,生産能力の増加は産出量にはほとんど影響を及ぼさない.

12・経済を刺激するための金融政策の利用 Using Monetary Policy to Stimulate the economy (マクロ341p)
過剰生産能力が存在し,かつ物価水準が硬直的である場合には,マネーサプライの増加は,通常は経済を刺激し,産出量を増加させる.

13・深刻な不況期における金融政策 Monetary Policy in a Deep Recession (マクロ345p)
経済が深刻な不況に陥っている時には,金融政策は景気回復のために経済を刺激する手段としてはあまり有効でない

14・インフレーションと失業のトレードオフ The Trade-off between Inflation and Unemployment (マクロ419p)
失業率がNAIRUを下回る水準にとどまるならばインフレ率は上昇し,上回る水準にとどまるならばインフレ率は下落する.
経済は,インフレーションを加速させることなしには,失業率をNAIRUより低い水準で永続的に維持することはできない.

参考文献


 ・Stiglitz, E. Joseph,藪下史郎 他訳,スティグリッツ ミクロ経済学 第2版,2000,ISBN:4-492-31258-7
 ・Stiglitz, E. Joseph,藪下史郎 他訳,スティグリッツ 入門経済学 第2版,1999,ISBN:4-492-31257-9
 ・Stiglitz, E. Joseph,藪下史郎 他訳,スティグリッツ マクロ経済学 第2版,2001,ISBN:4-492-31259-5

11/12 参考文献にヌケがありましたので修正しました.

Exit-Voice 退出-告発(「内発動機」の続き)

2005-11-06 18:49:30 | 心理学
 この前の続きをさらします.

Exit-Voice



ここで,ハーシュマンさんのExit-Voiceを考えて見ましょう.
 まず,Exit-Voiceの考え方ですが,伊藤元重さんの「ビジネス・エコノミクス」の内容から見ていきます.

伊藤元重,「ビジネス・エコノミクス」P102~104

<引用>

 ある組織の中で好ましくないことが起きているとき,人々はどう対応するだろうか.たとえば,企業の中で不当な行為が行われている,あるいは経営的にまちがった行為が行われていたとき,その企業の社員はどの様な対応が可能であろうか.基本的には二つのタイプの対応が可能である.
 一つは「告発(Voice)」だ.告発とは,たとえば組合を使って改革を求める.あるいは上司の所へ行って「このままではまずいのでは」と変更を訴えてもいい.ようするに組織の中で声をあげて変化を迫るのだ.
 もう一つの「退出(Exit)」というのはその会社を辞めて他へ移るということだ.もっと良い場所へ移ればいい.<以下略>

</引用>

 つまり,仮に会社が変なことをしているときは,従業員として,その会社で改善を訴える(もしくは,改善活動を行う)か,会社を辞めて,他へ移るかです.
 実は,会社側も同様で,使えない従業員をクビにするか,教育等を行うかの選択になります.

 さて,ここでExitとVoiceの内容を考えて見ましょう.
 ・Exit:
  ・退出する人は,その組織に何かを残していくという考えを持た
   ない.
  ・退出する人が少数の場合(もしくは少数に見える場合)は,そ
   の組織として何かを(例えば従業員の待遇改善など)改善しな
   ければならないという意識がなかなか持たれない.

   (例:どこかのお蕎麦屋さんが,コストダウンのために出前持
   ちを辞めさせて,板さんが配達する.そのおかげで,料理の出
   来上がりが遅くなる.常連さんは,注文しなくなるが,新しい
   お客さんが注文してくれるので,売上はそんなに下がらない.
   しかし,新しいお客さんがいなくなって(もしくは,その店の
   評判「料理が出来るのが遅い」と言う事が,お客さんになりそ
   うな人まで広がって)売上が下がる.ここでやっと板さんに改
   善意識が出てくる.)

 ・Voice:
  ・告発(Voice)する人は,少なくても自分の持っている情報(改
   善すべきポイント等)を組織に与えたいと思っている.
  ・告発する人が少数の場合でも,組織として改善意識を持つ可能
   性がある.

 こう考えると,退出より告発の方が有利に思えます.そして,ハーズバーグさんの動機付け衛生理論を考えると,衛生要因で退出を防いで,動機付け要因で,告発を多く導き出した方が良いように思われます.

