日直・鬼界
ドンキホーテ新宿店から
ドンキホーテ大久保店に行こうとして
道に迷った。
と、書いても
八戸や鳥取のドン百姓には
イメージできないだろうから
わかりやす~く、ていね~に解説してやると
区役所から職安に行く道で迷ったのだ。
って、よけいわからんだっぺ!
と、お決まりのパターンをこなしたところで
話を続けると
近道をしようとして
路地を曲がったら
ぜーんぜん知らないところに出てしまったのだ。
歌舞伎町と大久保の間ですから
日本のヤクザとチャイニーズマフィアと
水商売や体商売のアジアのおねえさん
しかいないところです。
もちろん、看板はすべてハングル語。
ちょっとビビりながら歩いていると
駐車場で
ストライプのスーツを着た
パンチパーマの男が
ケータイで怒鳴っている。
たぶん、あれは、中国語。
やけに甲高い。
その男のそばには
2人ばかり若いのがいる。
あんまり似合ってないけど
ダークスーツを着て、
異常にほほがこけて
異常に鋭い眼光であたりを見てる。
こわいよぉー。
そのほほは、やっぱ、シャブのせいですか?
聞きたいけど、聞けないよぉー。
ケータイの男が振り返った。
毛沢東そっくりだった。
パンチパーマの毛沢東ですぜ。
しかも、
目つきのすっごく悪い、パンチパーマの毛沢東ですぜ。
笑いそうになった。
が、
ここで笑ったら殺される。
思いっきりわき腹をつねり
それでも足りないから
血が出るくらい舌をかんで
急ぎ足でその場を通り過ぎた。
いろんな意味で死ぬかと思った。