小太郎 山へゆく。

山登りとお酒を中心とした日記です。たわごとと思って聞き流してください。

鳳凰三山(3) 2008,5,3~5,5

2008年05月11日 | 山登り

2008,5,3~5,5

鳳凰三山縦走(山梨県)

(3)

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5月4日(2)

南御室小屋-薬師岳-観音岳-アカヌケ沢の頭-観音岳-薬師岳-南御室小屋

■アカヌケ沢ノ頭 10:26~10:53

普通ならこの後、地蔵岳から鳳凰小屋をへて青木鉱泉か御座石温泉に下りるのだろうが、

下りてから夜叉神へ車を取りに行くのに明日のお昼近くになる。

あまりにも便がわるいので、南御室小屋に1泊した方が気楽でいい。

 

▲オベリスク(クリックで拡大)

と言うわけで、当初の計画通り、ピストン山行で南御室小屋へ向かいます。

しかし、オベリスクがこんなにも大きいとは予想外だった。そりゃあ昨年仙丈ケ岳からもハッ

キリ確認できるほどの大きさだったから、当たり前と言えばそうなのだが。

槍の穂先を目指すのと同様に、岩峰に取り付いている人がたくさんいる。

オベリスクには登れないと聞いてたのだが、登れるのだろうか。

今回、頭からオベリスクに登るなんて考えても無かったので、このまま眺めるだけにする。

▲仙丈ケ岳(クリックで拡大)

西には今まで隠れていた仙丈ケ岳が姿を現した。こちらから見るとあまり特徴のない山容に

ちょっとガッカリ。そして、甲斐駒ケ岳は山の一部を見せただけで、威厳ある全貌を最後まで

見せる事はなかった。これまたガッカリ。

いつまでも眺めていたいが、時間が来たようだ戻ることにする。

今度は逆に急降下から始まる。一度通ってるので状況はだいたいわかる。

しかし、この急降下の斜面で事件が起こった。

それは、下から登山者が来たので道から外れてかわそうと一歩踏み出した瞬間、

左足が山に吸い込まれた。それも股までスッポリと。

仕方ないので、抜こうとしたら全く足が動かない。もがけばもがくほど、雪はザラメのようで、

逆に足に絡みつくように隙間を埋めてゆく。

道を譲ったおじさんが助けに来てくれて、足の周りを掘ってくれて脱出できたのには5分程

かかったのではないか。

これはかなり雪が腐っているのが原因で、この後も苦しめられることになる。

足下から崩れてゆき、滑ってころんだこと3回。

危険な場所ではなかった為大事に至らなかったが、場所が場所なら大変なことになる。

▲観音岳への上り返し(クリックで拡大)

観音岳への上り返しで、行きがけの折に滑落者を出した場所では、踏み出した足下からくず

れる始末。

かなり神経質にキックステップで足場をつくり踏み出さないと登りでも滑落してしまう。

本当に今年のGWは熱過ぎる。昨年の蝶ケ岳にしろ涸沢にしろ朝はアウター無しは考えられ

ない寒さだった。しかし、ここではアウターは着る気にもならなかった。 

むしろTシャツか、長袖シャツかとの選択で迷った程である。

なんとか、急坂もクリアし観音岳へ到着。

■観音岳 12:44~12:50(2840m)

▲パンパンやで~(ピントが合ってません。すいません

観音岳の山頂は行きとは180度変わって1組の夫婦のみだった。

ここで、燃料補給の為秘密兵器「ランチパック」を取り出すと今にも弾けんばかりのパンパン

状態だった。 

▲観音岳から薬師岳をのぞむ(クリックで拡大)

この辺りになると、空に雲はあるが南アルプスも全貌を現してきた。

北岳、間の岳、農鳥岳と白峰三山もきれいに見える。でもここからは、北岳の山容が抜きん

出てすばらしい。

普段地味な印象しかなかった北岳の姿に登ってみたい衝動にかられていた。

これは、北アルプスの槍ケ岳に対する気持ちに似ている。

▲薬師岳への稜線

ここまで来れば、激しいアップダウンもなく若干両脇が切れ落ちたゆるやかな稜線をたどれば

薬師岳だ。

前方から一個師団がこちらに向かってくる。かわすところがないので広いところで待っていると、

一個師団の最後尾のおじさんがつまづいて、   

 

こけた。

 

場所が場所だけに、滑落したって思ったが、幸い前にこけたので事なきを得た。

今日はドキッとすることが多い。

▲鞍部からの薬師岳と富士山(クリックで拡大)

■薬師岳 13:38~13:50(2780m)

▲北岳~ド~ン!(クリックで拡大)

薬師岳到着。この頃には丸裸の北岳がド~ンと迫ってきます。いやいやなかなかの大迫力。

この景色を待ち望んでたんです。

静かな山頂で、南アルプスの大パノラマを満喫。

槍穂の大展望台が蝶ケ岳なら白峰三山の大展望台は鳳凰三山だ。

しばし見とれてました。

あの~カミングアウトではないんですが上の写真、岩に乗ってるのは小太郎ではありません。

この後薬師岳小屋で昨晩ご一緒したご夫婦とバッタリ。

しばし談笑。その時に気が付いた。ここにはビールがあるのか?

あるらしい。1本ゲットして下山にかかる。

▲薬師岳からの下山道

砂払岳を過ぎ、最後の南アルプスの展望にさよならを告げ、樹林帯の中を南御室小屋へと

向かう。緩やかな雪道をサクサクと進み、最後に落差100mを一気に下る。

■南御室小屋 2435m(15:17)

約7時間に及ぶ鳳凰三山ピストン縦走が終わった。

今日は、夜叉神小屋産と、薬師岳小屋産というえらい贅沢な2本のビールで打ち上げだ。

                                             (4)に続く

 



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