夜明けの曳航

銀行総合職一期生、外交官配偶者等を経て大学の法学教員(ニューヨーク州弁護士でもある)に。古都の暮らしをエンジョイ中。

タバコが無辜の他人の命を奪う

2007年05月10日 | Weblog
8日の、山陽道で社員旅行のマイクロバスがトラックに追突されて21人が死傷した事件、トラックの運転手がタバコを取ろうとして運転を誤ったのが原因だそうだ。

そんなことで命を失った人徳者という社長は成仏しきれない。遺族も納得できないだろう。

タバコはその依存性においては違法ドラッグも上回る強度をもつので、タバコのためには理性が吹っ飛ぶという現象はどんな人格者にも見られる。

現在は、マナーを守って吸おうとすると、いつも「どこに灰皿があるか、いつどこで吸えるか」を考えていなければならない。ほかにいくらでも考えなければならないこと、しなければならないことがあるのに、タバコごときに振り回される人生のばかばかしさに早く気づき、やめてほしいものだ。

タバコといえば、東京の家でよく利用する区立の図書館の附近で、昼頃、図書館の職員が名札とエプロンをつけたまま歩きタバコをしているのを見かけ、ポイ捨てはもちろん、歩きタバコも禁止する文京区条例に区立図書館職員が違反していいのか、と苦情をいいにいった。
事務所に案内されて、「○○という人の上司を出してほしい」といったら、他の職員が困っていた。職員の名が全部書いてあるボードを見たらその名がトップにあったので、「もしかして館長なんですか」といったら、他の職員は「私の口からはいえない」とわけのわからんことをいう。(後で館長であることが判明)
こうやって見え見えのことでも身内を庇ってごまかすというのが日本の組織では期待されるのだなと改めて思った。

身内の不正を庇うのが当たり前という価値観といえば、ドラマ化されていた『華麗なる一族』でも、西田敏行扮する義父の汚職を実父(北大路欣也)がマスコミにリークしたからといって、キムタクが「リークした奴を殺してやりたいほど憎む」といっていた。それっておかしいよね。汚職した方が悪いのに、そういう価値観をヒーローに語らせるほど日本人の価値観はそうなのか、と絶望した次第。

話はそれるが、あれは不愉快なドラマだった。ストーリーよりも、キムタクをいかに格好良く見せるかということに主軸がおかれた安手のアイドル映画みたいだった。それに、中村トオル(妻役の吹石一恵とは20歳近く違うのでは)、西村雅彦、山本耕史と並んだときの身長差があまりないのは???である。
1960年代に、茶髪で長髪の鉄鋼マンは絶対いない。キャリア官僚役の中村トオル(『海猿』で殉職する直前生まれてくる子の名前を考えていて伊藤英明がなんでカタカナの名前なんですかといったら「馬鹿野郎、カタカナの名前には偉い人がたくさんいるんだぞ」っていうのは、普段寡黙な役だけに笑えた)だってださい73分けで役作りしてるんだから、もっとちゃんとしろよ。
北村一輝なんか、売れない頃、記憶もされない脇役なのに、ドラッグで歯がぼろぼろのチンピラ役をやるためだけに歯を数本抜いたらしいよ。(演技のうまい注目している役者だが北一輝と一字違いなのはわざとかといつも思う。ちなみに北一輝と有田八郎は佐渡島出身で、どちらも三島と関係があるのは面白い)

キムタクといえば、今まではドラマの中で必ずといっていいほどタバコを吸っていた。
『ビューティフルライフ』なんか、青山の歩道でタバコをポイ捨てするシーンまであって(いい人という設定の主人公にタバコをポイ捨てさせるのはまずかろう)腹が立ったものだが、今回は喫煙シーンが一度もなかったことだけは評価しよう。

しかし、30年くらい前に、山村聡、加山雄三、林隆三,小川真由美、島田陽子などが出たドラマの方がずっと重厚でよかったことにかわりはない。とくに、次男役の林隆三が表面従順ながら久我美子扮する母への思慕と父への憎しみという複雑な感情をもつという難しい役を繊細に演じていて出色だった。
私は中学のときから30代好きで、北大路欣也、古谷一行(高校の近所の実家古谷写真館にいってお父さんに話し聞いたりした)、林隆三のドラマは欠かさず見ていた。高三のとき、『噂の刑事トミーとマツ』の課長役の林隆三見たさに、駿台の東大コースを水曜日だけは一時間(あまり人気のない先生の国語の授業だったせいもあるが)サボってたもんね(ビデオデッキなど当然ない時代)。

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