UENOUTAのお絵描きとかブログ

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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 931

2023-10-11 23:57:47 | 日記

『こんなのは横暴だ!! 俺が一体何をやったっていうんだ!!』

 そんな風に叫んでる縄に縛られた人。必死に暴れる姿を見せつつ、地面に横たえられてる彼……いやそいつは地面をゴロゴロしてるせいか、砂が身体について汚くなってる。でもどうやらそれもソイツの作戦みたいだ。

 だってあいつ……私は簡単に対象の心拍とか脈拍とか血中酸素濃度とか……まあ言うなればバイタルがわかる。普通は興奮したら血圧は上がるし、心拍だって早くなるものだろう。

 でもあいつは変わってない。無駄にジタバタしてるが、興奮してるように見えて、あれは至って冷静にそれをやってるということだ。つまりは向こうにも焦りとかはない。実際アレで逃げられる……なんて本気で思ってるとも思えないんだが、それだけの余裕があるのは謎である。

(私達の事を舐めてる?)

 いやそんなことはないだろう。寧ろ今ここまで来ても、まだ教会が私達の事を舐めてるとしたら……それはそれで寧ろありがたいことである。だって警戒されるよりも侮られてたほうが油断を誘いやすい。油断から足元を掬われる……なんてことはよくあることだろう。

(でも流石に……ね)

 ――と思う。

『これは陰謀だ!! この街の偉い奴らが俺に罪を着せようとありもしないこと叫んでるんだ!! 皆騙されるな!! 俺は神に誓って何もやってない!!』

 むはー、である。良くもまあそこまでハッキリと神の名を借りてまで嘘を言えるものだ。一応この世界にはちゃんとした神がいるんだが? そいつの一神教でもある。普通は一神教とかなら神の名はそれなりに……というかかなりの重みを増すはずだが? まあこれが一般人なら簡単に使うのもわかる。

 辛い世界でなら宗教はかなり大きな部分を占めてしまうから宗教というのがかなり強くなる。実際この世界はそうなってるしね。でも実際、そこまで信心深い人達がいるかっていうと……実際市中にはそんな印象はない。一応ちゃんと祈ったりしてるが、ある意味で自分の力でなんとかしないと行けないってこともわかってる。神に救いを求めているが、その手が降りてこないこともわかってる……みたいな? 市中の人達はそんな感じである。

 でも……だ。でも……

「あれって教会のやつなんだよね」

 流石に教会の関係者は市中の人達よりももっともっとちゃんと信仰してるはずである。なのにあんな事を言うなんて……それだけ演技派なのかな?

『神に誓って……ですか。その言葉に偽りはないと?』

『……ごく……ああ! そうだ!! 俺はやってない!!』

 勇者の冷静な口調になにか感じたらしいが、でもそれでもここでやめるわけには行かなかったんだろう。だからソイツは演技を続ける。すると次の瞬間、他のドローン達が別の映像を映し出す。


ある日、超能力が目覚めた件 294P

2023-10-11 23:53:00 | 日記

「それにしても、貴方もその……力を?」

「何ができるんですか?」

「あはは、私は彼女のようにすごいことは出来ないよ。それこそ傷を治せるなんてそんな奇跡のような事は全くだ」

 そう言って自身の力は大したことはない……と謙遜するアンゴラ氏。でも三人に取っては、どんな力であろうと『力』があるというだけで尊敬の対象になるんだろう。三人とも成人してるだろうに、その目はとてもキラキラとした少年のそれになってた。

「草陰さんが回復的な力だったのに対して、アンゴラ氏はサイコキネシス的な、そんな力なんですか?」

「いや……それが……」

 なんだか歯切れが悪いアンゴラ氏。頭をポリポリとかいて、ちょっといいにくそうにしてる。

「俺の力はまだ、よくわかんないだ」

「よくわからない?」

「でも力なんてよくわからないものでは?」

 大川左之助と朝日蔵三がそんなコトをいう。野々野小頭はすでに彼らの会話に混ざるつもりはないのか、端っこにあった椅子に座って我関せずしてる。まあそれをやれるのも彼ら三人が無害と判断したってことだろう。

 少なくとも彼らなら草陰草案に変な事はしないだろうって思ってる。そしてそうなると野々野小頭は『力』なんかには興味ないから、スマホでお気にいりの動画でもみることにしたらい。

「確かによくわからないものだと思ってるけど、自分の力を把握したいのは当然だろう? でもどうやら、俺の力は不安定なんだ」

「「「不安定?」」」

 どういうことか、三人はわかってない。でも草陰草案がそれに加わってないのを見るにもしかしたら普段からアンゴラ氏達とラインをしてる草陰草案は知ってたのかもしれない。

「ああ、たしかに今はこうやって紋を刻んだ石を動かせてるが、出来ないときも有ってね」

「なるほど、不安定ってのはそういうことですか」

「そうなんだ。だから俺はYou Tubeに出るとかは向かない」

「まあそもそもが彼女だけの予定でしたし……実際本物が来ると自分たちも思ってなかったっていうか……」

「大体、そういう連絡をしてくる奴らってオレたちのファンで、目当ては蔵三なんだよな。送ってきた映像はだいたいフェイクだし」

「そうなのか」

「そんなの許せません! オカルトをばかにするような行為じゃん!!」

 大川左之助たちの言葉に草陰草案とアンゴラ氏はそれぞれの反応をしてる。アンゴラ氏は大人らしい反応だ。だから草陰草案も中学生らしい反応といえばそうだろう。でもそこには私情も多大に入ってると思われる。だって自分自身に『力』が芽生えたから、力を餌にイケメンに近づこうとするなんて許せないってことだろう。

