鬼橋ブログ

鬼界浩巳事務所の構成員、鬼界(きかい)と橋本が書く日誌です。ブックマークからHPにも行ってみてね。

夏期休暇のご案内

2006年06月30日 | 日誌
さて、
鬼界浩巳事務所ホームページならびに
鬼橋ブログは
7月1日より夏休みに入ります。
暑さ厳しき折、
皆様におかれましては
夏風邪などお召しになりませぬよう
くれぐれもご自愛いただきますことを
切に祈る我々でございます。

なお、
再開は8月1日を予定しております。

首を長くしてお待ちくださいませ。

そして、夏休み その6

2006年06月29日 | 日誌

日直・鬼界


(きのうのつづき)
とにかく、汗が出る。
信じられないくらい汗が出る。
当然、ノドが乾く。
しかし、
自力じゃ脱げないのだ、着ぐるみは。

衣装のアシスタントの女の子が
脱がせ係なのだが、
メインのタレントさんのお世話をしてたら
こっちの世話は後回しになる。

待ってるしかない。
暑い。
息が苦しい。
暑い。暑い。
頭がかすむ。
1+1がいくつなのかわからなくなる。
暑い暑い暑い
ああ、そこに見えるのは三途の川だ・・・


と、
「お待たせしましたぁ」とか明るく言いながら
脱がせに来る。

お待たせじゃねえんだよっ!
こっちは生きるか死ぬかなんだよっっ!!

一度、待ちきれなくて、
グローブみたいな着ぐるみの手を使って
頭部を脱ぎ捨てたら、
めっちゃくちゃ怒られた。

「この着ぐるみは一点モノなんだよっ!!
大事に扱ってくれっっ!!」

オレより着ぐるみが大事だってことか?

そんなことを繰り返し、
やっと昼食休憩になった時、
突然、隣で

「ドサッ」

という音がした。

ジャファーさんが入った着ぐるみが倒れていた。

慌てて、頭部を脱がすと、
ジャファーさんは失神していた、泡を吹きながら。

悪いけど笑っちまったっす。
人間って本当に泡を吹くんですね。
初めて見ました。
一服の清涼剤になりました。

午後0時25分、
ジャファーさんは救急車で運ばれて行った。
香港一の着ぐるみ師、
あえなく退場。
実働3時間。

やわすぎじゃっ!!

ちなみに、
ジャファーさんの着ぐるみには
若い助監督数人が交代で入り、撮影しました。
そして、
もう一体の着ぐるみは
僕一人でやり遂げました。

すっげえっ!!
香港一に大勝ちしたぜっ!!


そして、夏休み その5

2006年06月28日 | 日誌

日直・鬼界


(きのうのつづき)
どう見ても怪しいジャファーさんを
一層怪しく見せているのが
オールバックの頭髪だ。

ポマードでコテコテ。
便所の芳香剤みたいな匂いがプンプン。

あの頭髪の上にかぶりものして、
えづかないのか?
そもそも、
着ぐるみ師なら、
髪の毛、短いのでは?
やっぱ、ガセじゃねえの、あの人。

と疑ってるうちに
撮影が始まった。

まずは、2体の動物が競技場のトラックを走るシーンだ。

「よぉーい、スタート!」

監督の声がかかる。
僕は走り出した
つもりだったが、
一歩目で転んでしまった。

着ぐるみって、ぜーんぜん感覚が違うんですよ。
足を上げてるはずなのに
着ぐるみの足は上がってない。
足を前に出してるつもりなのに
着ぐるみの足は止まったまま。
自分の足は走ってるはずなのに
着ぐるみの足はほとんど動いてなくて
転ぶわけです。

そしたら、隣でジャファーさんが大笑い。

じゃかあしいんじゃっ!
こっちは初めてなんだよ!

ただでさえ、中国人の笑いは甲高いのに、
ジャファーさんはほとんど超音波だ。
耳に痛いし、
神経に障る。

香港一の着ぐるみ師なら、
ちったあ教えてくれたらどーなんだい。
なのに、
ジャファーさんは笑ってるだけだ。

くっそー、あったまくるー!!  (つづく)


そして、夏休み その4

2006年06月27日 | 日誌
日直・鬼界


(きのうのつづき)

ちょっと待ってください!

ジャッキー・チェンの映画に
そんなに着ぐるみが出てきた?
僕はひそかなジャッキーファンで
ほとんどの映画を見てるのに
一切、覚えがないんだけど。

僕は思いきって聞いてみた。

「着ぐるみに入るのは初めてなんで、
どうぞよろしくお願いします」

隣にいる、ビア樽みたいなデブが伝えてくれた。
こいつが通訳か。

ジャファーさんは右手をあげる。

「じゃあ、ジャッキーとはもう長いんですか?」

デブが訳し、
ジャファーさんが右手をあげる。

いちいちなんだよ。
儀式か?

「僕、不勉強でジャッキーの映画をあまり見てないんですけど」

デブが伝える。ジャファーがあげる。

「一番苦労したのは、どの作品ですか?」

デブは一瞬ためらった後、
何も言わず
ジャファーさんを連れて、あっちへ行ってしまった。

こらっ!
訳して伝えんかいっ!!


