おもいや

線香と数珠のお店

過ぎてゆく時間

2020-05-03 15:10:17 | 線香まつわり話  

一日24時間
今では当たり前の時間の表示は、日本では明治時代に入ってからのことです。
それまでは、日の出30分前から日没30分後を基準として、その間を6つに均等に分けそれぞれを一刻としていました。(不定時法といいます)
当然一刻は冬は短く夏は長くなりますね。


⇒Gakken

江戸時代には和時計が作られていましたが、これは不定時法に沿ったものでした。
和時計のひとつ櫓時計(ヤグラドケイ)


⇒日本時計協会

機械時計の他に、お香の燃え尽きる時間を利用して時刻を知る方法もありました。
灰の上にお香をコの字型に敷き、それぞれの角を目印としてお香が燃え尽きる時間で時刻の代わりにしていました。
香盤時計


⇒セイコーミュージアム
お香の種類を変えることで時刻によって香りも変わるなんて風流ですね。

そして、もっと簡単に線香一本でその燃え尽きる時間を目安にしていたようです。
遊郭や芸子さんなどと時間を決めて遊ぶときに線香を使っていたようです。
また、禅宗では一本の線香が燃え尽きる時間を一炷(いっちゅう)として座禅の時間の目安としています。
線香の長さにもよりますが、広く普及している14cm程度の線香なら25分程度ですから、家庭でも何かするときに使えますね。
半分の長さ7cmなら12~3分ということになります。

自粛で一日中家にいることも多いこの頃
時間の過ぎるのが緩慢で長く感じることもあります
不定時法ならぬ自分時法を作って、好きなように時間を区切って過ごすのいいかもしれません、


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