物々交換、サイト利用広がる――CDやゲームソフト・本・子供服

2007年08月30日 | 通販/モール
相手は他人注意も必要
 個人間での物々交換を支援するサイトが続々登場している。CDや書籍、子供服など不要な品物の譲り先を多数の人々の中から見つけることができ、その見返りに意外な掘り出し物を手にする可能性もある。金銭をやり取りしないため、オークション(競売)と比べて詐欺などに遭う恐れは少ないとされるが、面識の無い人との交換となるため、注意も必要だ。
 東京都港区に勤務するIT(情報技術)コンサルタントの杉山賀一さん(25)は、ここ三カ月で六点のゲームソフトをネットで交換した。月に一―三点は新作ソフトを買うが、「以前に買いそびれたソフト」は交換で入手する。「改めてお金を出すのにはためらうが、交換ならお得感がある」という。
 杉山さんがよく利用するのはCDとDVD、ゲームソフト専門の交換サービス「トリカル」。まず自分が持っている品物と欲しい品物のリストを公開する。このリスト上の持っている物と欲しい物の組み合わせが、誰かの欲しい物・持っている物と一致すると「Match」と表示され交換交渉に入れる。交渉が成立するとお互いの連絡先が通知され、発送方法や日時を具体的に詰める。
 六月のサービス開始だが、「持ってる」と「欲しい」を合わせて現在約二万件の商品が登録されている。二十―三十代の男性が主な利用層で、累積で約七百件の交換が成立した。交渉成立の割合は二―三割という。
 書籍専門の「あるかも~ねBook」はポイントをやりとりする仕組みだ。入会するとまず三ポイントがもらえる。出品されている本一冊は一ポイントで交換できる。上下巻など複数冊セットだと二ポイント以上必要なこともある。自分が出品した本を誰かが実際に取得すると手持ちのポイントが増える。交換サイトでは書籍のほか、CDやDVDのやりとりも多く、CD専門の「ディグログ」では約三万点が出品されている。
 主婦に人気なのは子供服専門の「こそだてママ・マーケット」だ。二〇〇五年七月のサイト開設以来、パンツやワンピースなどこれまでに約二万八千点が出品された。
 利用者が衣類を出品するとサイト側がまず検品し、状態がひどくなければ出品者に一品一ポイントを与える。希望の品物を見つけたら一品一ポイントで入手できる。同サイトでは好みのブランドやサイズで検索でき、好評という。
 交換対象の品物を限定しないのが「Yahoo!なんでも交換」。「あげます!」「ください!」といった掲示板に約二万件の投稿があり、地域や「食べる」「暮らす」などのテーマで情報を検索できる。
 例えば「あげます!」の掲示板内では出品商品の情報と一緒に交換条件などが提示されている。条件が合えばメッセージを送って交渉する。ヤフーによると、交換対象は衣料品やゲームソフトが人気。これまでに「何かが入った箱を譲ります」「引っ越すので家財道具一式譲ります」などの投稿まであったという。
 交換サイトの中には利用者の交換履歴や他者による評価を公開するところもあるが、最終的には面識の無い相手と直接やり取りする場合が多いのは事実だ。ヤフーのように問い合わせフォームを設けている場合もあるが、それでも交換に伴うトラブルは自分で責任を負う必要がある。
 トリカル・ウェブコミュニケーションズの大浅裕介社長は「オークションに比べると金銭をやり取りしないので、その分のリスクは少ない」と説明する。ただ、実際に手にしたら傷や汚れなどが事前の情報と異なる場合もある。出品時の商品情報を的確に示すマナーや交換時の情報確認の注意は欠かせないという。

▼登場サイトのアドレス
▽トリカルtrical.jp/
▽あるかも~ね Bookwww.arcamone.net/
▽ディグログdig-log.jp/
▽こそだてママ・マーケットwww.mamamarket.jp/
▽Yahoo!なんでも交換koukan.yahoo.co.jp/
▽北のフードソムリエwww.rakuten.co.jp/food-hokkaido/