2013,7,20~21
八ケ岳
硫黄岳(2760m)
東天狗岳(2690m)
長野県
(1)
桜平―オーレン小屋―硫黄岳―オーレン小屋(泊)-東天狗岳-桜平
山登りを忘れた小太郎です。
気が付くと、世間では7月、そして、梅雨まで明けちゃって、夏山本番です。
しかし、GWに阿蘇山に登って以来、全く山に登っていません。どうするか?
あまりの暑さに、岡山県北の山には登る気がしません。ならば、リハビリ方々八ケ岳に行こう!
ということで、7月19日にオーレン小屋に電話すると、「個室も、大部屋も一杯です。」
受話器の向こうではうれしそうな声。
八ケ岳も混む時があるんだ。(空いているときにしか八ケ岳に行ってない。)
ということで、テン泊での八ケ岳に決定!3年ぶりに桜平に向かっていった。
唐沢鉱泉との分岐から、轍のできた未舗装の道を登って行く。ぐんぐん標高をあげ、八ケ岳特有の針葉樹に覆われた森が
広がる。
「八ケ岳に戻ってきた。」そんな言葉がふっと出てきた。
しかし、そんな感慨に耽っていた小太郎に八ケ岳の洗礼を受けることになる。
まずは、桜平に車を止めるスペースがない。もともと多くないのだが、全くない。
仕方ないので、Uターンして止めれる所まで下って行った。車のドアを開けると、第2の洗礼を受けることになった。
アブがすごい数で襲ってきたのだ。観音平でこの時期アブがすごいというのは聞いたことがあるが、桜平でもこうなるとは
知らなかった。
とにかく常に動いていないと噛まれてしまう。結果、手を2ケ所噛まれてしまった。
■桜平 9:56
約15分かけて桜平に到着。いや、ここからがスタートだ。
ここで、Yシャツに革靴、空身の男性2名と一緒になった。どうもオーレン小屋の発電システムを見学して上高地まで行くそ
うだ。
しかし、オーレン小屋までとは言え、この格好はどうだろう。
オーレンまでどのくらいかかるか聞いてきた。
小太郎:約1時間30分です。
男性:1時間くらいと聞いてきたんだけど。
テン泊装備の我々より歩みが遅いのに、CT通り歩けるとは思えない。
案の定、5分もたたないのに「あと何分だ?」と聞いてくる。こりゃあ、完全に素人だな。
挙句の果てには、川を渡るのに橋に気が付かず、渡渉して滑って川に落ちてずぶぬれになってしまった。
付き合いきれん。次に振り返ると姿が無くなっていた。
ヘタ子に聞くと、「歩けないからオーレン小屋に電話して車で迎えに来てもらう」って。
確かに、小屋の車が2~3台登山客を乗せて通り過ぎては行ったが、オーレン小屋まで車で行けたか?
■夏沢鉱泉 10:28
▲夏沢鉱泉
夏沢鉱泉で休憩と思ったが、少なくなったといえアブがまだ飛んでいる。素通りすることにした。
夏沢鉱泉を越えると、オーレン小屋の車が止まっていた。車はここまでしか通れない。
そう、二度とあの男性達と会うことは無かった。
▲川のせせらぎ
登山道らしい道に変わったが、緩やかで幅の広いよく整備された道だ。
川を渡り、九十九折の急坂を上るとオーレン小屋はすぐそこだ。
■オーレン小屋(だけかんばキャンプ場) 11:24~12:11
▲我が家
オーレン小屋に到着すると、小屋の前には多くの人が休憩?している。昨日の電話のとおり、本日は一杯なのだろう。
小太郎は、テン場へ向かう。スノコは空いているのか?へへへ、運よくスノコをゲット!
