カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

窓は素敵なインテリア

2011年08月31日 | Places

家の中の色んな場所から、ふと窓に目をやった時、その向こうに広がる風景。

キッチン

ダイニングルーム

フォーマルリビング

バーカウンター

ベッドルーム

 

眺める時間や、その時の気持ちで、

同じ景色が違って見えます。

インテリアを考える時、

私にとって窓は生きている絵画です。



 


螺鈿のフォーク&水牛の角のスプーン

2011年08月29日 | Articles

申し上げるまでも無いのですが、お食事は味覚だけではなく、五感を使って楽しむものでございます。

その中で触感というものが、結構お料理のお味を左右致します。

食材そのものの食感も大切ですが、それらを口に運ぶ為の道具、

つまりお箸やフォーク、スプーン等といったものが口に触れる感覚で、

味の感じ方が大きく違って来るから不思議です。

あっ!もう一つ、指も食べ物を口に運ぶ道具の仲間に入れなくてはなりません。

昨日ラオスの方が、『手で食べなくては食事をした気がしない』と仰っておられました。

これは、お寿司を手で頂く私にはよく理解出来る言葉です。

 

ともあれ、このような道具を選ぶのは、中々難しいです。

なぜならば、お洋服を試着するようにお店で実際に試してみる事が出来ないからです。

売り物をいきなり口にくわえたら、店員さんはどんな顔をするのかしら?

そんな事を店頭で空想して、密かに笑ってしまう事がある私です。

私の場合は、とりあえず二組だけ購入し、自宅で何度かお食事に使ってみて、

二人の意見が一致したら、ゲスト用に何組かを購入するという煩わしい手順を踏みます。

旅先でのお買い物では、そんな訳にもいかず、見た目に引かれて買ってしまい、

大失敗という事もございましたので、今はあるものを除いて、

旅先でそのような類いのお買い物はしないように心がけております。(出来るだけ

そのあるものとは、デザート用のフォークやスプーンです。

そもそもデザートは、お食事の後の楽しいひとときの為に供されるもので、

いわば贅沢品であり、嗜好品だと私は考えています。

ですので、デザートを頂く時に考える事は美しく楽しい演出。

つまり、見た目重視で選びます。

食べ易さとか、使い易さはこの際忘れてしまう事にしています。

私は旅先で、自分の作品と合わせる為のデザートフォークやスプーンを仕入れて来ます。

これは当初、器のコーディネートの提案としてお使いいただく方にお見せする目的だったのですが、

そういう事を繰り返していましたら、「気に入った!、コレもよこせ!」とご要望を頂くようになり、

今は販売用と銘打って、色々物色出来るようになりました。あはは

その中で、私がペーパーシリーズとのコーディネートをとても気に入っている2点が、

木製のフォークと水牛の角のスプーンです。


ペーパーシリーズの角皿にバームクーヘンを乗せて。

長く伸びたシャープな先端が美しい木製のスプーン。

柄の部分に白い螺鈿が施されています。私は螺鈿細工が大好き

ペーパーシリーズのカップにクレームブリュレ・アイスクリームを盛って。

白い器に盛られた白いアイスクリームを、透明感のある角の黒が引き締めてくれます。

ちなみにアイスクリームに添えた四角い板状のものは、

ウェハースではなく、板飴です。

クレームブリュレの醍醐味は、表面を焦がしたパリパリのカラメルに有り

ですがアイスクリームの場合その食感が出ませんので、

こちらのキャラメル味の板飴を添え、召し上がる時に割って頂こうという趣向です。

 

デザートタイムは優雅に美しく

皆様もお気に入りの美しい器で素敵なデザートタイムをお過ごしください。

この時ばかりはカロリーの事なんかを考えるのは野暮でございますよ。

 

では

 

追伸:写真のバームクーヘンも板飴も日本からの到来ものでございます。

   日本には本当に美味しい物が溢れていますね。うらやましいです。




メインディッシュな冷や奴

2011年08月27日 | Food

真夏が勢力を巻き返して参りました。日中は40℃に迫ろうかという勢いです。

来客が続き、よく遊び、よく料理をし、よく食べ、よく飲みました。

暑い季節の暴飲暴食。

正直申しまして、まだこのような無理が出来る我が身に内心ガッツポーズな私ですが、

身体が変調をきたさないうちに、体の中からメンテナンスしなくてはいけません。

只今、独断と偏見の食事療法中でございます。

 