都合悪いとこは無視かよ!
ホントにジャッキーの映画に出てんのか?
露骨だあ。
さすが香港だあ。

怪しいぃぃぃっっっ!!
ぜぇぇぇぇったい怪しい!!!  (つづく)

そして、夏休み その3

2006年06月26日 | 日誌
日直・鬼界


(前回のつづき)

ま、正確に言うと、
あのジャファーの1.5倍くらいの丸顔なんですが、
超ジャファ似なんすよ。
クリソツなヒゲはやしてるし。
目が卑しい。

そのジャファーさんは
着ぐるみを手にしてる僕を
遠くからジロジロ見てるのだが、
なーんか見下すというか、
横柄なイヤーな感じがする。

助監督さんがやって来て
僕をジャファーさんのところへ連れてった。

「こちら、日本から来られた鬼界さんです。
今回の撮影ではコンビで着ぐるみをやっていただきます」
と、紹介してくれたので
「よろしくお願いします」
と頭を下げた。
すると、
ジャファーさんは
無言のまま右手を上げて応じた。
映画のジャファーそっくりの動きだ。

なんじゃ、こいつ!
ジャファーを意識してんのか?
アホちゃう?
ディズニーキャラを生身の人間がマネしてどうすんの?
怪しいぃぃっ!

「えー、こちらはチョーさんです」
と紹介されたときも
右手を上げた。

バカ?

「チョーさんは、
ジャッキー・チェンの映画にも多数出演されている
香港で№1の着ぐるみ師でいらっしゃいます」

こう言われると、
ジャファーさんはちょっと得意げに
右手を上げてこたえた。

本格的なバカだ。
いや、正しくは、本格的に怪しい本格的なバカだ。

え?
でも、ちょっと待って・・・・  (つづく)

そして、夏休み その2

2006年06月23日 | 日誌

日直・鬼界


(きのうのつづき)
衣装さんが手にしてたのは
動物の着ぐるみだった。

うぇぇぇぇぇっ!!!!!
これ、着るんすか?
マジ?
裸でいてもぶっ倒れそうな暑さですよ。
ホントに着るの?
マジ?


ふと見ると、
僕を誘った監督がニヤニヤ笑ってる。

だまされたっ!
はめられたっ!
かどわかされたっ!
なんでもいいけど、
とにかく、やられたっ!!

前回、一緒に仕事したときは
特殊メイクの群集モノだった。
皮膚呼吸ができなくて
共演者がバタバタと倒れていく中
僕だけは
十数時間、メイクしっぱなしだった。
そのときの頑強さが買われたのか。

それにしても、
前もって言ってくれたら来なかったのにぃぃぃ!!

いや、来たか。
お金もらって香港旅行させてもらえんだもんな。
すっぽんぽんで飛行機に乗って来い
って言われても、来たな。

動物の着ぐるみは2体ある。
ってことは、
もう一人、犠牲者が?

キョロキョロ見回すと、
いた。
どう見ても、普通のスタッフとは違う人物が。

『死亡遊戯』のブルース・リーと同じジャージを着た、
そのうえに、
『アラジン』のジャファーそっくりの顔なんですよ。

ぜったい、あいつだあ!!
てゆうか
すっげえ、怪しいーーぃ!!!  (つづく)


そして、夏休み

2006年06月22日 | 日誌

日直・鬼界


鬼橋日誌が、
7月中、夏休みをとることになったキッカケが、
僕のタイ旅行です。

7月に10日あまり、
撮影でタイに旅行することになったのです。


海外ロケといえば、
忘れられない思い出がある。

ある日、
「鬼界ちゃ~ん、
ロケで香港いくんだけど、行かない?」
と知り合いの監督に誘われ、
二つ返事でOKした。
何を撮影するのかも聞かないで・・・・。

夕刻、香港着。
助監督さんが迎えに来てくれた。

「あ、どうもどうも、鬼界さん。
今回は本当にすいません。
どうか本当によろしくお願いします。・・・頑張って下さい。」

妙に恐縮している。

はて?なんだろ?

そして、最後の
微妙な間があいた「頑張って下さい」が気になる・・・。

ま、いっか。

翌日、ロケバスで着いたところは
すり鉢型のスタジアムだった。
真夏の炎天下、
午前8時だというのに、
温度計は、45度を越えていた。

「鬼界さぁん、衣装はこちらになりまぁす」
衣装さんが手にしていたのは・・・・  (つづく)


暴言集

2006年06月21日 | 日誌
日直・橋本


 イタリア出発を目前にし、
がぜんイタリア語習得に燃える私。
特に、ここ数日は、
ドロボー大国・イタリアを周遊するにあたり、
危ない場面で使えるフレーズを、
辞書を頼りに自作し、
それを覚えることに専念。
痛い目に遭わないための、
「転ばぬ先の杖」だ。

