2013,9,20~21
北岳(3193m)
間ノ岳(3189m)
山梨県・静岡県
(1)
広河原―二俣―八本歯のコル―トラバース道-北岳山荘(泊)
計画するたびに自然の力で断念させられてきた山。それが北岳。のべ4回も中止に追い込まれ、北岳には行ってはならぬ
と見えない力が働いているかのごとくだった。
今回も、敬老の日の3連休に計画したのに、急遽東京への出張が決まり断念。(台風で登れなっかけど。)
無理やり秋分の日の3連休に1日有給休暇を足しての4連休にし、白峰三山縦走を計画。
20日、白根御池小屋泊
21日、北岳山荘泊
22日、大門沢小屋泊
とプランニングするものの、22日の天気が微妙。そして、21日の北岳山荘の宿泊が250名と定員150名を大きく上回る
予想で、そんなことまでして行きたくないと、八本歯のコルから北岳山荘に泊まり、間ノ岳、北岳を経由して白根御池小屋に
泊まり広河原下山と計画し直した。
岡山を22時30分に出発し、とにかく走り通し芦安に5時15分に到着。こりゃあ5時30分に乗り合いタクシーに間に合ったと
急いで準備をし列に並ぶと、残り1席になってしまった。仕方ないので後ろの単独の方に譲り、
「次はいつ来るの?」と運転手に聞くと、「すぐ来るでしょう。」と答えた。
ならばと見送ると、係り員が「次は、最初に広河原に向かったタクシーが戻った時で、6時40分頃だ」と言う。
「バスは6時30分発なので好きな方を選んでください。」
■芦安駐車場 6:40
▲芦安のバス乗り場(タクシー乗り場から)
結局、一番前に並んでいたので、6時40分の乗り合いタクシーに乗車した。運転手は、「これからバスをまくります。」と力強く言い、
10分前に出発したバスを追いかけ始めた。彼の言葉通り、夜叉神峠でバスを追い越した。
■広河原つり橋 7:31 (1520m)
▲広川原の吊り橋
広河原に到着すると、真新しいビジターセンターで登山届を提出し水を確保して出発する。入口は、早川に架かる吊り橋だ。
大樺沢に沿った道を二俣まで歩く。
▲トリカブト
▲タカネナデシコ
先日の台風の影響からか、至る道が川になっている。それに、北アルプスのようにペンキなどは最小限なのでルートファインディングに苦労する。
道も荒れており、1歩踏み出して、「おっと道が無い。」というのが何度もあった。
■二俣 9:46
▲八本歯のコルを目指す
二俣に到着。ここは小太郎尾根との分岐で簡易トイレがあるので多くの人が休憩していた。我々もここで休憩を取り、八本歯のコルを目指して
出発した。多くの人が、同様に八本歯のコルを目指していた。
▲急登
普段は設計がある場所なのか、踏み跡がわかりづらく、ザレとガレが共存している道は登りづらい。
高度計が2400mを越えてから、足が出なくなってきた。
「この夏の運動不足のせいなのか?でも広河原から標高差900m登っているんだ。疲れが出てもおかしくはない。」
ブツブツつぶやくようになってきた。道は2次曲線を描くように斜度が増して行く。
▲北岳バットレス
右を見ると壁のようなバットレスと雲一つない青空。山頂に立てば、絶景を拝めるに違いない。しかし足が出ない。
▲梯子出現
足がいうことを聞かなくなってきた頃、梯子が出現した。ということは、もう少しで八本歯のコルだ。
ストックをしまい、梯子を登るが、斜度が中途半端で二本足がいいのか四本足がいいのか登りづらい。
■八本歯のコル 12:34
▲なが~い梯子
何本もの梯子を登り、いやらしいザレ場の先に標識が見えた。やっと八本歯のコルに到着だ。
すると、南側からの風の洗礼を受ける。目の前には長い梯子。よく他の人のブログで見たやつだ。
下りの人をやり過ごし、梯子を通過する。正直、下りには使いたくないルートだ。
▲(クリックで拡大)
登ったり下ったりでなく、ほとんど登り一辺倒なのが救いだ。長い梯子を登り切り振り返ると、富士山が出迎えてくれた。
絶景じゃあないか。疲れが吹き飛ぶように思えた。
しかし、それは一瞬だった。ここからのガレ場から全く足が出なくなった。1分歩けば1分休む。そんな具合だ。
■分岐 13:16
▲(クリックで拡大)
やっとの思いで、トラバース道との分岐にたどり着いた。ここで、思案のしどころだ。このまま、山頂を踏んで北岳山荘に宿泊すれば明日
農鳥への縦走ができる。しかし、今の状態では、山頂に行って、少し危険と言われている尾根道を下ると事故の可能性がある。
決断した。残念だが縦走をあきらめて、トラバース道から北岳山荘に向かった。
トラバース道も遠くから見ると、危険そうに思えたのだが、実際に歩くとバランスを崩さない限り問題ない。
■北岳山荘 14:08
尾根道と並行になってからも、まだ山荘は遠かった。やっとの思いで山荘に到着したというのが本音だ。
▲夕食
北岳山荘は、黒川紀章設計で、晴れていれば客室の窓から富士山が見えるというのがうりの山荘。
お部屋は大部屋が基本で、我々は2階の「間ノ岳」という部屋。定員40名くらい入れるお部屋だ。
この日は、丁度定員くらいの宿泊者で、17時からの食事は2回戦だった。
食事は、山小屋ではめずらしく魚のかば焼きがメインで、肉じゃががテーブルでシェアするというこれまためずらしいルール。
談話室が無かったりするが、水は沢からポンプアップしていておいしいのはうれしい。
なかなか居心地のいい山小屋だ。