日焼けや極度な乾燥、塩素を含んだプールの水等、遊び過ぎから来る肌や髪のダメージにも、

暴飲暴食、加えて夜更かしから来る内蔵の疲労にも、

動物性タンパク質を減らし、ビタミンを効率よく吸収する調理法で整えた野菜料理が効きます。

で、今夜はメインディッシュにもなる、私のオリジナル創作料理、

タイ風冷や奴です。

メインとなる一皿ですので、冷や奴とは申しましても、

若干手間とお金を掛けて居ります。

私的には豪華食材に分類されるMade in Japanの桜えび

ネギニンニクのみじん切り。

タイ料理好きの我が家の庭で栽培しているタイバジル

そして勿論お豆腐。キッチンペーパーに包んで10分程水切りします。

冷たいままのフライパンにネギとニンニクを入れて、多めの油を注ぎます。

冷たい状態から徐々に温度を上げていく事で、焦げる前に油に香菜の香りが十分移ります。

香りが立って来たら桜えびを投入。全てがカリッとするまで弱火でじっくり揚げ焼き。

火を止めてからタイバジルをちぎって入れて一混ぜ。

お豆腐の上から油とともにジュっと乗せます。

タレは我が家の常備ダレ、刻んだタイチリナンプラーを合わせたもの。

それを掛けて、ライムを絞って頂きます。

ちなみにOQSTUDIO定番の、このタレの器。

受け皿と一体になっていて、テーブルの上で回し使いするのに便利です。

 

この冷や奴は桜えびとネギ、ニンニクのカリッとした食感と、旨味の出た熱々のオイル、

ナンプラーの豊かな風味にタイチリの辛さとライムのさわやかさがとても素敵なハーモニーです。

最近では、お豆腐の栄養価や、食材としての可能性が高く評価されていて、

どんなスーパーでも購入可能になり、それに伴いお豆腐好きも増えています。

夏の夜に、こんなメインディッシュも喜ばれます。

おもてなしの時には、可愛らしいフライパンを用意して、

ダイニングテーブルに卓上コンロを運んでネギやニンニク、桜えびを準備し、

素晴らしい香りが、ゲストの期待を充分に高めた頃、

目の前でお豆腐にジューっと・・・・・結構ウケます。

 

この夜の、その他のメニューは、

野菜色々とスモークソーセージのカレー&ウスターソース炒め

カレー炒めをお作りになる際、是非仕上げに鍋肌からウスターソースを廻し入れてみて下さい。

カレーの風味が引き締まり、旨味を更に引き出してくれると思います。

一口ゴマだれそうめん


一輪を二人で分けた、極く少量のそうめんですが、そうめんを盛りつけ、だしを張って。

上から練り胡麻を少量掛けてあります。

栄養価の高い練り胡麻が溶けたお出汁を全部飲み干せるように、薄味に仕立ててあります。

 

シンプルなお料理ですが、沢山の食材を少しずつ。

こんな晩御飯がホッとしたり致します。

 

では

 

 


