2013,9,20~21
北岳(3193m)
間ノ岳(3189m)
山梨県・静岡県
(3)
北岳山荘―間ノ岳山頂―北岳山荘―北岳山頂-二俣―広河原
■北岳山荘 10:00
北岳山荘から「北岳」に向かう為、稜線を歩くと、間ノ岳同様西からの強風が小太郎を襲ってきます。
このまま、痩せ尾根でこの風を受けるとチトやばいかも。
▲間ノ岳(クリックで拡大)
振り返ると、間ノ岳と北岳山荘のコラボレーションが美しいくらいに登ってきました。
トラバース道との分岐の標識には「滑落注意」の文言が小太郎をナーバスにさせます。(でも縦走路だよね。)
▲北岳を目指す
北岳を見ると、緩やかな山道の先にかなり険しそうな岩稜帯が見えてきた。あの辺りが核心部なのか?
▲鎖場と梯子(画像ほどきつくありません。)
鎖場が出現!しかし、左程でもない。のぼりに関しては、「鎖はいらないんじゃあない。」ってくらいの道。
梯子も昨日散々通過したので、ここも問題無し。なんだ、地図には大袈裟に書いてるのか?
そう思った時、梯子の後のガレ場に浮く石が、下りにはいやらしい。浮石に乗っちゃうと、一気に滑落!ってくらいの山道。
昨日、無理して下りに使ったりすると、このガレガレの道の餌食になっていたかもしれない。
▲歩いて来た道
八本歯コルからとの合流地点に到着。地面には、ザック2つがデポしてあった。そんな時、八本歯コルから爽やかな
イケメンが登ってきた。
小太郎:「今日は、どこから来たんですか?」
イケメン:「広河原です。」
小太郎:「えっ・・・。何時に出発したんですか?」
イケメン:「6時5分です。」
小太郎:「え~、もしかして・・・・日帰り?」
イケメン:「ハイ!」
確かに、CTでは広河原から5時間10分なのだが、時計を見ると11時00分。CTを15分割っているだけだが、休憩を含めると
驚異的だ。昨日の自分の低たらくなことを考え、休憩を含めるとすごい!
話しには、北岳を日帰り登山することは聞いていた。しかし、実際登ってみると、
「ありえない!」それが本音だ。
ここからガレ場をしばし登ると、南北に長い平坦な頂きに到着。
■北岳山頂 11:22~11:42 (3193m)
▲北岳山頂からの仙丈ケ岳
北岳山頂に登頂したようだ。たくさんの人でごった返していた北岳山頂。
4度目の正直の北岳山頂。念願の北岳山頂は、小太郎史上最高標高であります。
「3193m」のここに来るまで、空気が薄いからか、ヘタレだからかわからないが息が上がって仕方なかった。
しかし、ここに立つとそんなことすっかり忘れてのハイテンションです。
遅れて登頂したヘタ子と登頂を祝って、ハイタッチ!
これを見ていたおばさんが微笑んでいる。ずっと山行の締めに行ってきた我々の儀式なのだ。
おばさんとの会話の中で、「広河原からの芦安に向けての最終は16時40分で、今からなら間に合う。」って言っていた。
小太郎隊としては、急ぐ山行でもないので、「白根御池小屋」に宿泊予定だと会話をするが、密かにCTで下山すれば間に合う。
そう考えた。
北岳山頂からは、360°の大パノラマが待ち受けていた。仙丈ケ岳、甲斐駒ヶ岳、八け岳、鳳凰三山、富士山、
間ノ岳、農鳥岳と南アルプスの名峰たちが歓迎してくれた。
▲振り返っての北岳山頂
下山にかかろう。山道を見るからに、油断できない道が続いている。慎重に、道を進み、
▲甲斐駒ヶ岳と北岳肩の小屋
両俣小屋との分岐に差し掛かる。ここから、肩の小屋へ一気に降る。この頃には、下からは山頂目指してどんどん登って来る。
■北岳肩の小屋 12:19~12:40
▲北岳肩の小屋
その人達との離合に手間取りながらも、北岳肩の小屋に到着。
小屋の前ではすでに生ビールで乾杯している人達もいる。
「早すぎねえか?この時間なら、次まで行けるやろ。」と思いながらも、正直「うらやましい。」
我々にはまだミッションがある。ランチパックとゼリーでエネルギー補給して出発だ。
小太郎尾根分岐で白根御池小屋に今夜の込み具合を聞くと、
白根御池小屋:「3連休の初日ですからね。かなり込みます。」
小太郎:「ということは、布団1枚に2人ですか。」
白根御池小屋:「そうですね」
よし決めた。下山する!
時間に追われての下山は好きではないが、だめなら広河原山荘宿泊と思って、右俣ルートを下ってゆく。
このルート、とにかく急坂。下からは喘ぎながらの人々が次から次へと登ってくる。
やはり、この山は北アルプスの名峰同様大人気なんだ。登山者を待ちながらも、ズンズン下ってゆく。
道が歩きやすいのが救いだ。
■二俣 14:23~14:32
▲二俣
沢の流れの音がかなり高い所にも届いていたが、音がMAXに達したとき二俣に到着。
ここまではCTを下回り、足も調子がいい。これからは、斜度も緩やかになるので時間に間に合いそうだ。
CTでは1時間30分。バスの時間まで2時間10分。貯金は40分。十分じゃあないか、と思ったらここからが地獄だった。
傾斜が緩やかになった為か足が前に出ない。後ろからは、男性3人が迫ってくる。
広い所で先に行ってもらおうと思うのだが、後続も近づいてはいるが追い越すには至らない。
しかし、後ろから追っかけられるのは気分的に良くないので、先に行ってもらう。
見てみると、小太郎同様に膝にきていた。どうりで追い越せない訳だ。
ここからは我慢大会だ。追い越されはしたが、離されることなく前に続いて下って行く。
橋を渡り左岸に戻るが、先日の台風の影響からか登山道なのか川なのかわからないところを歩いて行く。
飛び出た石にが、踏み跡で濡れているのを確認して、川では無くて道なんだと判断して歩いてゆく。
足は益々前に出なくなってきた。無理はない、今まで最高の標高差は赤石岳から椹島までの1100m。
今回は、北岳からだけでも1700m近くあるのに、間ノ岳からの400mを足せば過去最高の標高差を下っていることになる。
草すべりの分岐を過ぎれば、あと20分。
足はもっと出なくなる。もうどうでもいい。「最終のバスに間に合わず、広河原山荘での宿泊でもいいじゃないか。」
そんな心境だった。さっきまで遅れていたヘタ子は後ろに張り付いている。
いつの間にか、先程追い越した男性3人は視界から消えていた。
広河原山荘の屋根が見え、山荘の前でおいしそうに生ビールを飲む光景は、肩の小屋以上にそそられた。
■広河原 16:14
▲つり橋
ザックからバスの時刻表を取り出し、改めて見るが、16時40分のバスが見当たらない。
さっき追い越した男性が追いつき、最終のバスは16時15分じゃないかと言う。
時計を見ると16時15分。「なんだそれ!」
北岳山頂でのおばさんにガセネタを掴まされたのか?
とにかく、男性に続いて早川にかかるつり橋を渡りバス乗り場に向かう。