大阪教育条例NO!

2012年、大阪で成立した教育関連条例の具体化と、「君が代」不起立処分に反対する運動の交流ブログ

入学式における「日の丸・君が代」不当処分に抗議する声明

2013-04-29 09:28:15 | 2013年卒入学式の状況
入学式における「日の丸・君が代」不当処分に抗議する声明

4月25日、東京都教育委員会(都教委)は定例会を開催し、入学式での「君が代」
斉唱時の不起立を理由に都立学校の3名の教職員の懲戒処分を決定し、4月26日、
該当者に対する処分発令を強行した(高校2名・戒告、特別支援学校1名・減給10
分の1・1月)。これは3月卒業式での教職員6名の処分に続くもので、これにより
卒業式、入学式などで「日の丸・君が代」を強制する10・23通達(2003年)
に基づく懲戒処分の数は延べ450名となった。私たちは、不当な処分発令に満身の
怒りを込めて抗議し、その撤回を求めるものである。

加えて、都教委は、東京都の「裁量権の逸脱・濫用」であるとして減給処分を取り消
した2012年1月16日の最高裁判決に反して、卒業式に続き特別支援学校教員
(不起立処分5回目)に対して減給1月の処分発令を強行した。これは最高裁判決の
趣旨を無視する暴挙であり、断じて許すことはできない。

また、都教委は、被処分者を対象に5月8日に「服務事故再発防止研修」を実施する
ことを決め、受講命令を発令した。この「研修」は、センター研修2回(各200
分)と長期にわたる所属校研修を被処分者(受講者)に課し、精神的・物理的圧迫に
より、執拗に追い詰め「思想改造」を迫るものであり、「繰り返し同一内容の研修を
受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込
み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令
は合理的に許容される範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性がある
といわなければならない」とした東京地裁民事19部決定(2004年7月23日)に反す
るものである。

私たちは、都教委に対する「都教育庁関係部署(人事部職員課、教職員研修センター
研修部教育経営課など)の責任ある職員と該当者及び被処分者の会・同弁護団との話
し合いの場を研修実施予定日の前に設定すること」との申し入れ(4月18日)を無
視して強行発令された憲法違反の再発防止研修の即時中止を要求するものである。

上記最高裁判決は、起立斉唱・ピアノ伴奏を命ずる職務命令が「思想及び良心の自
由」の「間接的制約」であることを認め、減給以上の処分については、「戒告を超え
てより重い減給以上の処分を選択することについては,本件事案の性質等を踏まえた
慎重な考慮が必要」「処分が重きに失し、社会観念上著しく妥当を欠き、懲戒権者の
裁量権の範囲を超え、違法」として減給1ヶ月の懲戒処分を取り消した。最高裁が、
都教委による従来の累積加重処分に歯止めをかけたのである。その後の東京高裁、東
京地裁の同種事件の判決でも、減給・停職処分取消の判決が相次いでいる。
戒告処分についても、私たちの主張を全面的に認めた宮川光治裁判官の反対意見の
他、多数意見も「裁量権の範囲内における当不当の問題として論ずる余地がある」と
述べており、無条件で戒告処分を認めたものではない。
同最高裁判決及び予防訴訟最高裁判決(2012年2月9日)で桜井龍子裁判官や横田尤孝
裁判官は、硬直化した処分行政による教育環境の悪化を危惧して、「適切妥当な解決
のための具体的な方策を見いだすよう最大限の努力」を求めるなどの補足意見を述べ
ている。

にもかかわらず、都教委は、最高裁判決、地裁・高裁判決を無視して、原告団・弁護
団との「話し合い」をも拒否して問題解決のための努力を放棄する一方、今年の卒業
式・入学式でも減給を含む教職員の処分及び再発防止研修を強行しているのである。

今、憲法96条の改憲手続きの改悪を突破口に、憲法に「国防軍」や国旗・国歌の尊
重義務規定などを明記して、この国を「戦争ができる国」にしようとする憲法改悪の
動きが加速している。学校での「日の丸・君が代」強制はこの先取りに他ならない。
私たちは、都教委の「暴走」をやめさせ、自由で民主的な教育を甦らせ、生徒が主人
公の学校を取り戻すため、「日の丸・君が代」強制に反対し、全国の仲間と連帯して
不当処分撤回まで闘い抜く決意である。「教え子を再び戦場に送らない」ために!

2013年4月26日
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団
 共同代表  岩木 俊一  星野 直之
  連絡先:事務局長 近藤 徹

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