企業の需要拡大、アクセス解析、機能充実――グーグル無料提供、利用者の把握狙う

2005年11月16日 | 通販/モール
 企業の間で自社のウェブサイトの利用状況を調査・分析するウェブ解析サービスへの需要が高まっている。背景には、ネットを使ったマーケティングの高度化がある。検索連動型広告やブログ(日記風の簡易型ホームページ)の「口コミ」を活用してサイトの利用者を集め、商品購入や資料請求をする顧客の獲得を目指す動きだ。個々のニーズに対応した新サービスも登場している。
 米グーグルはウェブの利用状況を解析するサービス「グーグル・アナリティクス」日本語版の無料提供を始めた。グーグルの検索連動型広告「アドワーズ広告」と一括で管理し、出稿作業と効果測定が効率的にできる。
 企業サイトへのアクセス状況を分析し、一日、一週間など一定期間の利用者数、合計の閲覧ページ数、利用者の地域などの基本的な情報から、利用者がサイト内のどのページを経由して商品購入や資料請求をしたか、逆にどのページでやめてしまったかなどが分かる。問題ページを明らかにすることで、企業は自社サイトの改善につなげられる。
 グーグルの検索連動型広告アドワーズと同じIDで利用可能。広告を出稿したキーワードなどのの情報を自動的に取り込み、その結果、収益がどうなったかを把握できる。無料で利用できるのは月間の閲覧数が五百万以下のサイトに限られる。ただアドワーズ広告を出稿している場合は制限はない。
 インターネット関連の企画・制作事業を手掛けるルートコミュニケーションズ(東京・千代田、塚田耕司社長)は、企業のブログの利用状況を解析するサービス「ブログトラッキング」を発売した。二〇〇六年五月までに百社への販売を目指す。
 ブログトラッキングは、企業が商品宣伝や広報を目的に運営するブログサイトへのアクセスを解析するサービス。ほかのブログ経由など「口コミ」によるアクセス、ブログの新着情報を配信する規格である「RSS」経由のアクセス、「検索エンジン」経由のアクセスの三つに分類し一覧にできる。
 具体的にどのブログからアクセスがあったかも一目で分かるため、該当する記事を読むことで商品や記事に対するブロガー(ブログの書き手)の反応を簡単に把握できる。今後、自社ブログ記事への評価を総合的に分析できるサービスも追加する予定。
 同社が販売する、企業ホームページのRSS作成、配信サービス「RSS suite」の一機能として販売する。RSS suiteの料金は、初期費用十万五千円、月額費用は五万二千五百円。
【図・写真】グーグル・アナリティクスは、無料のウェブ解析サービス
 ▼RSS ウェブサイトの新着情報を配信するための規格。ウェブサイトの名称とアドレス、複数の新着記事の名称、要約、更新時刻などが一覧になっている。ブログでは記事を追加するたびにRSSを作成する。RSSリーダーと呼ばれるソフトやサービスを使うことで、多数のブログサイトの新着記事を一覧にできる。
 ▼検索連動型広告 インターネットの検索エンジンの検索結果ページで、検索語に関連した広告を表示する仕組み。広告料金は、表示されただけでは発生せず、サイトにアクセスがあると一回数十円払う。安価に出稿できることなどから、中小企業から人気が高まった。グーグルなどに表示される「アドワーズ」、ヤフーなどに表示される「スポンサーサイト」が主なサービス。