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4月18日 流れ着いた沈香

2021-04-17 21:38:15 | 線香まつわり話  

4月18日は「お香の日」となっています。

~なぜ4月?~

日本で香木について最も古い記述は奈良時代に完成した日本書記にある推古天皇のものです。
即位3年とありますから595年です。(今より1426年前)
◆原文
三年夏四月、沈水、漂着於淡路嶋、其大一圍。嶋人、不知沈水、以交薪燒於竈。其烟氣遠薫、則異以獻之。

◆現代語訳
即位3年4月。沈水(ジム=香木の一種・沈香)が淡路島に漂着しました。その大きさは一囲(ヒトイダキ=人が取り囲むくらい)です。嶋人(シマビト=嶋の人)は沈水(ジム)とは知らないで、薪に混ぜて竃(カマド)で焼きました。その烟りは遠くまで香りました。これは不思議だと献上しました。
日本神話・神社まとめ」より引用

~なぜ18日?~

漢字「香」は。一、十、八からなっていますね。(その下に日があります)
語呂合わせならぬ、形合わせとでもいうのでしょうか。




沈水は香木の沈香のことです。
樹木が菌に感染したとき、自己防御機能として中心に樹脂が形成されます。
この生成物が独特の芳香を持ちます。
そのため比重が重くなり水に沈むことから沈水と呼ばれます。


⇒Sadaharitha


同じ香木である白檀は精油(エッセンシャルオイル)を内部に生成するので、そのままの状態でも香りを放ちますが、沈香は熱したり燃やしたりすることで香りがでます。
だから最初はただの木だと思って薪と一緒に燃やしたのでしょうね。
(思わず、もったいない、です)

推古天皇は女性の天皇で、聖徳太子の叔母にあたります。


れきし上の人物.com
(聖徳太子の父親は用明天皇で推古天皇はその妹ですから叔母です。もし姉なら伯母となります。同じ「おば」と読むので、普段は気にならないですが)

香りは脳に直接作用しますから、心身に影響が大きいものです。
ただ、目に見えないものは手に取ることができず、触れることもできません。
そういう意味では香りははかないものですが、そのはかなさに価値が生まれます。


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