小屋前の人数に比べれば、テン場はまだまだ空きがあります。
テントを建て、昼食を摂り、とにかく山頂でいらないものをテントの中へ放り込み、硫黄岳に向かって出発。
■夏沢峠 12:42
オーレン小屋の裏手が、箕冠山と夏沢峠への分岐。夏沢峠に向けて、今まで同様の樹林帯を緩やかに登って行く。
まだまだ足はもっている。八ケ岳の縦走路である夏沢峠に到着。トイレを済まし硫黄岳に向けて出発する。
樹林帯を抜け、急登になると森林限界を越え、ガレ場に変わってくる。
▲箕冠山と急登
ズンズンと標高を上げ、灼熱の太陽が遮ることなく体に注ぐようになると、箕冠山から天狗岳に至る北八ケ岳が姿を現した。
▲急登
どんどん急登になって行く。夏沢峠の小屋が米粒のように見える。
▲この先が硫黄岳か?(クリックで拡大)
進む道がなだらかに、そして行く方向の光景が目に入るころ、小太郎の足に急に疲労が襲ってきた。
足が前に出ない。GWから山に向かっていないつけなのか。
やれやれ、先ほど追い越した団体が逆に近づいてきた。
▲北八ケ岳の大展望(クリックで拡大)
とにかく、ゆっくり一歩づつケルンを目指し、ケルンを通過する。
振り返ると、先程以上の北八ケ岳の展望が広がっている。
■硫黄岳 13:48~14:15 (2760m)
▲南八ケ岳(クリックで拡大)
よし、次のケルンまで頑張ろう。そのケルンはだだっ広い硫黄岳の山頂の端にあるケルンだった。
硫黄岳山頂に戻ってきた。目の前には、八ケ岳の主峰である赤岳を中心に、左に横岳、右に阿弥陀岳。
何度も見てきた硫黄岳山頂からのいつもの八ケ岳の主役たちが迎えてくれた。
▲ヘタ子、硫黄岳登頂
硫黄岳山頂は、八ケ岳の交差点のようだ。横岳の岩場からの緊張を解かれてホッとしている人。赤岳鉱泉から登ってきた
家族連れ。
いろんな笑顔がいっぱいの山頂です。
▲ばくれつかこう
東側からグングン登ってきていたガスが消えてきた。
硫黄岳一番有名な顔がジャジャーン!と登場。やっぱりここに来たらこれ見ないとねえ。
気が付くと30分もまったりしていた。そろそろオーレンに戻ろうか。
折角なんで、峰の松目から帰ろうかと、北の尾根を下ります。
▲ちょっとした岩場
まずは、ちょっとした岩場を下ると、そこからはザレザレ。
▲北八ツの山々(クリックで拡大)
北には、北八ツの山々が大展望。明日行く予定の天狗岳もしっかり見えてます。
赤岳鉱泉との分岐をオーレン小屋に向けて下山。
▲八ツの森
いきなり、森の中に突入。
■オーレン小屋(だけかんばキャンプ場) 15:20
何の事件もなく、オーレン小屋に到着。テントは思ったより多くなく、丁度いいくらいの数。
この小屋のいいところは、お風呂に入れるところ。テン泊のものでも500円払えば入ることが出来る。トイレも小屋の中のを
使う。
テン泊の人は17時30分から。小屋泊の人が夕食の時間だからだ。
もちろん小太郎もお風呂を頂く。先客は2人。湯船は4~5名で一杯になるほどの大きさだ。
先客2名は今年から始まるであろう富士山の入山料の話をしていた。富士山で不愉快な思いをしたとかでヒートアップ
していたがが、最後には「山はすばらしい。」という結論になり、ごきげんで出て行った。
小太郎もお風呂から上がり、食堂を見ると、名物の桜肉のすき焼きがところ狭しと並んでいた。
ふと、逆方向を見ると、外の小屋の中も夕食で一杯。受付に行くと、談話室も食事で一杯。
こりゃあ、本当に満室です。
外のベンチも遅くまで、山談義の人で一杯。
そんな人を横目で、静かなテン場に戻って行った。
「うん、今回はテントで正解だ。」