UENOUTAのお絵描きとかブログ

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転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路へご招待 21

2024-07-10 23:59:49 | 日記
 この船の人たちは絶望の中、きっと見え行く自分たちの行く末……それこそ運命といえるそれを呪った。
 
「こんなはずじゃなかった」
 
 きっと誰もがそう思った筈だろう。なにせこの船は希望を乗せてた筈だ。さっき読み上げた日記だけじゃなく、この船の記録にはこの船が造られた世界の歴史もつづられてたあった。
 
 それによるとかなりの高度な文明が栄えてたみたいだ。でも……ある日それは起こった。世界の資源の枯渇である。文明が発展して、世界が栄えて、そして生命体が増える。世界に命が溢れて、いっぱいいっぱいになって、その世界ではもう、限界が近づいてた。
 
 だからこそ、新たな世界に人々は夢を見た。もう資源も枯渇して、科学で作り出した美味しいとは言えない物ばかりを食べるよりも、新たな世界に夢を見たんだ。
 この船を作った人々はどうやら世界の外に目を向けたらしい。そしてその観測の方法もつかんでた。世界は神が管理してる。そして大抵神は一つだけの世界を管理してる……なんて事はない。
 
 それはG-01にもあった。神という偉大な存在……それが万能には見えないのは、それだけ沢山の世界に力を割いてるから……だとその世界の人々は考えたのだ。
 だからこそ、自分たちの神の他の世界を探して移ろうとそう思ったんだ。そしてそれはある意味で一番正しい選択だ。G-01の情報を知ってる私的には「凄いなー」って普通に感心する。
 きっと世界の根幹の力……それについてはきっと気づいてないだろうが、神が違えばその根幹の部分も違う訳で……下手に別の神の管轄の世界にいくよりは今いる世界の神の別の世界というのはとても理に適ってると言える。
 だって下手したら根幹の力が違うと、普通にその地に降り立つこと……も難しい可能性はある。私たちはそこまで意識しなくていいが……いやミレナパウスさんはちゃんと意識したほうがいいけど……G-01や勇者たちがそれを意識しないでいいのは、それだけの高性能ボディーだからである。
 普通の人間……一つの世界に馴れた生命体というべき存在が全く根幹の違う世界へと行くと……その世界そのものが合わないってのは考えられる事だ。
 合わないとはどういうことか? それはつまりはそこでは生きていけない……ってことだ。その可能性がある。高い。だからこそそんなことを知らずに自分たちの神の世界だけを観測するような装置を作ってそれを指針に航行しだした彼らはある意味で賢くて、そして愚かで何も間違ってなんてなかった。
 なのに……結局彼らはその運命を呪って死んでいったんだ。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路へご招待 20

2024-07-10 07:26:17 | 日記
『お飾りじゃないです~。ちゃんと活用してます~』
 
 私はアイだけに聞こえるように専用通信に切り替えてそんな風にいってやる。だって一応ね。一応、まだミレナパウスさんへは威厳って奴を持っててほしいじゃん。それに勇者にもね。まあ勇者にはもうG-01である私がそこまで堅苦しい存在じゃないってわかってるけど、ちゃんと敬意を払ってくれてるからね。
 そういうの。そういうのを私はアイにも求めてるんだけど。
 
「それでもはその無駄に拡張した頭を使えばこの価値がわかるはずですけどね」
 
 この通りである。アイはいつまでも私を子供だと思ってる。確かに精神的に成長できた? と言われたらそんなことはまあないけど、それでも色々と成長してる所はある。ちゃんと私は知識を蓄えてるからね。確かに送られてきたデータを一瞬で理解なんてできないが……大丈夫。ちゃんと見ればそこそこわかる。
 てか私が知識を蓄える必要なんてのはない。大切なのは理解できる頭であることだ。なにせ知識はG-01に一生分……いや一生分以上の知識は既にある。だからそれらを理解できるようにするために私は何度も何度も脳を拡張してるわけだ。
 だからちょっと待って、すぐに理解してやろうじゃん!!
 
「G-01!」
 
 結局? とか思ってはいけない。だってそういう役割だから!! 私が必要とされてるのは機械では判断やら読み取れない部分なんだよ。もしもただ効率よくG-01を運用するだけなら私なんて必要なんてなかった。それこそG-01を動かすのなんてAIであるアイがいればよかったんだ。
 でもそうではなくて、私がG-01には必要なんだ。そこには私の判断が必要だからだ。という訳で私は一瞬で分析してくれるG-01の解析結果を受け取る。
 
(これは……)
 
 今までなら、あまりにも早いその情報の本流に私の脳が耐えられなくて頭痛がしてきたはずだ。けど何度も拡張した私の脳はG-01の処理能力にも耐えられるほどになってた。
 なので次々に届けられるその情報を受け取ることができてる。そしてなぜにアイが興味を持ったのか……実際G-01にはかなりの情報があって、私がまだまだ知りえない機能とかなんやらがある。
 ある意味で私はG-01を作った人達は世界で一番進んでた人達なんじゃないか? っておもってる訳だ。となるとだよ? そんなに有益な技術なんてのはそうそう見つかる物じゃないんじゃないかってことだ。
 だってG-01の性能を考えれば、その可能性は十分にある気がする。けどアイはG-01の情報もある程度持ってるわけで、それでも有意義だと思ったほどの物……それが……これか。
 G-01からの解析を受け入れた頭にはいくつかのワードがある。なかなかに難しい言葉が並んでる。きっとこの船に乗ってた人たちが死に物狂いで最後まで研究してた物。
 これが完成すれば……と思ってたのかもしれない。
 
「運命軌道の変更と確定航路の干渉方法について」
 
 それはなんかわかりにくい言葉で書かれてるが、つまりは自分たちの運命を変更する為の方法……だった。