宮城谷作品の単行本 最新刊が出ていました。
七巻からかなり経ってますが、無事出てよかったです(^^
七巻で曹操が魏王について、
八巻はいよいよいわゆる普通の三国志と言われるものにおける
第一部クライマックス、といったところです。
前に書いたかどうかわかりませんが、
この作品は他の著者における三国志とはちょっと趣が異なってそうです。
これまで氏のほぼすべての作品を読んでいますが、
これに近い作品としては、そうですね。。。。
晏子や子産が近いかもしれません。
小説、というより、三国志の時代の中でのエピソードを氏の解釈で書きおろしていく、という感じです。
いわゆる主人公、というものが存在しません。
そしてそのエピソードを描いていく中で、著者による人物の解釈や感想のようなものが添えられています。
かなり新鮮に読んでいます(^^
今まで自分が読んできた三国志作品と照らし合わせて思い返すことが多く、
「ああ、なるほど」 と思ったり
「いやあ、そこはやっぱり」 と思ったり。
その辺りもかなり楽しいです(^^
八巻で印象に残った場面をいくつか。。。。
● 曹操軍とは戦うが、曹操とは戦わない。劉備の進退にはそういう意思があるとしかおもわれない。劉備の謎のひとつである。
● いまや関羽は孤影である。
劉備が諸葛亮と水魚の交わりをはじめたころから、劉備との距離が大きくなった。
それでも苦難は劉備と関羽を隔絶させることはなく、かえって共感をよみがえらせた。が、長い苦難のときがすぎて、荊州四群を獲得するという安定のときにさしかかって、関羽は劉備から離れた。主従の関係はつづいていたが、関羽は劉備の何かに失望したかのように、すすんで劉備を佐戴するというをかたちをみせず、政庁のある公安にも姿をみせず、江水の北にとどまっていた。
--関雲長は何を考えているのか。
苦労をともにしてきた張飛にもわからなかった。
● 曹丕は諫言を容れる精神のひろやかさをもっていなかった。その狭量が王朝から豊かさとしなやかさを奪ってゆき、すくない数の臣が権力を備蓄してゆく政体をつくることになる。
● --孫権が関羽を殺したのだ
しかも孫権は呂蒙をつかって公安と江陵をだまし取った。荊州三群は劉備の支配するところと認めておきながら、関羽が魏軍と戦っているのに、それを援けもせず、密かに魏に通じて関羽不在の群を盗み取った。これほど悪辣な者が海内のどこにいようか。曹操と曹丕が帝位を簒ったというが、その悪も、孫権のそれよりもはなはだしくない、と劉備がおもったので、呉へむけて兵をすすめるのである。孫権の悪を天が宥しても、われは赦さぬ。劉備はそういう強い意いで兵を率いている。
後、孫権の狡猾さに比べると、曹丕が人が良く見えてくる、みたいなところがあったはずですが、
ちょっと見つかりませんでした(^^;;
まあ、またすぐにもう一度読み返しますので、どのあたりかを把握しておくことにします。
この作品を読むと、劉備と孫権の人となりがとても不思議な人に見えてきます。
特に劉備は途中で著者が幾度となく「わからない人」という風に書いています。
八巻で印象に残った場面でもそのわからなさを示しているような感じです。
九巻はいつになるかわかりませんが、諸葛亮と司馬懿が中心になってきそうな感じです。
楽しみに、気長に、待つことにします(^^
七巻からかなり経ってますが、無事出てよかったです(^^
七巻で曹操が魏王について、
八巻はいよいよいわゆる普通の三国志と言われるものにおける
第一部クライマックス、といったところです。
前に書いたかどうかわかりませんが、
この作品は他の著者における三国志とはちょっと趣が異なってそうです。
これまで氏のほぼすべての作品を読んでいますが、
これに近い作品としては、そうですね。。。。
晏子や子産が近いかもしれません。
小説、というより、三国志の時代の中でのエピソードを氏の解釈で書きおろしていく、という感じです。
いわゆる主人公、というものが存在しません。
そしてそのエピソードを描いていく中で、著者による人物の解釈や感想のようなものが添えられています。
かなり新鮮に読んでいます(^^
今まで自分が読んできた三国志作品と照らし合わせて思い返すことが多く、
「ああ、なるほど」 と思ったり
「いやあ、そこはやっぱり」 と思ったり。
その辺りもかなり楽しいです(^^
八巻で印象に残った場面をいくつか。。。。
● 曹操軍とは戦うが、曹操とは戦わない。劉備の進退にはそういう意思があるとしかおもわれない。劉備の謎のひとつである。
● いまや関羽は孤影である。
劉備が諸葛亮と水魚の交わりをはじめたころから、劉備との距離が大きくなった。
それでも苦難は劉備と関羽を隔絶させることはなく、かえって共感をよみがえらせた。が、長い苦難のときがすぎて、荊州四群を獲得するという安定のときにさしかかって、関羽は劉備から離れた。主従の関係はつづいていたが、関羽は劉備の何かに失望したかのように、すすんで劉備を佐戴するというをかたちをみせず、政庁のある公安にも姿をみせず、江水の北にとどまっていた。
--関雲長は何を考えているのか。
苦労をともにしてきた張飛にもわからなかった。
● 曹丕は諫言を容れる精神のひろやかさをもっていなかった。その狭量が王朝から豊かさとしなやかさを奪ってゆき、すくない数の臣が権力を備蓄してゆく政体をつくることになる。
● --孫権が関羽を殺したのだ
しかも孫権は呂蒙をつかって公安と江陵をだまし取った。荊州三群は劉備の支配するところと認めておきながら、関羽が魏軍と戦っているのに、それを援けもせず、密かに魏に通じて関羽不在の群を盗み取った。これほど悪辣な者が海内のどこにいようか。曹操と曹丕が帝位を簒ったというが、その悪も、孫権のそれよりもはなはだしくない、と劉備がおもったので、呉へむけて兵をすすめるのである。孫権の悪を天が宥しても、われは赦さぬ。劉備はそういう強い意いで兵を率いている。
後、孫権の狡猾さに比べると、曹丕が人が良く見えてくる、みたいなところがあったはずですが、
ちょっと見つかりませんでした(^^;;
まあ、またすぐにもう一度読み返しますので、どのあたりかを把握しておくことにします。
この作品を読むと、劉備と孫権の人となりがとても不思議な人に見えてきます。
特に劉備は途中で著者が幾度となく「わからない人」という風に書いています。
八巻で印象に残った場面でもそのわからなさを示しているような感じです。
九巻はいつになるかわかりませんが、諸葛亮と司馬懿が中心になってきそうな感じです。
楽しみに、気長に、待つことにします(^^