CCCが書籍通販に参入――ネット事業、収入倍増計画

2006年05月29日 | 通販/モール
 「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は物販やコンテンツ配信、ネット広告など、インターネット関連事業を強化する。29日に書籍のインターネット通販を始めるほか、年内メドに音楽配信事業も開始。傘下入りしたIMJなどネット系企業との連携効果も見込み、2007年3月期の部門別の連結売上高は前期比二倍の330億円を目指す。
 書籍のネット販売は出版取次の日本出版販売(日販)と組み、子会社のツタヤオンラインの買い物サイト「Shop.TOL」を通じて実施。取り扱うのは80万タイトル180万冊で、最大手のアマゾンに並ぶ規模。初年度は20億円前後の売り上げを目指す。
 パソコンと携帯で購入できる。商品流通は日販と共同出資で設立した卸会社、MPD(東京・渋谷)が担う。8―9割を注文の翌日、残りは36時間以内の配達を目指す。定価の1%を「オンラインポイント」として付与、ツタヤオンラインでの買い物のほか「TSUTAYA」店頭でも1ポイント1円として利用でき、既存のポイントカード会員の取り込みを図る。
 コンテンツ配信も積極展開する。4月から少額課金サイトを設けて、「川島隆太教授の脳を鍛える大人のドリル」を携帯向けに配信、6万人の会員を集めているほか、12月にはCDになっていない希少価値の高い楽曲提供や、個人のリクエストに応じる音楽配信も始めたい考え。
 ネット事業部門の中心であるツタヤオンラインの06年3月期の売上高は100億円。6割がDVD・CDの販売だが、07年3月期は新たに加わった書籍などの物販と、音楽やゲームなどコンテンツ配信を拡充し、160億円を目指す。
 ネットは検索性や予約にも適しており、CCCは書籍の予約状況から店舗での書籍仕入れ予測を立てるなど、ネット事業での成果を店舗運営にも反映させていく。