おへそのひみつ 

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力道山

2006年02月18日 | 映画
監督:ソン・へソン
出演:ソル・ギョング 中谷美紀 萩原聖人 藤竜也


【あらすじ】
1945年、貧困生活を脱出しようと祖国を離れ、力士になるため単身日本へやってきた力道山だったが、日本人でなければ横綱になれないという現実をつきつけられ、絶望のなか、酒浸りとなる。ある日、屈強なプロレスラーから人種も国籍も関係なく世界と戦うことのできるプロレスの世界があることを教わり、単身アメリカへと旅立っていく。




試写会に行ってきました。
昭和の時代に日本の国民的英雄となったプロレスラー『力道山』の伝記的映画です。

実は、ソル・ギョングは韓国の俳優の中で1番好きでして・・・^^
韓流ブームでクローズアップされた俳優達とは違い、決してイケメンではないんですが、存在感があってとても魅力的な実力派俳優です。日本でもファンは多いですよね。

映像を観て、まず驚いたのが彼の肉体。
力道山になりきるために、たった5ヶ月で28キロも体重を増やし、90キロ以上にもなった彼の体格は本物の格闘家のように見えました。
3ヶ月間、実際に本物のレスラー達と一緒に暮らしてトレーニングを積んだそうですが、生傷が絶えなかったといいます。
そのかいがあってか、スタントなしのプロレスシーンは臨場感があり、力道山の気迫が伝わってきます。

また全編ほとんどが日本語での台詞である為、言葉も猛特訓したとのことで、肉体的だけではなく精神的にも、かなりの負担だったと思います。
例えば、日本語の間というものがとても難しく、日本人俳優の台詞が終わらないうちに自分の台詞を発してしまったこともあったりと、大変苦労したそうです。
劇中では台詞どころか、日本語で歌まで披露しているのですが、それがとても上手くて驚きました。

力道山という人物については、彼がかつて日本全体を大熱狂させた伝説のプロレスラーだったということ、彼が日本人ではなく朝鮮人だったということ、そして最後は酒場でヤクザに腹を刺されて死んだということだけ漠然と知っていたのですが、国民的英雄という栄光の陰にあった差別、孤独と不安にさいなまれた日々、酒に溺れ、暴力に明け暮れた彼の苦悩をこの作品で知り、壮絶な1人の男の生き様に深い感銘を受けました。できることなら彼の活躍をこの目で見てみたかったです。

試写会途中、隣に座っていた中年女性グループが、度々登場するプロレスシーンに嫌気をさしたようで「もういいわ・・・こんなのばっかり」と言い残して退席してしまったのですが、力道山といえばプロレスというのは当たり前なのに、一体何を観に来たのでしょう・・・。

韓国での興行成績があまりよくなかったと聞きました。
韓国人の方が力道山の苦悩をより共感できるのではと思っていたんですが、あまり受け入れられなかったようで、とても残念に思います。
韓国の人の目に「力道山」はどう映っているのでしょうか。

どうか日本ではヒットしますように・・・。
3月4日より公開です。







ウソツキとイノシシ

2006年02月17日 | 給食日記
職場のおばさん達の間で揉め事がありました。
もともと女性だけの職場で人数も少なく、ほとんどが年配の女性ばかり。
気があって仕事をしているうちは平和なんですけど、ひとたびこじれてしまったら、もー凄いのなんのって・・・。

もともとは、オバMさんが発端でした。彼女は非常に変わった性格をしていて、早い話が口先ペラペラの大嘘つきなんですね。
家族の事や自分の経歴はほとんど嘘・・・なんていうのは、まだいいほうで、おそらく日常生活の中で嘘をつかない日は1日たりともないだろう・・・と断言できるほどの見事な嘘つきっぷり(年齢詐称、経歴詐称は当たり前。意味もなく昨日観たTV番組までも偽るバカバカしさ・・・)
当然、計画性のない場当たり的な嘘なんていうものは、すぐに矛盾が生じてきて、どんどんつじつまが合わなくなってきます。今ではMさんの虚言癖はすっかりバレバレで信じる者は誰もいなくなってしまいました。

まぁ経歴詐称のような、仕事にぜんぜん関係のない嘘は、私としてはどーでもいいんですけど、さすがに仕事上の嘘は困ります。

例えば、自分の失敗を他人に押し付けるような嘘をついたりだとか、仕事の上で皆で相談して決めたルールを平気で破り、自分はそんな話は聞いていない・・・と開きなおったりとかね。
そういえば都合が悪くなると、年寄り戦術を使って、突然耳が遠いフリをしたりもします。そして相手が怒ったりすると、とたんに「あらっ、あなたって美人なのね~」などと調子のいい嘘をついて、ごまかしたりもします。

そんなオバMさんのいい加減な態度に、今回爆発したのがオバTさんです。Tさんは普段は明るくて気のいいところもあるのですが、瞬間湯沸かし器タイプで、ひとたびカチンとくると、声を荒げて烈火のごとく怒り狂う、大変熱い人でもあります。
自分で「私は猪年生まれだから、つい猪突猛進してしまうのよ~」と後から言い訳したりもしますが、実は戌年だということを私は知っています。あらあら・・・▼・ェ・▼

今回もMさんの嘘によって、仕事上で迷惑をかけられた・・・とのことで、
Tさんが一方的に怒っていて、ウソツキMさんは例によって、嘘の言い訳を始め、それが火に油を注ぐ事となってしまいました。

