UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 292P

2023-10-09 20:41:31 | 日記

「えっとやっぱり信じては……」

 いきなりの大川左之助の発言にショックを受けたような感じにシュンとする草陰草案。それに対して、大川左之助は慌ててフォローを入れる。

「違う違う。さっきも言ったけど、その力は間違いない。信じてるよ。でも……」

「でも?」

「でも……なんだ? 彼女は本物だ。それを世界に向けて晒せば、この世界の常識がひっくり返る。それはある意味で……僕たちが世界の変革に手をかけるって事だ。そんなの興奮しか無い」

 テンションが高いのか低いのか分かりづらい朝日蔵三はハッキリとそういった。多分彼的にはとてもテンションが高い状態なのだろう。けど、その言葉にはあんまり抑揚もないし、何よりも動きが彼は静かだった。普通はそれこそめっちゃテンションが上がったらそれが行動にでるものではないだろうか? 飛び跳ねたり、手を振り上げたり。それこそ声が大きくなったり……だ。

 でも彼はさっきまでと何も変わらないような感じなんだ。ただ静かに、そう言ってる。だから言ってることはなかなかにやばいことだが、本気なのかどうか分かりづらい。

 それに……だ。それに大川左之助が心配したのはきっと朝日蔵三がいったそのことだと思われるのに、彼自体は気づいてないみたいだ。

「それが問題だろ。もちろん簡単に信じてくれる人はいないだろうが、彼女の力は本物だ。なら何回だってできる。ライブとかでも示せるだろう。そうなると認めないといけなくなる……そうなったら……本当に俺たちは……彼女は無事でいられるか?」

「……組織……か」

「確かにそれがある……か」

 なんか友達同士でピキーンと通じ合ってる。でもそこは流石に草陰草案だって同じオカルトマニアである。彼らの話が……その断片からでもわかった。

「組織というのは……本当に? 私、狙われますか?」

「え?」

「ああ、俺たちもその存在はハッキリとはしらない。でも……」

「それは定番」

「それに組織ってやつは暗躍してるものだしな……」

「え? ちょっ……」

「それでは私はこの力は公開できないってことですか?」

「それで君は満足できる? 素直に今の世界に順応できるのか?」

「それは……」

「えっと……何の話?」

 さっきから混乱してる声を発しるのは野々野小頭である。でも彼女は草陰草案たちとは数歩後ろにいるから、彼女が四人の会話に混ざる事は出来ない。だから草陰草案と大川左之助、朝日蔵三、東海道馬脚たちはどんどん自分たちだけで成り立つ会話をしてる。つまりは彼らの中では『組織』という何かを懸念して話をしてるっことらしい。

 野々野小頭は「バカバカしい」とか思ってた。でも実際、変な撮影がなく終わってくれるのなら……とも思ってた。実際友達が全世界向けに変な映像を流すのは友達としてどうかと思ってたからだ。

「えっと、あの会話どう思います?」

 そう野々野小頭は隣のアンゴラ氏に囁く。今の言葉には「やばいですよね?」とかいうニュアンスもあった。それに彼はスーツを着こなす社会人でもある。こんなユウチューバーみたいなのよりもよっぽど社会に適応してそうだとスーツ姿だけで野々野小頭は思ってた。

 だからアンゴラ氏は同調してくれる……と。でもそれは間違いだった。だって彼も草陰草案や大川左之助たちと同じ側の人間だからである。

「君たちの言いたいことはわかる。不安になる気持ちも……そして組織なる世界の裏側に蠢く奴らの存在は決して軽視していいものじゃないだろう。だが安心してくれ」

 そう言って彼、アンゴラ氏は胸ポケットから小さな石をとりだした。そしてそれを……なんと浮かせてみせたのだ。

 それを見て三人は驚き、一斉に声を上げた。

「まさか……」

「まさか貴方も!」

「ここに二人も能力者が……すげえ……」

 これを見て野々野小頭は思った。

(頭痛い)

 ――ってね。


転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 929

2023-10-09 20:35:51 | 日記

「あれは……やっぱり無理矢理にでもやろうとするよね」

 一人の一般市民からエネルギーの高まりを感じる。そしてそれはこの世界の一部の人達が魔力と呼ぶ力。実際魔力とか言ってるが、それは人が当然に持つエネルギーをどう使うかってことで……それを肉体内で使えば大体肉体強化になって、発露する力を魔力と呼んでる感じだ。

 大体普通の人達は魔法なんて使えないから、なんとか肉体に影響を及ぼせる肉体強化だけにとどまってる感じ。でも……今外から来た人達の中にいる人達の中でその力を高めてる奴は明らかにそのエネルギーを発露してる。

 その回路が私には見える。術式とか魔力回路とか言ってもいいそれは、知識無くては出来ないことだ。そしてそれを持ってるのは……どうあってもただの一般人……なんて事はありえない。

 つまりアレは……

「尻尾を見せたね教会のネズミさん」

 まあだからって私はその発動を止めはしない。だってここで止めたら証拠が撮れないからね。私はきちんとドローンでその様子を抑えてるのだ。言い逃れできないようね。

 実際今、勇者から逃げてる奴も時間の問題だってのはわかってるだろう。なにせアズバインバカラにはたくさんのドローンが展開してる。どこへ逃げたって逃げ場なんてない。それこそ空間転移? くらいしないとね。でもそんなのはこの世界では無理だろう。だから足しか無いわけだが、そもそものスペックが人と勇者では違いすぎる。逃げるなんて不可能だ。

 だからどうにか通信でもして、自体の混迷を深めようとしてるんだと思う。アズバインバカラの方も、そして外から来たほうもどっちもその興奮は高まってる。だから一人がちょっと変な動きをしたって、そこに違和感を覚えるような奴はいない。

 魔力を練ってる奴はその手に力を集めてる。そして拳を突き上げてる周囲に合わせて彼だけは前に拳を突き出して何かを押し出した。それは拳に隠してた尖った石? みたいなものだ。けど魔力で強化されて、更に勢いまでつけて放たれたそれは人の波をすり抜けて見えない速度でアズバインバカラの人の方へと向かう。

 きっとアレが当たったら、頭とか爆散するんじゃないだろうか? そして脳髄と血が周囲に飛び散って……数瞬の沈黙の後、混乱がきっと広がる。眼の前で同じ街の住民が殺されたとあったら、もう止まるなんて出来ないだろう。私を挟んでたとしても、行動に移る可能性はある。

 そうなるともう彼らがわかり合うとこはできなくなる。なので……

「させないよ」

 私はドローンを差し込んで一機のドローンを犠牲にその凶刃を防ぐ。それでボフンと煙とともに地面に倒れるドローンに前にいる人達は「何が起こったんだ?」と困惑する。

「ちっ」

 そんな風に舌打ちした奴は混乱の最中、移動しようとしてる。もう一発……とならないのは優秀だけど、もう遅い。私はドローンでそいつの頭をつかんで持ち上げた。

「なっ!? やめ! やめろおおおおお!!」

 ジタバタと暴れてるが、そう言われて離すわけ無い。頭をつかんでそのまま2メートルくらいは持ち上げた。よく見えるようにね。そんなコトをすれば「なんだなんだ?」注目されるのは当然。そこでタイミングよく、ドローン達が映像を届けてくれる。

 勇者からのライブ映像だ。さてさて、種明かしをしようじゃないか。