夏のダイニングテーブル

2011年08月25日 | Ceramics

このダイニングテーブルが我が家の生活の中心です。

名の通った一流品という訳でもなく、手の込んだ装飾がある訳でもなく。

ただただどっしりとした、存在感のある大きな木のテーブルです。

今我が家にある家具のほとんどは、この家に引っ越して来てから揃えたものです。

そして、このダイニングテーブルが一番最後にやって来た家具です。

大人8人が余裕で座れて、どんな食事にも合う、それでいて二人きりで座ってもガランとしない。

それが私のダイニングテーブルに求めた条件でした。

木の種類や色などは二の次三の次。

それでも長い長い間、見つかりませんでした。

その間、私達はキッチンに置いたアイランド代わりの小さなカフェテーブルで、

並びきれない器はキッチンカウンターに待機させて、小さくなってお食事してました。


大勢のゲストと着席式でお食事をする時には、ゲストの席順に多少配慮が必要です。

気心の知れた友人だけなら、好きな場所に勝手に座って頂いて結構ですが、

通常、ホスト又はホステスがそれぞれの席にご案内する方が、

ゲストが遠慮や恥ずかしさから隅の席の争奪戦を繰り広げる事も無く、スムースに運びます。

あらかじめそれぞれの席にネームカードを添えるのも素敵です。

日本のように上座などという席は存在しないものの、重要な席というのはやはりございます。

必ずしもそうであると期待は出来ませんが、その重要な席がどこであるかを見分ける目安は、

ダイニングチェアーのデザインは同じでも、肘掛けの付いた椅子が重要席という場合もございますね。

ま、我が家にはそんなお席は存在しないと申しますか、

全てのゲストが重要ですので肘掛け椅子は有りません。

とにかく、初対面の方同士は、出来るだけ会話の弾み易い席順を考えます。

ビジネスが関わるゲストも多いので、ゲスト同士思わぬビジネスチャンスに恵まれることも有ります。

そのような嬉しいハプニングは、お招きした者としてとても光栄な事です。

ダイニングテーブルのデコレーションに関しては、様々な楽しいアイディアがありますね。

私の場合、あまり背が高すぎては相手のお顔が見えず逆効果ですが、

正面に座った方の顔やお食事の様子が丸見えにならない程度のセンターピースを配置します。

ホリゾンタルと呼ばれる形に活け込んだ、低くて横に広がるフラワーアレンジ等が一般的なのですが、

おこがましくも、大抵の場合は私の作品が並んでいます。

陶芸作品のショールームの役割も果たす我が家ですので、大目に見て下さい。

正面を見る度に、相手のお顔やお食事の様子が丸見えになってしまいますと、

返って会話に詰まってしまう場合も有ります。

心地よく楽しいお食事の為に、上手に目線をそらしたり、さりげなくプライバシーを確保するのは、

テーブルを華やかに飾ることよりも大きな、センターピースの役割かと思います。

この夏のテーブルには、ペーパーシリーズの作品を幾つか並べて、

楽しげなオンシジウムの鉢植えをフォーカルポイントに配しました。

鉢植えを食卓に置く場合には、土が見えないようにする事で清潔感が出ます。

方法は色々有りますが、私の作品は『紙』をテーマにしたシリーズですから、

柔らかく薄手の、ホラ、お洋服等を買ったとき店員さんが薄紙で包んで下さる事がありますが、

あの紙を使いました。クシャクシャと丸めてからふんわりと鉢の縁を覆うように使います。


そして、小さめの作品にはペーパーナプキンを二つに折ったものを扇状に広げてみました。

ナプキンホルダーよりも、華やかさが出てくれるのではないかと思います。

紙をイメージした焼き物と本当の紙の組み合わせ。やはりとても良く似合います。

白ばかりのデコレーションですが、それぞれの質感や微妙に異なる白が、

窓の外一面に広がっているプールのブルーや椰子の木のグリーンを映し込み、

テーブルにリズムと統一感を出してくれていると思います。


この夏のゲストのみなさまには、

このようなダイニングルームでお過ごし頂いている我が家です。


では

 

 

 


ガラスのストロー

2011年08月23日 | Articles

私が最近とても気に入っているもの・・・・・

ガラスのストローです。

そもそも、飾り気のない、私の焼き物のカップにもしっくり来るマドラーを探していました。

恐らくマドラーは、その面積が小さいだけに作り手の創作意欲をかき立てるのもなのでしょう。

いざシンプルなものを探そうと致しますと、中々見つけることが出来ずにいました。

その上、どれも長い!

私は気に入ったものがなければいつまででも探し続けるクセがあるもので、

我がバーには、開設当初からマドラーが無く、

バーテンダーは陰に隠れてスプーンでカクテルを撹拌している有様でした。

そんな私の目を釘付けにし、すぐさまお財布を(バーテンダーのね)開かせたのがこちら。


ガラスのストローでした。もちろん、マドラーとしての役割もキッチリ果たしてくれます。

何の飾りも無いガラスの棒です。

10年以上使い続けている、誰もが目にしたことのあるフランス製のぶ厚いガラスのコップに、

キッチンの出窓で伸び放題のミントの葉を、お花を生けるようにアレンジして、

ペリエを注ぎました。

ぽってりとして、使う人に安心感を与えてくれるガラスのコップとストローが、

まるで仲の良い友達同士のように寄り添ってくれました。

こんな風に、主張し合うことも無く、お互いを引き立て合う様な関係が私は好きです。

狙い通り、私のペーパーシリーズのオンザロック・カップにもぴったりでした。

こちらは、ウイスキーのソーダ割り。

やはり、ミントの葉をアクセントにあしらいました。

プラスチックのストローと比べますと、口当たりはとても気持ちがいいです。

今回私は合わせたいコップが決まっていましたので、短いものを選びましたが、

背の高いグラスに使うための長いものもあります。

飲み物にだけ使う道具ですし、汚れの付着し難いガラスですから、

神経質になる必要も無いかと思いますが、

このような、専用のクリーニングブラシが付いていますので、ストローの内側も清潔に保てます。

モノがガラスですから、割れることも有るのかもしれませんが、

実はこちら、Lifetime Guaranteeでして、壊れた場合何度でも交換してくれます。

それでも、安全性を考えますと、どなたにもお勧めしたりプレゼントしたりすることは出来ませんが。

大人の為のストロー。私達は気に入りました。

では