競争と協調



 Exit-Voiceのイメージでは,Exitをする・させることが競争,Voiceする事が協調のような感じがします.
 ですが,こう考えて見るのもいいでしょう.
 ・Exit競争:相手をExitさせる競争.
 ・Voice競争:相手とVoiceを競う競争.
 こう考えると両方とも競争になります.

 では,協調はあるのでしょうか? 協調は,実は「分業」ではないのでしょうか.

 そうすると,デミングさんの考えの,「良い競争相手」とは,顧客に対するVoice競争を行い,そのVoice競争をサポートするため「分業」してくれる相手のような気がします.
 例えば自社や競争相手が属している「業界」のサポートや,業界内で使用する部品等の「標準化」のようなサポートです.
 Exit競争を仕掛けてくる相手は,きっと,「競争をなくすための競争」をしたいので,その様な「分業」もしてくれないでしょう.

 デミングさん曰く,「競争もシステムの一部である:あなたにいいことは,彼ら【競争相手】にもいいことだ.【逆に,「良い競争相手はあなたを助ける.」とも答えています.】」とのことです.(これは,ベンチマーキングにおける質問に対する答えなので,この話の流れに合うかどうかは判りません.)
“Does anybody give a hoot about profit?” Deming Speaks to European Executives P8より.

 但し,デミングさんは,「独占は,世界に対するサービスを最大化及び,重い義務をもって行うベスト・チャンスである.」とも言っています.確かに,技術進歩や,他の外部性があるときは,ある程度の独占的な動きが必要らしいですが,すべてに必要ではないし,ビジネス特許等を考えるとどうかなぁとも思います.
 技術進歩とか,外部性については,「スティグリッツ・ミクロ経済学」10章 技術進歩や,PUBLIC POLICY FOR A KNOWLEDGE ECONOMYを参照してください.(時間があるときにでも,この話をまとめます,きっと・・・)

 何か,取り留めなくなってきたので,この話は,ここで終わりにします.

参考文献


  • Dening, W. Edwards,The New Economics: for Industry, government, education -2nd ed.,1994,ISBN:0-262-54116-5
  • 高橋伸夫,虚妄の成果主義 -日本型年功序列制復活のススメ,2004,ISBN:4-8222-4372-9
  • DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部,動機付づける力,2005,ISBN:4-478-36081-2
  • Stiglitz, E. Joseph,藪下史郎 他訳,スティグリッツ ミクロ経済学 第2版,2000,ISBN:4-492-31258-7
  • THE SWISS DEMING INSTITUTE,“Does anybody give a hoot about profit?” Deming Speaks to European Executives,2000,http://www.deming.ch/downloads/deming_speech_en.pdf
  • Joseph E. Stiglitz,PUBLIC POLICY FOR A KNOWLEDGE ECONOMY,1999,http://www.worldbank.org/html/extdr/extme/knowledge-economy.pdf


Transformation in Japan 日本での改革

2005-11-05 19:12:53 | 品質管理
Out of the crisisのAppendixに書かれている「日本での改革」の章の内容をさらします.

Appendix Transformation in Japan 日本での改革

【】内訳注

 日本で,デミングさんが何を教え,どの様に変革していったかがこの章で説明されています.
 内容を引用しながら,見てきたいと思います.

 まず,デミングさんが,なぜこの章を書いたのか,見てみましょう.

この章の目的



Out of the crisis Ch. Appendix

<引用>

 Motive for this appendix.
 この章を【書いた】動機.

 ありふれた世界に日本の奇跡があり,衝撃の1950年からこの奇跡が始まった事が知られている.それ以前は,日本が輸出した一般向け製品の品質は,全世界で「安かろう,悪かろう」とのうわさが立っていた.さらにアメリカ軍は,日本人が,何が品質なのかを知っているかをテストした.まだ,彼らは国際取引の中で,品質向上に対する努力を傾けてはいなかった.

 1950年に,突然,日本製品の品質と信頼性が上がり,1954年には,世界中の市場を捉えた.ニューエコノミー時代が始まった.何がおきたのか.
 その答えは,トップマネージメントが,輸出のためには品質が不可欠であると確信し,【品質向上に】スイッチする事が出来たことである.
 彼らは,会議の上に会議を重ね,この目的の達成のために目的に導く責任を果たすことを学習した.マネージメントと工員たちは,品質と仕事のために,共に力を果たした.


