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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四話part1

2024-07-23 23:49:41 | 日記
「本当にあの時、強制的にでも配信を止めておけばよかったよ。そんなのあの状況なら不自然なくできた」
『そうですね』
 
 あの時の事を野々野足軽とアースは思い出してる。悪魔が取り憑いてた女性から分離してダメージ蓄積したから、奴は闇を展開した。それは人の心を沈ませるという効果がついたものだった。触れてもダメージを負うわけじゃないが、その人の心にある闇、痛み……そして哀しみ……そんなのが増長させるような、そんな悪魔らしい事をやってきた。
 実際、その効果に野々野足軽が気づいたのも自身がその闇に捕らわれたからだ。まさかかなり強いと自負してる野々野足軽でも、その心までは守ってなかったのだ。それをわからされた事件だったといえる。そしてその時、野々野足軽の力は暴走しかけた。
 心が乱れたことで、野々野足軽の内にある力の制御のたがが外れた。今まではダムのように自身の意図する力を放流することが出来てたが、弁が壊れたかのように、溢れ出る力が止まらなくなったんだ。あのまま力が漏れ出てたら、どうなってかわからない。
 
 流石に今の野々野足軽でも地球を吹き飛ばす……まではならなかっただろうが、日本……いや関東くらいならなくなってたかもしれない。それだけの力だった。けど日本はまだ元気に存在してる。それはなんとかギリギリでアースが野々野足軽を助けてくれたからだ。
 あれがなかったら、本当に関東が消失してたかもしれない。けどその代償はあった。それが今の状況だ。
 
「でもまさかこんなことになるなんて……」
『流石に予想できませんでしたね。悪魔の最後の抵抗だったのかしれません。あの時、あなたの力に悪魔の力も混ざりましたからね』
「そうだったとしたら、俺は今、あいつに負けた気分だよ」
 
 あの時、野々野足軽は放出された力を再び取り込むことが出来なかった。それは悪魔の力と混ざり合ってしまってたからだ。でもなにも起こらないようにと、野々野足軽は可能な限り薄くするために拡散させた。その何も……は大体は力の高まりで力が爆発反応を起こすとか……そんなのだった。
 そういう事を防ぐためにもあの場にあった力を拡散させた。でもどうやらそれがいけなかったらしい。あの時の野々野足軽と悪魔の混合した力は薄ーくなりはしたが、決して消えたわけじゃなかった。
 
 実際、あの時映像には蛍ような光が映ってた。アーカイブにはその光は映ってないが、生放送を見てた人たちは口をそろえてそれを見た――といってる。
 そしてそれだけじゃなく、映像越しじゃなく、その光が降ってきた……という話はその後一日くらいは続いた。でもそれだけだった。……いやそう野々野足軽は思ってた。
 でもどうやらあの時の光は人類に影響を与えてたみたいだ。ゆっくりと……けど数か月を経てなじんだ光は人類に新たな力を授けてしまった。それが今のこの状況……という事だった。