衆議院 公認予定候補者 大谷 啓 OKブログ

「国家・国民のため、戦う政治家であり続けたい!」

復興予算の流用問題

2012年10月03日 | Weblog
約17兆円の東日本大震災の復興予算が、被災地の再建という本来の目的以外に使われていることが次々と明らかとなり、大きな批判を受けています。
「日本原子力研究開発機構」の核融合発電研究に42億円が計上されていたり、防災・減災という名目で被災地以外で役所建物の耐震化工事や道路整備に使われていたり。
反捕鯨団体シー・シェパードの妨害活動に対する安全対策強化にまで復興予算が使われ、水産庁が「妨害に屈しない姿が被災地の漁民を励ます。」などと理由を説明しているのには、開いた口が塞がりません。

被災地では、依然多くの瓦礫が残され、除染も始まったばかり。多くの被災者がまだ仮設住宅での生活を余儀なくされているのですから、増税を原資とするこのような復興予算の流用は、とても国民の理解を得られるものではありません。
本来、国会の決算行政監視委員会で審議され、チェックされるべき問題ですが、民主党は委員会の開催から逃げ回っているとのこと。
国民に納得してもらえる予算の使い方をしてもらうためにも、国会がその責務をしっかりと果たせるよう、私たちも与党に働きかけていきたいと考えています。

それにしても、このような形で復興予算を平気で使ってしまう官僚とはいったい何なのでしょうか? 
私はこの問題に限らず常日頃から思っているのですが、結局「お金を使うこと」が一番の目的で、何に使うべきなのかを真剣に考えない官僚の習性に最大の問題があるのだと思います。

普通、民間企業でお金を使う(投資など)場合は、資金調達コストがかかります。
損益対照表には、「金利」というコスト・経費がかならず計上されます。
だから、そのコストに見合うだけのリターンがあるのか、その用途が企業にとってメリットのあることなのかを真剣に考えるのです。

一方、行政の場合は、その財源は主に税収です。
だから、官僚にとって、お金は自動的に入ってくるものといいう感覚なんでしょう。
最近は財源の半分は国債であり、実際は資金調達コストがかかっているのですが、この感覚は全く変わっていないのです。
ですから、自動的に入ってくるお金を、とにかく「使う」ということを考える。
その使った結果、どのような経済効果をもたらすのかとか、どのような国益があるのかとかは二の次、三の次。
理由は後付けで、とにかくお金を使うことに邁進する。
これが官僚の習性となってしまっているのではないでしょうか。

もう高度成長によって税収がみるみる上がる時代ではなくなりました。
デフレから脱却できず、税収は停滞。歳入の半分は、国債で賄われています。
ですから、国民の代弁者として選ばれた政治家がもっと努力をし、政治主導によってこの官僚の習性を変えていかなければならない。
私はそのように思っています。
官僚に任せっきりにしてたら、同じような問題がまだまだ起こってしまうのです。