おへそのひみつ 

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憂き世店(うきよだな)松前藩士物語<宇江佐真理>

2005年07月21日 | 
「いつか必ず蝦夷松前へ帰ろう」
相田総八郎は藩のお国替えのために浪人となり、妻なみとともに江戸・神田三河町の徳兵衛店に移り住む。帰封をめざし、傘張りや大工仕事になどに勤しむ総八郎とそれを支えるなみ、そして二人を見守る個性豊かな長屋の住人たち。やがてなみは総八郎の子を身ごもるが・・・・・。
(本書あらすじより)


今でいうリストラにあった主人公の奮起と長屋の人々を通しての悲喜こもごもの江戸人情物語。
離職の憂き目にあいながらも藩への忠誠心を忘れずにひたすら帰封を願う姿には頭が下がる。長屋での暮らしには、暖かい人々とのふれあいばかりではなく、貧しさの中から生まれる悲哀なども描かれていて、せつなくもあり・・・
これぞまさに「憂き世店」
十数年後、漸く叶った帰封ではあるが、長年親しんだ江戸との別れには主人公同様、感慨深いものがある。

時代小説(江戸物)は好きな方なので、次回は人気の「髪結いシリーズ」に挑戦。夏休み中に読破できるといいんだけど。