初めは「あんたはいつも言い訳ばっかりで嘘も多いし、いったい何なのよ!」などと怒っていたのですが、何を言われても、のらりくらりと嘘でかわすMさんに、いつしかテーブルをバンバン叩きはじめ、とうとうブチキレて
「 オマエは腹黒いんだよっっ!!!」と怒鳴りつけたのです。

湯気が出てるかと思いました。いや、きっと出てたのかも知れません。
こんなに人が怒ったのを見るのは初めてかも。
いくらなんでも、同僚に「オマエ」って。いやまぁ、物凄かったです。

そのとき、私は密かに苦しんでいました。
ウグ・・クク・・・クフ・・・そう笑いをこらえるのに必死で。
思わず噴き出してしまいそうでしたが、手の甲を指でつまみ必死で我慢しました。
ウンコを我慢するのもかなりツライですけど、笑いをこらえるのも地獄の苦しみだと思いました。耐え切れずここで笑ってしまったら、たちまちイノシシの狙いはアタシとなり、喰い殺されてしまいます。

人は、なんで笑ってはいけないという場面で、急に笑いたくなるんでしょうか。神様、どうか教えてください・・・

あまりに真剣なTさんと、いい加減な態度のMさんの顔を見ていたら、なんだか妙に笑いたくなってしまったんですよね。

突然「オマエ!」などと怒鳴られて、Mさんもさすがにヤバイと思ったようで急に必死になって謝リはじめました。でも、猛反省している様を見たら、わざとらしすぎて、更に笑いたくなってしまいました。
だってこのウソツキは、絶対に口先だけで心から謝ってないですから。

その証拠にしばらくしたら、急に伏目がちになって机上の新聞を読み始めたのです。なんて、大胆なオバMさん。こんなにすごい大風が吹き荒れているというのに新聞を読んで嵐が去るのを待つとは・・・。

さすがに、別のオバさんに見つかって、「人の話はちゃんと聞きなさいよ」と
咎められていました。アタシは耐え切れなくなってついにトイレに駆け込んでしまいました。
うんこがしたかった訳でもないのに。

それから2日間はさすがにしおらしい態度のMさんでしたが、3日目の今日は、すっかりもとのウソツキに戻ってました。ただ獰猛なイノシシが、いつ飛びかかってくるかわからないので、目だけは見ないようにしているみたいです。

私は、こんな職場に3年も勤めています・・・









































-PROMISE- 無極

2006年02月16日 | 映画
監督: チェン・カイコー
出演: チャン・ドンゴン、セシリア・チャン、真田広之、ニコラス・ツェー


【あらすじ】
真実の愛を手に出来ぬ運命の王妃・傾城(セシリア・チャン)
この世で唯一、華鎧を身に着けることを許された無敵の大将軍・光明(真田広之)
王妃を守る為すべてを捧げた奴隷・昆崙(チャン・ドンゴン)
執拗に王妃を追い続ける冷酷な公爵・無歓(ニコラス・ツェー )

親もなく生きる術を持たない少女・傾城の前に、運命をつかさどる神・満神が現れる。「この世のすべての男からの寵愛と何不自由ない生活を約束しましょう。その代わり、決して真実の愛を手にすることはない。それでもいいですか?」と問う満神に傾城は答えた。「それでもいい」
数年後、美しく成長し王妃となった傾城は、伝説の華鎧を身に着ける英雄・光明、何かを望むことさえ知らずに生きてきた俊足の奴隷・昆崙、謀反を企む公爵・無歓と出会う。

決して変えることのできない運命(プロミス)真実の愛は運命を変えることができるのか

(ネタバレありですよ)
あまり好きなジャンルではなかったんですが、劇場予告で観たニコラス・ツェーに惹かれ、PROMISEを観てきました。
アジア各国のスターが集結した大作という事で、多少の期待はあったんですけど、ん~~~っ、これは・・・・。
戦のシーンで見られた壮大な大地の中での鮮やかな赤と黒(敵陣)のコントラストや、一面の花畑、そして、桜が咲き乱れ花びらが舞い散る美しい映像美には、さすがに目を見張るものがありましたけど、過度なCGの取り入れによって台無しになったような感が否めず、作り物の世界がより強調されてしまっていて残念でした。

それにしても凄かったですよ・・・チャン・ドンゴン。俊足も俊足、特に四つん這いハイハイスタイルで疾走する彼の姿は本当に笑えました。こりゃコメディーだよ!という感じで。囚われの身の傾城を助け出すシーンも、まるで凧揚げみたいだったし、なんだかなぁ。何事も過度はいけません。
そうそう、崖から滝壺に飛び込む前のシーン。兜の仮面をつけ、華鎧姿に身を包んだチャン様のオロオロした様子が、なんとなくおかしくて笑ってしまいました。ああ・・・。

真田広之はよかったです。無敵の大将軍が王妃に強く惹かれ、愛のために次第に変化していく心の様子を見事に演じていたし、年齢を感じさせないアクションシーンはさすがだと思いました。頑張ったね!


でも、1番よかったのは、やっぱりニコラス・ツェーかな。あの手の顔に弱いアタシ・・・。クールな悪役がピッタリでゾクゾクしてしまいました。ホント美しいです。
ただ、彼が持つ指差し棒には笑ってしまいました。あれって衣装デザインを担当した正子公也氏(絵巻作家)のアイデアらしいです。監督が大喜びで採用したとか・・・鼻ほじるのにちょうど良さそう。

せっかくチャン・ドンゴンを起用したというのに勿体なかったですよねえ、この映画。もう少し魅力的にみせる事は出来なかったんでしょうか。もっと溜息の出るような愛とスペクタクルファンタジーの世界にどっぷりと浸りたかったのになぁ・・・。