UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力に目覚めた件 485P

2024-07-06 19:15:37 | 日記
『わわ! これは危ないですー!』
『これは大変だぞマスター!!』
 
 そんな風に現場に派遣してた天使っ子と悪魔っ子が頭にいってくる。野々野足軽はまだ部屋にいたから、その言葉を暢気に受け取る。
 
「一体どういうことだ?」
 
 そんな風に思考を送った。野々野足軽は部屋にいるけど、そこからでも全てを把握できるわけで、そして力の応用性も強さも高まってる野々野足軽は焦りはない。
 でも天使っ子と悪魔っ子が二人そろって慌ててるから、ちょっと不安がよぎる。スマホに目を向けるとまだ靄しかカメラは映してない。そして力で見てる野々野足軽の片方の視界でもそうだ。でも見るといっても、色々な見方を出来る野々野足軽は皆が無事なのは確認してた。
 だから、あとはこの靄の中悪魔事態をどうにか……と思ってたわけだ。
 
『多分こっちに来ないとわかりません! 簡単に言うなら、ここは絶望なんです~!!』
『そう! このままじゃ、この中の奴ら全員廃人になるぞ!!』
「なっ!?」
 
 そんな報告に思わず変な声がでる。すると階下からこんな声がしてきた。
 
「小頭ちゃん、足軽。もうすぐそろそろ降りてきなさーい!」
 
 そんな母親の暢気な声。夕飯の完成も近いんだろう。けど今は大変な事態になってる。都内の方の会社へと勤めてる父はきっとご飯時までに戻れないだろう。流石にこっち方面の電車は止まってるか、遅延してる。
 なんでもない日常……いつもの何気ない光景を野々野足軽は思い浮かべる。もしもここで妹である野々野小頭が廃人にでもなったら……きっとこのあたたかな家庭は曇ってしまうだろう。
 そんなのは勿論野々野足軽は望んでなんてない。すぐさまベッドから飛び起きた。
 
「すぐに行くよ!」
 
 そんな風に声を出す。すると母親は「小頭ちゃーん」と野々野小頭の反応も待ってる。なので力を使って、小頭の返答も偽装しておいた。
 大丈夫、あの母親ならすぐに行く……といってから20分くらいの余裕はある。その間にすべてを終わらせる――そのつもりで野々野足軽は窓から外にでた。そして誰にも見られないように高度を上げて駅へと向かったんだ。
 
 駅へは物の数分でついた。これだけの騒ぎだがやじ馬なんてのはいない。まあこれまでの事態をわかってるのに無暗に外にでる奴なんていたらバカだろう。集まってた警察車両の赤いランプが大量にあるが、既にまともな人はもういないみたいだ。
 
 ただ、そういうおかしな人たちを覗けば、別段代り映えしないような光景に思える。ただ一点、駅が黒い靄に包まれてるのを除けば。
 
「近くで見ると禍々しいな」
 
 そんな感想が口をついた野々野足軽。いったいどういう事なのかわかんないが、野々野足軽は力でその体を包み込んで突撃した。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路へご招待 17

2024-07-06 19:11:39 | 日記
 
『こんな日が来ようとは。まさか自分達家族がこの船への最初の先発メンバーになれるだなんて……これで希望が持てる。一体どれだけをこの船で過ごさなくはいけないのかはわからないが、この船にはなんでもある。きっと不自由なんてのはないだろう』
 
生活
 
『あれから数週間。船は順調に航路を進んでする。窓の外を見ると、ずっと虹色の空間が続いていて、そこを見るのは既に飽きてしまった。厳重な持ち物検査をされて乗り込んで私たちに与えられた家は、以前の物とも見劣りしない立派なものだった。
 最初の三日は本当にただの船の客室の様な所にいたが、住民登録が終わると移住スペースへと案内された。そこでもらった新たな家、そして元居た世界の様な土地と空が再現された場所に感動したものだ。
 今ではここが船の中だという事を忘れてしまいそうになる。航路予定2361日 そこに新たな世界が私たちを待ってるはずだ。いや、なんならこのままこの船での暮らしだって何も問題なんてない』
 
軋み
 
『あれから何年たっただろうか? 既に到着予定だった2361日は当に過ぎてしまった。仕事で居住スペース外に出る私は虹色の航路を見る。最初の時と変わらないその光景。けど何年も何年もこうやってわたってる船にはガタが出始めている。
 だからこそ、整備は大切だ。なにせまだ新たな世界へはたどり着けてない。以前はこのままこの船の中で一生を終えてもいいと思ってたが、その考えはもうない。
 なにせ水も食料も、以前ほど豊富ではないからだ。毎日水も食料も配給でしかもらえなくなってた。昔は農業だってこの船の中で出来てて天候操作で雨を降らせたりもしてた。でも今やこの船の中の空はいつも曇ってる。土は栄養を失って何も育たなくなった。
 僅かにとれる食料を中央の偉い人達が一回かき集めてそして配る……そんな風になってる。でも新たな……新たな世界にさえたどり着けば……こんな行き詰まりの生活とはおさらばできるんだ』
 
出会い
 
『船の中が久々ににぎわってる。それは一時的にだが、沢山の水や食料が手に入ったからだ。それに対して、何も知らない人たちは浮かれてる。けどこの水と食料がどこから来たのか知ってる者は素直に喜べない。
 土も入れ替えることができて、これから何年かは安定した食料を育てることができるだろう。
 
 結論からいおう、この増えた物資……それは同型艦から調達したものだ。航路上にそれはあった。ボロボロになって、漂流してた。コンタクトを取ったが応答はない。中は酷いものだったときく。
 現状をわかってる上の連中は戦々恐々としてるだろう。これは未来の我々の姿だと』