第620話 「年末に行われた Dynamite!! について書いてみる」

いよいよ明日から本格的に仕事が始まります。
ゆっくりさせてもらって充電完了って感じですね。
つーか実は1/4に他の現場にヘルプで仕事したんですけどね。
場所は赤坂。楽な現場でしたよ。私がいつも仕事してるトコは
恐ろしく忙しいんだけど赤坂の現場はゆったりしてた。
そんな訳でまた年末のTV番組の事を書こうかなと。

年末って毎年格闘技イベントやりますよね。いつからなんだろ？定着したの。
私も昔はそこそこ格闘技詳しかったのよ。でも今は良く分かんないんです。
今回の年末のDynamite!!は色んな試合があって盛り上がってたみたい
だけど私が一番注目してたカードは桜庭和志VS船木誠勝でした。

桜庭和志はともかくとして今の人は船木誠勝を知ってるんだろうか？
TVドラマの「Dr.コトー診療所」に出演してたけどね。
85年に新日本プロレスでデビュー。ヨーロッパ遠征から帰国後に
UWFの前田日明の誘いで89年にUWFに移籍。ここから船木誠勝の快進撃が
始まった。当時は総合格闘技なんて無い時代。まだグレイシー柔術も
知られて無い時代だった。骨法を習得していた船木は掌打を武器に
連戦戦勝。世はまさにUWFブームが到来していた。

しかしUWFは選手とフロントの対立、選手間との対立で崩壊。
90年に藤原組に参加。そして93年にパンクラスを設立する。
パンクラスは総合格闘技の原点のようなモノだった。
しかしパンクラス所属のウェイン・シャムロックがアメリカで行われた
大会、UFCでホイス・グレイシーに敗れる。
この一戦でグレイシーの名が日本に鳴り響いた。

やがて日本のプロレス界は沈滞。K-1、プライドなどが産声を上げ
総合格闘技が日本に根付いてくる。ホイス・グレイシーは次々と
日本の格闘家を破り「私の兄、ヒクソンは私の何十倍も強い」
とインタビューで答える。そしてヒクソン・グレイシーが来日し
日本の格闘家を次々と破る。元UWFの高田延彦もヒクソンに破れ
船木はヒクソン戦を決意。2000年にヒクソンに破れ船木は引退を決意する。

まぁ長々と書いたけど私の世代の人にとっては船木誠勝は素晴らしい
格闘家だったんですよ。UWFでの戦いには魅せられたもんでした。
その船木が長い沈黙を破って復帰したのは驚きでした。
そしてDynamite!!での対戦相手が元UWFインターの選手であり
ホイス・グレイシーを破った桜庭和志というのも不思議な因縁でした。

結果は桜庭和志がチキンウィング・アームロックで船木に勝利したんですが
ここ数年の総合格闘技ではチキンウィング・アームロックなんて技は
ほとんど出ないんですが、昔UWFではこの技は良く出てたもんでした。
それも何かの因縁かと。しかしこの試合な何とも淡白な試合でした。
あっさり決まった印象がある。UWFやパンクラスでの船木に熱狂した
私は少し悲しかった。いくら復帰戦とはいえ船木は凄いという幻想が
私にはあったからだ。

現在は総合格闘技は脚光を浴びている。しかし総合格闘技を
ここまで根付かせたのはシューティングを立ち上げた佐山聡であり
UWFで人気を得た前田日明でありパンクラスを立ち上げた船木誠勝でした。
今回の復帰戦はさほど話題にはなってないみたいだけど
私にとっては重大な出来事でした。あの頃とは違いもう時代は流れている。
船木誠勝という格闘家を少しでも注目してみたいと思う。