 そう言った会話をしつつ、実際彼らは『どうしようか?』というのを話し合っていく。それは力を全世界に向けて流すのかどうか……でもなかなか結論は出ない。


転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 930

2023-10-11 12:14:17 | 日記

「なんだなんだ?」

 そんな声が周囲から聞こえてくる。それはアズバインバカラの人々とも、外から来た人達の間からも上がってる。まあそれはそうだろう。なにせドローンがいきなり一人の男の頭を鷲掴みにして空中に持って行ってるし、それにドローンが四機集まって映像を映し出す。

 そこには勇者の姿が映ってた。

『皆さん、落ち着いてください。といってもそれが難しいのもわかります。疑心暗鬼になってたら周囲の誰をも受け入れるなんて出来ないでしょう。でも安心してください。

 今回の事件は外からこのアズバインバカラへと来た人達のせいではありません。これは全て、教会の刺客のせいなのです』

 そんな勇者の言葉が響く。最初はどっちも空に映った映像にざわざわとしてた。まあアズバインバカラの人達はなんか黄色い声が混ざってた。なにせ勇者はなかなかに人気だからだ。それにちょっとムッとした。まあけど、勇者は私の部下だし? せいぜい手に入らないアイドル気分で見てればいい。

 外からここに来た人達はその映像がどうなってるんだ? って事でざわざわしてた。まあ私達の常識外れの行動やらなんやらの事はアズバインバカラの人々は流石になれてきてる。あとはジャルバジャルの人達もそうだろう。でも外から来た人達はこの世界の標準的な常識しか無いだろうから、このアズバインバカラの生活はそれこそほぼ驚きしか無い。

 テクノロジーなんてものには耐性がないのだ。だからこそ映像を空に映し出す……なんてことにも「なんだこれは!?」となってるのだ。でも説明なんてしない。そもそもがなんて説明すれば理解されるのかわかんないから、勝手にそんな『魔法』と思ってもらうしか無い。

 便利な言葉『魔法』である。

『そしてこの人がその刺客です』

 そう言って光の縄で拘束されてるただの人を映し出す。すると、所々で「あの人……」とか「あのときの……」とかいう声が聞こえる。どうやら見たことある人が多々いるらしい。まあ実際あいつは教会の刺客だが、外からアズバインバカラへと入る人達に紛れ込んで入り込んだらしいからね。

 なにせだ、なにせこの世界、戸籍なんて制度はない。なのでそれぞれの街でどれだけの人いるかなんて把握されてない。大体は把握してても、正確な数字ではない。だから確認する事に意味なんてないってことで、全てを受け入れてたんだ。だから簡単に紛れ込むことが出来たんだろう。

 まあ実際そこまで多い人口ではないと言っても、一つの街には少なくて五百から二千、中位で二千から四千。アズバインバカラなら六千くらいはいるかもしれないくらいだ。

 それらを把握する方法なんてこの世界にはない。なので確認なんてしても意味なんてない。近所とかなら皆が顔見知りだ。顔が広いと言われる人ならそれこそ町名に轟くほどになるくらいであるが、まあ誰もがそんな訳はないからね。

 流石に一人ひとりを確認するために「この人知ってますか?」なんてやってたらそれこそそれだけで何日もかかってしまう。それは流石に現実的じゃない。それにこの世界には宵がある。外に出してると消滅してしまう。だから中に入れるしかない。

「あの人が……本当に?」「そうだ……俺はあの人に良くしてもらったぞ」

 なんかそんな声が聞こえてくる。確かにただ縛られてるだけでは実際信じられないかもしれない。なにせ目立たないためにも、周囲の人にはそれなりに親切をするくらいはやってるだろうからね。

 かばうやつだって出てくる……か。

『ちが……う。俺は……無実……無実なんだ!!』

 縛られてるやつが映像を通してそんな事を叫んできた。するとその必死さに更に疑惑が強まっていく。けどそれでも勇者に焦りはない。だって、ネタは上がってるんだからね。まあけど一般人からしたら、上が勝手に都合のいいヤツに罪をなすりつけてるだけ……の様に思うかもね。

 でも普通に下手人を喋らせてるのも、墓穴を掘らせるためである。下手人であるあいつは見てる人たちの同情を誘ってなんとか釈放される道を模索してるようだが……あいつの未来は捕まった時点ですでに決まってる。