おへそのひみつ 

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嫌われ松子の一生

2006年06月15日 | 映画
監督 脚本: 中島哲也
原作:山田宗樹
出演:中谷美紀 、瑛太 、伊勢谷友介 、香川照之 、市川実日子ほか


【あらすじ】
昭和22年・福岡県大野島生まれの川尻松子(中谷美紀)は、お姫様みたいに幸せな人生に憧れていた。しかし、20代で教師をクビになり、エリート街道から転落、家を飛び出して風俗嬢になってしまう。その上ヒモを殺害して刑務所へ送られ、壮絶な不幸の連続にまみれた波乱万丈の人生を送ることになる。



原作はずっと前に読了、映画化されるという話を聞いて楽しみにしていたのですが、映画館で初めて予告を見たときは、正直ぶったまげました。
「なぬう、すっかりコメディー映画になってるではないか・・・」

この作品は、山田宗樹の人気小説で、1人の女の壮絶な転落人生が描かれています。それがまさかミュージカル風にアレンジされているなんて、私の中ではあり得ないことだったんです。しかも「下妻物語」を作った中島哲也が監督だと聞いて、松子も下妻風になってしまうのか~と観る前からガッカリしてしまいました。
まぁ、下妻はね、あれはあれで面白かったとは思いますよ。でも松子は違うだろう・・・と。松子をあんな風に描くのはやめてくれと初めはそんな風に思っていました。

ところが、ところがですね、
観にいってみると、予想に反して、これがなかなかよかったんです。違う意味で裏切られて、またまたびっくり~という感じでしたね。

監督が得意とするポップでキュートで色鮮やかな世界は、昭和の時代にぴったりマッチしていたし、何より、悲惨さの中にある可笑しさがうまく描かれていてすごくよかったと思いました。

男に裏切られて、ひどい目に遭いながらも、すぐに相手を信じて愛してしまう松子の人生は、確かに不幸ではあるけれど、すごくコミカルでもあるんですよね。
ひとたび男を愛すると、もう誰がなんと言おうと止めることができなくて、すぐに突っ走っていってしまう・・・そして懲りずにまた、人生ばら色~とか思っている松子ってお馬鹿さんでもあるし愛らしい。
ミュージカル仕立てのシーンはそんな松子の魅力をよく表現できていたし、演じた中谷美紀は、まさに松子そのものという感じでハマリ役だと思いました。

おそらく原作のままに悲惨な部分ばかりをクローズアップしたシリアスな作品だったとしたら、面白くなかったんじゃないかな。むしろ、観終わったあとは、そんな風に感じました。可笑しさを強調することによって、悲哀や切なさがより際立ち、深みが出たんじゃないかと思います。
まぁ、ミュージカルってキライな人はキライでしょうし、あの映像の色彩の毒々しさは、どうしても苦手だという人も多いとは思いますけどね。

また、注目すべきは脇役で出ている豪華な出演者達。ワンシーンだけしか出ていない人も大勢いて誰が出ているかチェックするのも楽しい。
音楽も結構よくて、BONNIE PINK(←出演もしてる)の「LOVE IS BUBBLE」はテンポがよくて好きだなぁ。(伊勢谷夕介のことはもっと好きだけど)

そうそう、晩年の松子の姿は、まるでハリーポッターに出てくるハグリッドそっくり^^暴飲暴食にはくれぐれも気をつけましょう。























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