第619話 「2008年、明けましておめでとうございます」

この場を借りまして偶然にもこの日記を見た方や、私の知り合いなど色んな方に
・・・新年あけましておめでとうございます！今年もよろしくお願いします。
ハイそんな訳でして本日は2008年1月3日・・・何か年が明けた実感が
全然無いですな。今年はいい年にしたいなぁ。

年末って色んな番組が放送されましたよね。そんな中、私てきに「お～」って
思った番組がありました。それは一夜だけ復活したイカ天なのであります。
イカ天って若い世代には何のことやら分からんでしょう。
イカ天とは「イカすバンド天国」というTBS系で放送されてた
バンドの勝ち抜き番組ですな。平成元年にスタートし約2年位続いたのかな。
深夜に放送されてましたよ。司会は三宅裕司と相原勇でした。

この番組が始まる前は三宅裕司の番組をやってまして(内容は覚えてない)
その番組が終わってイカ天が始まったんですよ。
なので私はイカ天は第一回放送から見てたんですよね。
でも当時の私は20歳位でもろパンクロッカーだったんですよ(笑)
だからバカにしながら見てた記憶がありますね。

当時の私はパンク以外のロックは信用してなかったんですよね。
パンクこそがロックの失った本質を持っててパンクが世界を
変えるって本気で思ってた。これは実家の友達もここ数年出会った友達も
知らない私の姿なんですよね。あの頃の私は若かったしトガってましたよ。

なのでイカ天を見ながら凄い毒を吐いてましたよ(笑)
でもね、イカ天が始まった頃ってコアな番組だったんですよ。
出場したバンドもコアなバンドが多かったし。
でも世間がバンドブーム、ホコ天ブームになるにつれてイカ天も
ブームになっちゃったんですよね。出場するバンドもうけ狙いのバンド
がもの凄い増えてた。ロックもパンクも知らない人達が
イカ天出場する為にバンドを組んだりして。

当然、私はイカ天には毒を吐いてましたよ。でも一応見てたけどね。
でもプロでもアマでもイカ天を批判する声は結構あったんですよね。
そんなときにイカ天にあるバンドが出場したんです。
それがBLANKEY JET CITY(以下、ブランキー)でした。
ブランキーが登場したときに私は「達也、何やってんの？」
って感じでした。達也とはブランキーのドラムの中村達也です。

中村達也は当時ではパンクの世界では知らない人は居ない存在でした。
THE STAR CLUB、原爆オナニーズ、THE STALIN、THE GOD、
など色んなパンクバンドでドラムを叩いてた達也がバンドの勝ち抜き番組
に出るなんて思ってもみなかった。「達也も落ちたなぁ・・」って
当時の私は思った。でもブランキーの演奏が始まって私の感想は覆った。

ストレイ・キャッツとイギー・ポップを足したような音楽性。
私はヤラれた感があった。イカ天の審査員も絶賛の嵐だった。
審査員の中に頭脳警察のパンタがいたのも影響したのかもしれない。
そしてブランキーは5週勝ち抜きグランド・イカ天キングに輝き
メジャーデビューした。その後のブランキーの活躍はご存知でしょう。

私が思うにこのブランキー出場がイカ天の転機だったように思う。
ブームというものはやがて去るもの。
ブランキーがイカ天から居なくなってからは出場バンドのトーンが
明らかに落ちた。ウケ狙いのバンドも飽きられるようになった。
社会現象となったイカ天もだんだん忘れ去られるようになってきた。
たしかイカ天のスタッフの不祥事もあった。それも影響した。
やがて私もイカ天を見なくなり私の知らないうちにイカ天という
番組は終了した。原宿のホコ天も無くなりバンドブームも姿を消した。

あれから時が経ち一夜だけ復活という名目で年末にイカ天の特番が
放送された。三宅裕司は相変わらず変わってない。相原勇は久しぶりに
見たけど大人の女性になったって感じだった。
昔のVTRを観ながら色んなトークが繰り広げられてた。
私も感覚が大人になり音楽性も幅広くなったと思う。
そして改めて見たイカ天・・・あの現象っていったい何だったんだろう？
世間のバブルも多少影響してたかもしれない。
番組内ではひたすら「伝説の番組」と連呼してたけど
今の私が見た感想はバラエティ番組にしか見えなかった。

この番組から色んなバンドを輩出した。たま、ジッタリン・ジン、ビギン、
マルコシアス・バンプ、他にも色々いたけどこの番組の功績は
ブランキーを輩出した事だと思う。ブランキーは日本のロックの流れを
変えたと思う。

今はロックバンドが日本のヒットチャートにランキングされるのは珍しくない。
でも当時は珍しいっていう時代だった。
その中でイカ天は通るべき道だったかもしれない。
しかし年末の番組は時間が短すぎた。1時間30分じゃイカ天の全てを
見せることはできないだろう。それがちょいと残念だった。
数年後には似たような番組がまたスタートするかもしれない・・・
なんてふと思った年末でしたね。