カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

雨上がりにはオレンジを

2011年03月01日 | Food

我が家にはタンジェリン、ライム、レモン、グレープフルーツの木が有る。

これらシトラスの木々はここの気候が大好きで、元気に育つ。

木が育って来ると同じ木の中に新芽、食べごろの果実、花が常に共存するようになる。

雨上がりはこれらフルーツ達を収穫するのに最適。

シトラスは木から水分を取り入れながら、

乾燥時には皮を厚くして種を守り、

雨が降れば皮を薄くして果肉に水分を蓄えながら生きている。

だから雨上がりに取った果実はとても瑞々しい。

ところでこのコンポートはね、私が昔アンティークショップで見つけたもの。

プリントでは無く、手描きの模様である事は明白。

何よりも注目すべきはその絵付け。

真上から見ると中心が明らかにズレてるし、

私が言うのもなんだけれど、絵も余り上手じゃないよねえ。

得体の知れない模様の位置も向きもバラバラというか無計画。

ヒックリ返して見ると、こんな変な生き物が描かれている

いくら考えてもこの生物の正体が判らない。

足の部分に描かれた模様も中途半端というか、やる気無さげ。

 

私はこれらの特徴の全てが気に入って、即決で家に持ち帰って来た。

私は「作り手に会ってみたい」と見る者に思わせたら作り手の勝ちだと思っているのだが、

このコンポートの作者のことを想像すると、いくらでも時間が潰せる。

もちろん会ってみたいに決まっている。

あまりり絵が上手じゃない私みたいな人だろうな(私と一緒にしたらきっと怒るね)。

几帳面なタイプでもなさそう。

でもそれなりに、色々描いてみようと頑張ったのだろうな。

花ばかりじゃなくて、生き物も描いた方が良いかな?と途中で魔が差したんだろうな。

この図案は何かお手本を見たのだろうか?

多分作者は若い男性なのではないのか?

あまりモテそうじゃないなあ・・・エトセトラエトセトラエトセトラ

 

モノを介して、その作り手を想像する事は楽しい。

だから私はこのコンポートが愛おしく、こうして取り出して使ってみたくなる。