帝国データバンク(TDB)沖縄支店は8日、沖縄県内企業の後継者問題に関する実態調査の結果をまとめた。県内企業の84・3%が後継者不在で、全国平均の66・5%を大幅に上回り全国で最も多かった。前回2011年の調査と比べても18・4ポイント増えており、県内企業で後継者が不足している実態が改めて浮き彫りとなった。
後継者不在率を現在の社長の年齢別に見ると、全ての年代で上昇した。特に事業承継が喫緊の課題となる高齢経営者層は60代が前回調査比21・8ポイント増の76・3%、70代で同19・9ポイント増の62・6%、80代以上で同17・3ポイント増の51・4%となり、後継者不在の企業が過半数を占めた。
全国の後継者不在率は60代で53・1%、70代で42・3%、80歳以上で34・2%で、いずれも11年時点から横ばいで推移している。経営者が高齢になると後継者の確保がうまくいかないまま廃業に至る確率も高まることから、影響が懸念される。業種別では小売業を除く全ての業種で8割を超えた。中でもサービス業は同16・8ポイント高い88・9%で最も高かった。
後継者が決まっている企業を対象とした調査では、子が引き継ぐ割合が同27・3ポイント増の64・3%だった。一方、非同族が継承する企業は同9ポイント減の17・6%。現経営者が親や親族から経営を受け継いだ「同族継承企業」は全体の26・2%あり、現経営者が退いた後、非同族に承継するのは3・4%にとどまった。
TDBの内野順徳沖縄支店長は「選択肢の幅を広げるなどしてより確実な承継体制の構築が必要となる。生前贈与など事前に備える取り組みが大事になる」と語った。調査は2930社を対象にまとめた。