</引用>

 以下,内容をまとめます.

 JUSE. 日科技連.


 どうやら,日科技連は戦争中にあった各組織をまとめたもののようです.彼ら(と経団連)は輸出するために,品質向上が必要であり,そのための学習が必要であると考えていたようです.

Conferences with top management. トップマネージメントのとのコンファレンス.


 1942年ぐらいに,アメリカで10日集中セミナー等を開き,技術者に品質管理を教育していったようです.軍備の役所でも,品質管理のコースを開いていったそうです.その頃は,品質管理ブームのような感じになって燃え広がったようですが,デミングさん曰く,「勢いよく燃え,パチパチしてきて,シューとなって,消えてしまった」だそうです.
 品質管理部門等の設立,管理図等,個々の組織や手法はそれぞれ残ったようですが,改善の考え方等は消えてしまったようです.

Japan 1950. 日本 1950年.


 日本では,アメリカでの過ちを繰り返したくない.トップマネージメントに彼らの責任を理解させなければならない.
 そう考えたデミングさんは,日科技連や経団連等のつてを頼って,トップマネージメントへの教育の場を設けたそうです.
 そこで教えたのは,下記の図等を使って,製造のシステムとしての側面を教えたそうです.


Fig. Apdx-1 Production viewed as system


<引用>

 消費者は,生産ラインの一番重要な部分である---日本のマネージメントにとって新しい原則である.製品のパフォーマンスの裏側に立脚するこの原則が,日本のマネージャにとって必要である.彼らは常に前を見て,新しい製品やサービスをデザインしなければならない.納入部材の同一性と信頼性の改善のために,信頼と忠誠の長期関係に則り,各1アイテム毎のベンダを選択しなければならない.
 マネージャは,機械や指導書,ゲージのメンテナンスに何時でも注力しなけらばならない.
 これだけでは,あちらこちらですばらしい達成をするのに不十分である.バラバラの努力では,国家単位でのインパクトは無い.消費者が,現在及び将来の必要において品質という言葉に含めているのは,企業や,国家などのすべての活動である.
 品質の改善は,1950年,日本で始まった.

</引用>

Expansion of education to management, engineers, foremen.
 マネージメント,技術者,職長への教育の広がり.


 日本では現在,アメリカと違って,時間給の人にまで管理図等の教育が行き届いていて,アメリカのように,時間給の人に何もしないで彼らのプライドを傷つけている事は無いとしています.
 ジュランさんも1954年に日科技連の招きで,日本へ行き,品質と生産性改善に対するマネージメントの責任に対する,新しい洞察についてのすばらしい講義を,日本のマネージャに与えたそうです.

Further notes in respect to top management in Japan.
 日本の尊敬するトップマネージメントの将来の話.


<引用>

 一般的に,今まで「安かろう・悪かろう」な日常品を生産していた日本は,ヨーロッパやアメリカには追いつかないであろうと思われていた.
 しかし,1950年に品質面での新しい日本が始まった.私は5年後には日本は,世界のマーケットを侵略し,時間が経つにつれて,最も栄えている国の一つになると予測した.
  -以下略-

</引用>

Encouragement from futher result. さらなる結果に励まされた.


 ・古河電気の西村社長の報告では,1951年7月に10%の被覆電線のリワークが低減され,同じだけ生産性が向上した.
 ・日科技連の小柳副理事は1952年,アメリカ品質協会の会合で,日本企業の13のレポートを報告した.
  それら13のレポートは,すべてトップマネージメントが作成していた.
 ・田辺製薬の田辺社長は,同じ人,同じ機械,同じプラント,同じ材料で,今までの3倍の抗生物質の早期製造が可能になったと報告した.
   -以下略-

QC-Circles. QCサークル.