スリの手口は巧妙で、
手品師のような熟練者も多いらしい。
しかも、老若男女あらゆる年齢層だ。
そして、
金を盗もうとするのは、スリだけではない。

ジプシーなる、女・子供の乞食らが、
ダンボールや新聞を広げ、
ゾンビのごとく、
わらわらと四方からやって来て、
カモを取り囲む。
ダンボールらでカモの身体をおおい、
いろんなところに手を突っ込んで、金目のものを盗む。

カモの衣服にケチャップをわざとかけ、
拭くようなそぶりで、バッグを奪い逃走。

いきなり指に糸を巻きつけてきたと思ったら、
あれよあれよという間にミサンガを作り、
法外な値を吹っかけて売りつける。

電車のドア付近で、
妊婦を含むスリグループが、通路をふさぎ、
カモを囲んで犯行に及ぶ。

ニセ警官に扮し、パスポートと財布を出させ、
チェックするふりをして、札を抜き取る。

「メニュー(価格表)は無い。うちは、これだけだ。」
とウソをつき、
お安そうなパスタとピザを食わして安心させ、
会計時に法外な値をとる食堂のオバサン。

他にも、

「タクシー?タクシー?」と、
キチガイのようにつきまとうボッタクリ白タク運転手。

列車の指定席に、指定券も無いのに平気で座り、
「私の席だ。」と訴えても、
「早い者勝ちだ。」と居座る親子連れ。

などなど。
数え上げたらキリが無いほど悪人ぞろい。
なので、
これらに対抗するイタリア語のフレーズも、
作り出したらキリがない。

「寄るんじゃねえ、乞食野郎!」
「きさま、わざとケチャップかけたな?」
「きさまらグルか?」
「おまえはニセモノだろ。」
「このババァ!いいからメニュー見せろ。」
「私の席だ。どけ。どきやがれ。」

などなど。
・・・・・なんだ、この会話集。
私は、イタリアにケンカを売りに行くのか?

出た!

2006年06月19日 | 日誌
日直・橋本


 新宿紀伊国屋。
階段で下っている途中、
どこぞの階で、
「新発売! THE枝雀!」という看板を発見。
思わず駆け寄ると、
台に、
『THE枝雀』というタイトルの、
CDとDVD1枚ずつのセットが!!
CDの2演目、DVDの2演目、
4演目とも、お馴染み中のお馴染みだが、
「枝雀関連のモノ」を見過ごすわけにはいかない。
即、買った。
帰宅後、
家に有る桂枝雀(かつら・しじゃく)全コレクションの、
全ての演目の「録音・録画年月日」と照らし合わせてみたところ、
嬉しいことに、
未聴のものだった。
売り文句の「枝雀一門 責任監修!」というのは、
本当のようだ。

実は、
私は、枝雀の追っかけだった。
桂枝雀という人を知った時から、
彼が亡くなるまでの、4年あまりだが、
枝雀の高座を、見続けた。
当然、同じ演目を何度ずつも聴くことになるわけだが、
何度見ても笑える。
何度聴いても可笑しい。
やる度に、どんどん進化させていくんだよねぇ、どの演目も。
だから、
どの高座も見逃すことが出来ない、もったいなくて。
見続けないと。
聴き続けないと。
こうして、
枝雀ファンは、なるべくして「追っかけ」となるわけだ。

今となっては、
コレクションしたものを繰り返し繰り返し見聴きしつつ、
こうして、
新たに商品化されたものに出逢っては、
買いあさっていくほかはない。
あっちこっちへ枝雀の高座を見に行っていた、あの数年間は、
本当に幸せだったなぁ。
ナマの枝雀を頻繁に見られることが、
どんなに恵まれていたことか。
つくづく、そう思う。

芸術にしろスポーツにしろ
天才が生み出した「本物中の本物」を、
ナマで、
この眼で、
見聴きすることの価値は、でかい。

うがっ、驚き!

2006年06月18日 | 日誌

日直・鬼界

前回のオーストラリア戦のあとの
さきおとといのブログ、(「の」ばっかだ)
冗談で、あんなタイトルにしたじゃないですか。
そしたら、
アクセス、ガーンと増えちゃった。

本当に、どっかのサッカーバカ様が
ご覧遊ばしたんだ。

驚いたさ。
そーゆーもの?
じゃ、毎日そんなタイトルにする?

『中村俊介が担う中盤のプレッシャーと
三都主の攻撃参加がはらむ日本代表の致命傷』

ってのはどう?

あのお、意味通ってますか?
聞きかじった言葉を並べただけなんですが・・・。

あるいは、

『昨日、ジーコとちょっと話したのですが』
とか
『川口と楢崎の不仲説は本当だった』
みたいな下世話なのがいいかな?

もしくは

『村上ファンドがワールドカップに及ぼす
梅雨前線の活動と中川翔子のプロ野球交流戦』

の、てんこ盛りパターンがいいかしら?


そして、
今夜はクロアチア戦か。
もしも、万が一、奇跡的に、間違いで
日本が勝ったりしたら
また大騒ぎだ。
大阪府民全員が道頓堀に飛び込んだりするんだろうな。