個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

捨てるのではなく選ぶんだ

2019-02-12 10:38:36 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

先日、受験生が受験で作文が出題されるのでその練習をしていました。「思い出の場所」という題でしたが、彼は小学校をその場所に選んで書いていました。「うーん、なるほどな。中学生にとっては、思い出の場所といってもそれほどたくさんあるはずもないだろうし、小学校を選ぶ子は多いだろうなあ」

私自身にとっても、今でも小学校は「いい思い出の場所」であり(中学校は黒歴史でしたが)、いつまでも大切にしたい思い出の1つです。そんな小学校が、数年前に少子化の影響で廃校になる危機がありました。私のところにも、「小学校を存続させるための署名」の用紙が届きました。一瞬迷いましたが、私は署名しませんでした。理由は簡単で、小学校を残す意味を私には見いだせなかったからです。

自分が通っていた思い出の詰まった小学校がなくなってしまうのは寂しい、それは私にだってある感情です。ですがだからといて、その建物を残すことに何の意味があるのだろうか?他の小学校と合併した方が通う子どもたちのメリットも多いだろうし、なによりもっと有効にその場所を使うことができるはずです。学校を壊して地域の人々の役に立つ施設を建てたほうがどれほど効果的か。

私は競馬が大好きですが、競走馬もアスリートと同じように練習をするんですよ。実際の競馬場にあわせたコースを走るのですが、それによって心肺機能や筋肉が鍛えられ、より強く速い馬になるのです。その競走馬の訓練の1つに坂路調教というものがあります。昔は芝やダート(砂)の平地コースしかなかったのですが、傾斜がついたコースを走らせる坂路調教というものが30年ほど前に日本に導入されました。導入当初は「馬が故障しやすくなる」「効果なんてない」といった否定的な意見が多く、関東のトレーニングセンターでは導入されず、坂路調教が行えるのは関西のトレーニングセンターだけでした。

しかしそのわずか8年後に関東のトレーニングセンターでも坂路が導入されたのです。なぜなら、坂路調教を実施した関西の馬がレースでは圧倒的に強くなり、関西馬が勝ちまくったからです。坂路調教の効果の絶大さをみんな認めたのです。もちろん坂路調教にもデメリットがあり、確かに馬に負担がかかりやすかったりもしますが、それはそこからまた学び修正を加えていくのです。

なんだか競馬の講座のようになってきましたが(笑)、新しいものを取り入れるときに、ネガティブな感情にとらわれすぎてはいけないということ言いたいのです。そして別にすべてを捨てなければ前に進めないということでもありません。競走馬の例でも、それまでの平地調教はもちろん現在でも使われています。平地調教・坂路調教のそれぞれ良いところを、その馬の個性に合わせて選んでいくのです。そして本当に必要がないというものだけを捨てていけばいいんです。

私たち人間もこれまでこうして生きてきたのです。時代にあわなくなったものを捨て、新しいものを取り入れることによって文明が発達し快適な暮らしを手に入れました。慣れ親しんだものを手放したり、それがなくなったり、変化したりすることは寂しくもあり、少し怖くなったりもしますが、そこで根拠なく否定していても何も始まりません。勇気を持ってそれと向き合うからこそ私たちは進んでいけるのです。

明治時代になり、欧米の文化を取り入れたことにより、日本独自の文化の多くは表舞台から消えていきました。服装や食事だけでなく、生活様式が大きく変化、いわゆる文明開化といわれるものです。良いことだったかどうかはわかりませんが、技術・学問・思想など欧米に追いついていったのは事実です。その後も私たちはいくつもの古いものを捨ててきました。ですがこれは、ただ単に捨てているのではなく、私たち自身がよりよいものだと判断し新しいものを選んだのです。新しいものを取り入れたときには、必ずいくつもの問題が起こるでしょう。新しいものなんですから当たり前です。大切なことは、新しいものを否定することではなく、その発生した問題を私たちが解決する方法を考えることです。

教育の分野でも、「俺たちがやってきたことなんだから正しいはずだ」と古い考えを押し付けるのではなく、時代にあわなくなったものは捨て去り、大事なものは残すという判断をし、怖がらずに新しいものを取り入れようとしなければなりません。なぜなら時代の急激な変化に最も追いついていないと思われる分野が教育だからです。本来ならば、国民の基礎能力を育てる教育こそが時代の先取りをしなければいけないのに、日本の教育はもはや時代遅れになってしまっています。

ですから私は教育改革は大賛成です。このブログでもいろいろ文句は言っていますが(笑)、変えようという方向性は支持しています。もちろんまだまだ十分ではなかったり、今はそれじゃないだろうなど、言いたいことは山ほどありますが、まずは踏み出すことが大切かと思います。改革が始まってから、今以上にもっともっと議論が深まり、私たちが本当に何が必要で、何を選んでいくのか、それらをみんなで考えていける日が来ることを願っています。


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