 QCサークルの一般化は,石川馨さんが1960年に行ったものです.
 これらは,異常原因に対し,少数の人々で構成されたサークルでの討議等で対処していくことが目的です.(当の石川馨さんは,QCサークルとは,「まず勉強するグループであり,再発防止の管理を行うグループ活動である.」といっています.(日本的品質管理[増補版] P31))
 これらQCサークルの成果は,いろんな業種が集まる地方や全国での報告会で報告され,共有されます.
 最後に,デミングさんが,このQCサークルの節の最後に書いている内容を訳しますので,皆さん考えてみてください.

<引用>

 1980年11月に東京で開かれたQCサークルの全国大会での100の報告のうちの一つで,現在7名で行っている作業を,5名で行えるように作業改善を行っているとの報告であった.
 言い換えると,140名で行う作業を,今は100名で行えるという事だ.40名は仕事を失わない.ただ他の仕事に移るだけだ.
 貢献は,このように会社を競争優位のポジションに立たせることであり,究極的には,会社はより多くの雇用を必要とすることである.より少なくではなく.

</引用>

参考文献


  • Dening, W. Edwards,Out of the crisis,1986,ISBN:0-262-54115-7
  • Dening, W. Edwards,The New Economics: for Industry, government, education -2nd ed.,1994,ISBN:0-262-54116-5
  • 吉田耕作,国際競争力の再生 -Joy of Workから始まるTQMのすすめ-,2000,ISBN:4-8171-0338-8
  • 武田修三郎,デミングの組織論,2002,ISBN:4-492-53152-1
  • 石川馨,日本的品質管理 [増補版],1984,ISBN:4-8171-0010-9


RjpWikiに書き込み

2005-11-05 12:36:37 | R 統計
 今日RjpWikiに書き込みをしてみました.でもqccのindexページからのリンク方法がわからず,今日はここまでにしました.

 ちなみに,書き込んだurlを下にさらします.


http://www.okada.jp.org/RWiki/index.php?qcc_function
qcc

http://www.okada.jp.org/RWiki/index.php?qcc.groups
qcc.groups

http://www.okada.jp.org/RWiki/index.php?oc.curves
oc.curves

http://www.okada.jp.org/RWiki/index.php?.qcc.options
.qcc.options

http://www.okada.jp.org/RWiki/index.php?circuit
circuit

http://www.okada.jp.org/RWiki/index.php?orangejuice
orangejuice

http://www.okada.jp.org/RWiki/index.php?orangejuice2
orangejuice2

http://www.okada.jp.org/RWiki/index.php?pistonrings
pistonrings

http://www.okada.jp.org/RWiki/index.php?cusum.qcc
cusum.qcc

http://www.okada.jp.org/RWiki/index.php?pareto.chart
pareto.chart

http://www.okada.jp.org/RWiki/index.php?process.capability.sixpack
process.capability.sixpack

http://www.okada.jp.org/RWiki/index.php?process.capability
process.capability

以上さらしました.

【期間限定】某モーターショー見学記 写真あぼーんしますた

2005-11-03 19:18:42 | その他
 今日,家族に連れられて,モーターショーに行ってきました.
そこで,期間限定で(大体1週間ぐらい)モーターショーの
感想をさらします.
(期間限定なのは,多分,ずっとさらしておくと,悪い事がおき
そうだからです.というのと,写真スペースの問題もあります.)
 11/12 写真 あぼーんしました.

 大体人出は例年通りのような気がします.
 各社,大物はなさそうですが,スポーツ・コンセプトを出して
いました.
 私は,各社回ったのですが,何とか写真が取れたのは,下記の
所でした.(頭が写るの大杉!)

日産GTRコンセプト

あっ頭ぁーっ・・・


お尻ーっ(^^)/~~

マツダ ロータリー・ハイブリッド

見えないよー


もう・・・(;_;)


し・あ・わ・せ・・・ルン(^^)/~~

 さて,外国勢ですが,ダイムラークライスラーやBMWなども来て
ましたが,やはり,気になるのが最近伸びてきた韓国勢です.

現代

「ソナタ」 あ・は・は,このネーミングで来ましたか・・・.でも,
オバサンには,大きすぎない? マークXぐらいあるよ.

KIA

やっぱ,これぐらいかわいい方が・・・好き!!
(あまり,このメーカは知らんですケド・・・)


 でも,まじめな話,彼女,写真取る人,一人一人に視線を投げかけてました.
何かプロ根性を見たようで感動です.

こんなところで,おしまいです.