お道具とはなんでしょう?茶道で使われるお茶道具ではないですよ。
とある方が、色々な物の名称に『お』を付けるのです。
お材料、お糊、お箱、お色、お見本、お道具・・・・・
これはやはり女性らしさの象徴であり、上品である事の証なのでしょうか?
モノに『お』を付けて呼ぶとどんな気持ちがするのか、
私も「お道具」と言ってみました。
個人的には特に素敵な気持ちにも、上品な気持ちにもならなかったので、止めます。
単に私が使う陶芸の道具のお話です。
美しい画像では有りませんが、このように道具は色々使います。
その中で、とりわけ私には絶対必要だけれど、
他の作家の方はもしかしたら使わないかもしれない道具がこれです。
左から、チーズ削り、蜂蜜をすくう棒、アイスキャンディーのスティック、
そしてそして右の金属の2種類の細長い物は歯科技工士さんの使われる道具です。
この歯科技工士さんの道具2種は私にとって必需品。
まさに『お』を付けたくなる有り難~い道具です。
先日、和食界で注目されている若手料理人の方が、
外科医の手術道具のカタログをニヤニヤしながらご覧になっているのをテレビで拝見し、
一瞬不気味な光景ですが「解るわ~、その気持ち」と思った次第です。
医療道具は精密さとか強度とか、他の分野の道具とは比較にならない使い心地なのです。
人様の命に関わる処置用の道具ですから、どんな細かい事でもこなせるのです。
例えばこれは、今製作中のマグなのですが、
本体には深い削りを入れ、ハンドル部分に繊細な草の模様を施しました。
こういう事は、この道具無しには少なくとも私には不可能です。
このような作業は、土の乾きを微妙に調整しながら黙々と削ったり彫ったりするのですが、
この際にもうひとつ、大変重宝しているのが、スタジオの天井に取り付けたこちら。
写真では高速で回転しているので羽が見えませんが、シーリングファンです。
ここから吹き付けて来る風の強さをコントロールしながら、
作業のし易い土の乾き具合をキープすることが出来ます。
私のスタジオを快適にする為には残念ながら使えません。
土のご機嫌次第ですから。
私の道具のお話でした。
では