2010,9,9~11
裏銀座縦走
三俣蓮華岳(2841m)・黒部五郎岳(2840m)
富山県・岐阜県・長野県
(5)
3日目 太郎平小屋-三角点-折立-新穂高温泉
出発準備が整い、小屋から外へ出ようとしたまさにその時、懐かしい音楽が流れてきた。
あた~らしい、朝が来た♪きぼ~うの、あさ~が♫よろこ~びに、胸をひ~ろげ、おおぞ~ら
あお~げ~♫
えっ!ラジオ体操?職員さん全員が急いで外へ出て行った訳だ。
小学校の夏休みを髣髴させるこのシチュエーション、
▲小屋番全員のラジオ体操(クリックで拡大)
小屋前の広場で円形でラジオ体操をやるもんだから、気の弱い小太郎は出る出られず、結果
的に玄関で準備運動かたがた合わせてラジオ体操やってしまいました。
いや~、なんと全部覚えていたのはビックリ!昨日のことは、忘れているのに。
小屋番さんには、インド系らしき職員さんが2名いたのですが、同様にラジオ体操やってました。
いかにも日本的な職場の雰囲気に、これが日本の経済力を示す一端だと確信しました。
■太郎平小屋 6:48 (2325m)
▲中一日置いての太郎を表現してます。ハイハイ!(クリックで拡大)
これで、黒部源流の景色とさよならです。ヘタ子のバックには、歩いてきた黒部五郎岳、三俣
蓮華岳を始めとする北アルプスの最深部と言われる山々が鎮座ましましてます。
名残惜しいですが、折立に向けて出発です。
▲富山平野(クリックで拡大)
整備された木道を下って行くと、目の前には富山平野と能登半島がドーン!と広がり、
▲太郎平を振り返る(クリックで拡大)
振り返ると太郎平が持つたおやかな稜線が太郎平小屋に向って伸びています。この景色好き
なんですよ。北アルプスの雄大さと言うか、懐の深さというか、何度見てもいい!
▲剱岳(クリックで拡大)
薬師岳の脇から剱岳が姿を現した。と言うことは、手前の山並みが先日行った奥大日岳という
ことか。奥大日岳からの展望の時に、9月にはあの展望の中に行くぞ!って思っていたのだが
実際その場所から逆に見ているというのは本当に幸せだ。
おっ、登山者が登ってきた。今日、最初の登山者は、テン泊装備の大学生らしき3人組。爽やか
にあいさつをして、登っていった。
それからは、ひっきりなしに登って来る。土曜日ということもあるのだろう、昨日とは違って多い。
そして、ビックリしたのは単独の若い女性の多さ。それも、テン泊装備だ。
テン泊をあきらめた小太郎には、胸が痛い。
▲有峰湖
眼下には有峰湖が眺めるようになってきた。ゴールはまだ先だ。
■三角点 8:56 (1871m)
三角点に到着し、ここで大休止。燃料補給し、ここを過ぎれば、樹林帯に入り展望がなくなる事
を覚えていた。ここを過ぎれば、一気に折立に下りるしかない。
ここから、木の根や急坂が続いてゆくはずだ。
ここでも膝の調子がいい。ダブルストックがいい影響をもたらしているのだろう。
すれ違う男性4名組に、「三角点までどのくらいですか?」と聞かれた。
小太郎は、「すぐそこだ。」とスントを見ると、標高差にして100m程下っていた。
結局、「ん~、下りで10分だから、15分~20分かな。」って答えた。
小太郎、調子いいじゃないか。
▲4代目アラレちゃん
久しぶりにアラレちゃんに出会った。以前会った時同様に、4代目のままだった。5代目にバトン
タッチするのはいつのことだろう。
ここで出会った、2人組の男性に、「どこまで行くんですが?」って聞くと、
「薬師沢小屋まで」とのこと。「じゃあ明日は、雲の平ですか?」って聞くと薬師沢で釣りをして
下山との事。山の楽しみ方は色々で、それぞれ楽しそうだ。
▲急坂
この後も、どんどん登って来る。中には、フランス人まで登ってきたことを考えると、北アルプス
はワールドワイドになったように思える。
すれ違う人々は、喘ぎながら登ってきながら、皆表情に希望が満ち溢れている。
これから、目にするであろう大展望に目がキラキラと輝いている。なにか、うらやましい。
前回と違って、快調にガシガシと下って、
■折立 10:09 (1355m)
▲折立
順調に折立に到着。2泊3日の夢の縦走の終焉だ。でも、この充足感は久ぶりだ。
急峻な山には行けない小太郎は、こういった縦走が大好きだ。
しかし、小太郎にはここからが一番の山場かもしれない。それは、どうやって新穂高に戻るかだ。
▲折立バス停
11時のバスは、一旦岐阜県に出て、国道41号線を北進して、14時30分に富山駅に到着する
直行便。しかし、そんなことをしていると今日中に岡山に帰ることができない。
しかし、乗らないわけにはいかないバスに乗車。
しかし、決して公表できない魔法を使って、
■新穂高温泉駐車場 15:24
▲新穂高温泉駐車場
いい時間に新穂高温泉に到着。
あれあれ、出発した時とは正反対で駐車場は満車。やはり、山人気は未だに健在だと言うことを
示していました。
今回の山行を思い返してみてもこれほど充実した山行はそうそうありません。
下界に下りた満足感と寂しさを胸に新穂高を後にし、平湯の森で3日間の汗を流し、なんとか
日付が変わる前に岡山に到着しました。