ECナビ、価格比較サイト――現金還元ポイントで集客

2006年12月20日 | ポイント/電子マネー/決済
 パソコンや家電製品などが中心で男性の利用者が多かった価格比較サイト。ECナビ(東京・渋谷)は、化粧品や雑貨などの情報を強化し、女性層を中心に利用者を開拓。商品、店舗の総合情報サイトへの脱皮を狙い、商品購入や広告の閲覧に応じて付与する現金還元型のポイントサービスを充実させて、集客の武器としている。
 ECナビに掲載される商品は七百五十万点。パソコン、AV機器などのほか、ファッションや食料品、化粧品なども充実している。サイトを通じた購入者の七割以上を女性が占める。
 「あなたの肌タイプをチェック」「必要なサプリメントがわかります」――。商品に詳しくないユーザーにもわかりやすいよう、商品の比較ガイドや売れ筋ランキングなど、情報提供の手法に工夫を凝らす。
 「店舗のアフターサービスや配送状況、商品の使い勝手などに関する口コミ情報も商品購入の動機になっている」(ECナビ)。価格比較だけでなく、商品や店舗に関する総合的な情報サイトを目指しているが、集客の武器となっているのが、ポイントサービス機能だ。
 ポイント利用者はアンケートへの回答や商品の購入で「ECナビポイント」を獲得。ポイントは現金への交換が可能で、五千ポイント(五百円に相当)から還元する。店舗からのマージンの一部や広告収入がポイントの原資となる。店舗が売りたい商品には、ポイントを高くつけるなど販促の手段としても有効だ。
 たまったポイントの現金への交換をサイトから申し込むと、郵便局や一部金融機関の口座に振り込まれる仕組み。利用状況は活発だ。これまでの現金還元額は十五億三千万円に上った。
 商品購入以外にも、ポイントがたまりやすい仕組みづくりをした点が利用を促しているようだ。サイトにはポイントをためるための専用のコーナーがあり、広告、キャンペーンの閲覧や、友人の紹介、クリック募金などでポイントがたまる。
 ポイントサービスは二〇〇一年に開始。当時四十万人程度だったサイトの利用会員は現在、百八十万人に拡大した。利用会員の約八割がポイントによるキャッシュバックを受けている。集客増に役立つこのノウハウを生かし、携帯電話を通じた新サービス展開と集客強化にも乗り出した。
 十一月に開設した携帯向けポイント獲得の専門サイト「ポケP」。このサイトを窓口にECナビの提携先である着うたや占いサイトで会員登録したり、簡単なゲームを楽しんだりするとパソコン向けサイトと共通のECナビポイントを入手できる。月間のページビューは約一千万件と好調だ。開設から一カ月で五万人が会員登録し、年内には十万人を突破する見込みだ。
 パソコンよりも携帯の利用になじんだ若い世代を取り込むのが狙い。ただポイント獲得の専門サイトでは、ECナビの熱心なユーザー以外に利用が広がりにくい。今後は一月をめどに携帯からもネット通販を利用できるようにするなど携帯サイトの機能拡充も目指す考えだ。(斉藤早苗)