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UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力に目覚めた件 297P

2023-10-16 21:01:32 | 日記

「えっと……草案が助けてくれたんだよね? ありがとう」

「そんなの当然だし! それに……私もごめん。私が嫌な事言ったからこうなったわけだし……ごめんね小頭ちゃん! 私、親友だって思ってるし、本当に本当に感謝してるんだよ! 小頭ちゃんしか私の話聞いてくれなかったし!!」

 そんな風に言って草陰草案は野々野小頭に謝ってる。それに対して野々野小頭は「本当にね。感謝しなさい」とか言って冗談めかして返してあげてた。

「うん、感謝する」

「それにしても病院って……どうやって? 刺されたのに、私傷とかないのに……ここって個室ですよね? 入院だってどうしたんです? そもそも家族とかには?」

 いろいろと落ち着いてきたら疑問がわいてくる野々野小頭である。それはそうだろう。ここはそこそこ……というか結構広い病院の個室だ。それこそここは野々野小頭の自身の部屋よりも全然広い部屋だ。ちょっとしたホテルスイートルームのようにも見えてしまう。

 隣にある機器とか病院的な感じをわからせてくるが、ちょっと目を向けると、座り心地よさそうなソファーにおしゃれなテーブル。さらにはラグとかしかれてるし、大きなテレビが壁に埋まってる。さらには間接照明とか観葉植物とかも見える。

 かなり特別な場所……というのが周囲を見回したときの野々野小頭の印象だった。

「ああ、いろいろと混乱してるだろうからちゃんと説明するよ」

 そういったのはアンゴラ氏だ。一番彼が年上だろうからだろう。ここまでの過程を説明してくれる。

 まずはどうやら刺されてから、あの女は更に野々野小頭を刺し続けてたらしい。しかも変な奇声をはっしてだ。

 でもだからこそ、家の中にいた皆は気づいた。まあそもそもが言い争ってたのを心配してくれたアンゴラ氏が玄関の方に足を向けたことで、異変に気付いたみたいだ。

 扉をあけると、狂気を孕んだ女と血まみれの野々野小頭の姿。思わずそこでアンゴラ氏は力を使ったらしい。なにせ相手はナイフを持ってる。近寄るのは危険だ。もちろんその時のアンゴラ氏はそんな考えに至ったわけじゃない。冷静ではなかった。なにせ、かなりの量の出血が野々野小頭にはあった。

 だから一気に頭が真っ白になって「うあああああああああああああああああ!!」と叫んで持ってた呪印入りの石を投げて手をかざしてた。すると一気にその女は弾き飛ばされたらしい。そしてこの家の門へとぶつかった。そこで女は気絶した。

 そのあとはアンゴラ氏の叫びを聞いて中から草陰草案たち全員がやってきて、この惨状を目の当たりにした。すぐに警察と救急車に連絡を――と当然のごとくなる。けどそこで草陰草案の力をもってして直しだしたらしい。血がたまってる野々野小頭の傍に膝をついて、黄色い石を両手で包んで祈りだす。

 するとまるで血が逆再生していくかの様に体内に戻っていって傷口を直したらしい。それはいい。それで野々野小頭の一命は救われた。けど問題はそれからだった。流石に傷口はきれいさっぱりになくなったといっても実際大丈夫なのかは素人の彼らには判断できない。それに人を刺した奴を放っておくなんてできない。

 でも、傷は既になくなって、被害者が消えた状態。今から訴えても……いや一応あの家には防犯カメラがあった。映像は残ってる。でも今度はその被害者である野々野小頭の傷の事をどうするか? ってことになる。

 これは公表したら大事件だ。いきなり見知らぬ女に女子中学生がめった刺しにされる……それはちょっとしたニュースになるくらいはするだろう。

 さらにその女子中学生が変な力で完全回復してます? 映像もあるし、なんならそれをやった本人だっています――もう世間がフィーバーしそうな情報過多。

 どうしたものかということだったが、とりあえずみんなは野々野小頭の事を心配して色々なつてを頼ってなるべく事情を説明せずに伝手を頼ってこの病室に転がり込んでるらしかった。


転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 934

2023-10-16 20:55:06 | 日記

逃げ惑う人々、それに向かって変な雄たけびを上げて変化した化け物が襲い掛かろうとしてる。でもそこで声が響く。

「抜刀!」「自身の力を脚に集めろ!! 動け!!」

 するといくつもの同じ鎧に身を包んだ人たちがその鎧の重さなんてないかのように、人のいる間を縫うように進んでいく。一斉にあの化け物から逃げるように皆が進んでるから、実際かなり動きづらいはず。でもそんなの関係ないかのように……まるで人の動きを一つ一つ予測してその動きが分かってるかのように、彼らは動いてる。

 そして真っ先に化け物の傍に到達した奴が背中の剣をぬいた。自身の身長よりも長い剣は、その鎧に直についてて、抜き身である。斜めについてるその柄を握りこむと、鎧のロックが外れて剣を抜けるようになってた。

 そしてそれを抜いて一気に近づく。獲物がやってきたと言わんばかりに化け物は攻撃を仕掛けてくる。気持ち悪い手が迫り、そのいくつもある眼球がギョロギョロと鎧を着た人達を追いかけてる。さらにはそのつぼみの様な頭が膨らんで、地面に紫色の煙を吐き出した。

『麻痺毒か……』

 厄介なものを。私はドローンで瞬時にその成分を分析したよ。まあ即死の毒じゃないのは助かった。逃げてる人々もちょっと吸い込んだ程度で死ぬようなものじゃない。

 実際何人か倒れてるが……まあ大丈夫。それよりも鎧を着てる人たちの動きに変化はない。なにせ鎧にはそういう毒耐性がある。だから何ら問題にはならなかった。

 それに視界も悪くなったはずだが、ただ視界が悪くなるだけのヘルメットを彼らはしてるわけじゃない。確かにあの鎧……最初はそれこそ原始的な鉄の鎧だった。こんなクソ暑い砂漠の世界であんなのは自身を蒸し焼きにしてるのと同じである。

 でも今や違う。私たちの技術を少し与えてもっと軽量に、そして快適で、さらにはいろいろな機能がついてる。まああれだけの動きができるのは、血浄というものよりもより安全で効率がいい方法を勇者が教えたからだけどね。

 それらのパワーアップ要素が集約されたあの鎧。自身と鎧の力を相互に120%引き出した状態だ。だからだろう。

 スパっと切って、スパッと切って、スパッと切った。それによって、あれだけ脅威に見えた化け物がものの数秒で討伐される。その光景にアズバインバカラの住民は勿論だけど、外からきてた人達だってポカーンだ。

 でも少し間をおいて剣を掲げた人が叫ぶ。

「安心してください! 我らは教会を打倒し、世界を開放して見せます!!」

 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!! という揺れが町全体に響いたのは言うまでもない。