大阪教育条例NO!

2012年、大阪で成立した教育関連条例の具体化と、「君が代」不起立処分に反対する運動の交流ブログ

安倍「教育破壊」を先取りする橋下市長主導の大阪市の教育の現状(1)

2014-01-04 15:52:34 | 大阪市の橋下教育の現状
第1回 年末から加速する安倍「教育再生」

 安倍政権は、次期通常国会を「教育再生国会」(下村文科相)と位置づけ、昨年秋から「教育再生」=教育破壊を全面化させ始めています。その方向は第一に、2006年教育基本法を教育内容に具体化していくことです。近隣諸国条項を事実上撤廃し、政府見解を強制する教科書検定基準の改悪と道徳の教科化を柱に置いています。12月20日、下村文科相の意を受けた教科用図書検定審議会は諮問後わずか1カ月、たった2回のスピード審議で教科書検定基準の「改定案」を決めました。1月14日までパブリックコメントを実施し、同月中に新基準を告示、4月から始まる中学校教科書検定に適用する方針です。道徳の教科化の具体化についても、2016年度には道徳教科書の検定、2017年度採択、2018年度からの学校での実施を計画しています。それと平行して2014年4月からは、「心のノート」を全面改定した「わたしたちの道徳」を全学校に強制しようとしています。
 さらには、下村文科相は、2020年度の東京オリンピックに向けて学習指導要領の前倒しの改定を行うことを表明しました(2016年度には学習指導要領改定、2018年度からの先行実施)。「外国語活動」=英語の小学校3年からの実施と5・6年での教科化、高校版道徳「公共」の検討、愛国心を強調する日本史の必修化など、安倍「教育再生」の集大成をめざしたものとなっています。これからの数年が安倍「教育」を許すのかどうか、大きな正念場を迎えることになります。今年がその最初の攻防となることは間違いまりません。

 第二に、教育の独立性を奪う教育委員会制度の抜本的改悪です。首長に教育行政の権限を与え、教育を政治支配のもとに置こうとしています。2014年通常国会には、教育委員会制度の改悪が狙われています。全国学テの学校別正答率の公表、教科書採択、「日の丸・君が代」強制、教員評価制度と給与への連動等々、各地の首長に主導させ、新自由主義的教育と国家主義的教育で競わせようとしています。教育委員会制度の「改悪」は、戦争の反省から生まれた戦後教育原理を真っ向から否定するものです。
 現在の教育委員会制度は、戦前の国家統制下にあった反省から、国家権力の政治介入の排除、一般行政からの教育行政の独立性、教育の地方分権と住民統制を原則として発足しました。戦後直後、教育委員会制度は教育基本法の具現化として重視されていたが、自民党政権は1956年に教育委員会法を廃止し、「地方教育行政法」を成立させ、教委育委員会制度を形骸化させていったのです。現在の教育委員会制度の問題点は、発足当時の原則から逸脱させてきた戦後の自民党文部行政にこそ責任があります。 
 独立した教育委員会制度の「改悪」は、個々の政策にとどまらず、教育全体の在り方に計り知れない影響を与え、現在の教育を根本的に変えるものです。

 これらに加えて第三に、「戦争挑発する国家」を進める安倍政権の軍事政策に教育が完全に従属させられようとしていることです。平和教育を国防教育=「積極的平和主義」教育、領土教育に変質させようとしているのです。12月17日、安倍内閣は、閣議で、「国家安全保障戦略」と、新「防衛計画の大綱(防衛大綱)」・新「中期防衛力整備計画(中期防)」を決定しました。「国家安全保障戦略」には、「我が国と郷土を愛する心を養う」と明記され、「日の丸・君が代」と「愛国心」、国防教育を子どもたちに強制使用としています。安倍政権が通常国会に提出を目論む国家安全保障基本法案 (概要)の「国や地方自治体の責務」(第3条)には、「教育、科学技術、建設、運輸、通信その他内政の各分野において、安全保障上必要な配慮を払わなければならない」とあり、教育を「国家安全保障」に従属させようようとしていることは明らかです。

 これらの安倍「教育再生」は、一つ一つが戦後教育を根本的に覆す極めて重大なものですが、それだけでなくそれら全てが連動し、相乗効果をもたらしながら教育全体を破壊していこうとするものです。
 当ブログではシリーズで、安倍「教育再生」に反対するために、すでにその内容を先導して実施している大阪市の教育の現状と矛盾を明らかにしたいと思います。安倍政権が進めているのが、大阪市での橋下教育の全国化だからです。大阪市の教育の現状を見れば、安倍「教育再生」の問題点が明らかになると思います。

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