山下惠光著
『茶のある暮し 四季の茶の湯 夏』
私が常日頃大切にして
何度も読み返している
この本の中に
次のような文章があります
「弟子達が茶室を造るという。
その茶室をその弟子に
ふさわしいものに
指導していける師匠は
今日数少ない。
世間が分業化し専門化していく時代であるが
茶室は私達茶人のものであり
決して大工のものではない。
茶を知らなければ
使えるようなものは出来ない。」
細々ながらも
人様にお茶を教えて
指導料をいただいている者として
胸にズシンと響く
重みのある一言です
茶室を造るということは
私にとって
今回の小間が3度目のこととなります
1度目は
平成15年の6畳の稽古場
2度目は
平成27年の8畳の「洗心亭」
そして
3度目が今回の小間
当然のことながら
躙り口の沓脱石を据えるのも
今回で3度目となります
今回の茶室では
当初
以前使っていた石を
置いていただくつもりでしたが
庭師さんのすすめで
新しく鞍馬の石を使っていただくことに
なりました
ところが
その沓脱石一つとっても
その据えるべき高さと位置を
「ここです」と
はっきり言い切る力も自信も無い私です
しかし
大変ありがたいことに
今回の茶室工事では
夫々に茶の道に明るい
建築士さんと大工さん
そして庭師さんが
チームを組んでお仕事を
して下さっています
とはいえ
実際に使う私自身が
全ておまかせというわけには参りません
昨日は建築士の先生に立ち会っていただき
庭師さんの専門的なご指南をうけながら
実際に
躙り口を出入りして
ようやく
しかるべき場所に
沓脱石を据えることができました