鬼橋ブログ

鬼界浩巳事務所の構成員、鬼界(きかい)と橋本が書く日誌です。ブックマークからHPにも行ってみてね。

そして、『殺す女』

2010年06月05日 | 日誌

日直・鬼界


まあ、よくある、連続殺人のサイコ・サスペンスなのですが
なぜ、読んだかというと
犯人が、女性のサイコ野郎という

ん?
女性のサイコ野郎、って間違った日本語?
女性のサイコ女郎、が正しい?
でも、これって
イカれた遊女、っていうか、キチガイ売春婦って感じじゃない?
「お兄さん、遊んでかな~い?1万円でいいわよお~ん」と
言葉巧みに誘いかけ
いざ、ことが終わると、突然、目の焦点が合わなくなり
「欲望にまみれた卑しきヤツ、さあ、これが約束のものよっ!」と
手も切れんばかりのピン札を突きつけてくる。
こんなキチガイ?
いや、こんな都合いいサイコ女郎はいないはず。
となると、やっぱり、新月の夜に寂しい土手で

いかんいかん、こんなことを書くためにやってんじゃないんだ。
話を戻そう。

サイコな犯人像を女性に設定してるという(始めからこう書きゃいいんだな)点に
引かれたわけです。

が、はっきり言って、ダメでした。


言葉巧みに誘いかけ
欲望にまみれた男を次々に殺していくのですが
動機が弱い、というか、信じられない。
幼児期から少女時代に受け続けた虐待が一応、もっともらしく描写されてるのですが
だからといって、こんなことする?
って感じなのですよ。
そもそも、女性のサイコは、
不特定多数の男性に対して、殺人を犯し続けるのか?ってことですよ。
男ならやります。理解もできます。
女性のサイコなら、
『危険な情事』になるんじゃないかと思うのですよ。
次々に、ではなく、一人に限定してどんどん執念深くなる。
つまり、
女性の連続殺人サイコ犯を登場させるなら
男のサイコ野郎とは全く違う視点で描かなければ成立しないのでは?
と思うわけです。
どういう視点かは、皆目わかりませんが・・・。
とにかく、そういう魅力的な女性サイコ野郎の登場を切望させてしまう作品です。

結論:読まないほうがいい。

ps・もうひとつの致命的なつまらなさは、
読者をだますためだけに、どんでん返しを設定してること。
どんでん返しの醍醐味は、伏線やらいろんなことが見事に繋がって
「こりゃあやられた!」と敬服するカタルシスにあるはず。
作者に言いたいのは、たった一言
しょーもないことすな!です。


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