公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

うす汚された日本 2

2010-07-09 09:41:41 | 日記
60歳女性が『市内を走行中の路線バスの車内でシルバーシートに座っていた男子高校生(18)(長崎県諫早市)らに「高校生のくせに、何でシルバーシートに座らんといかんとね」と怒り、顔を数回殴った。』というニュースを見た。

シルバーシートがなぜ生まれたか、弱者に対して優先席を作る優しさを意図した施策は、社会の強者が占有する公共の配分を弱者補填しようという発想から生じた。しかし意図とは外れて、差別というフォーマットに沿って社会を2分割してとらえる発想で社会問題を投影した歪んだ施策として普及してしまった。救済補填ではなく、当然補填という権利として意識するので、権利の侵害という過剰反応が生まれる。

最初に始めたのは都営地下鉄のようだが、現在は優先席と呼ばれることが多い。公共がお上の所有物という発想が根強いこの国では、お墨付きをいただくと自己主張しやすいのかもしれない。しかしそれが失わせる人と人の間にあった公共が溶解してしまう。そして日本が薄汚れる。
そもそも優先席がなぜ生まれたかというと、通勤ラッシュなどの混み方が尋常でなかったからではないか。
どちらかというと寿司詰め乗車のほうが人権侵害だと思うのだが、大多数が被害者の場合は、そういう声は上がってこない。むしろ象徴的な弱者に便乗する心が薄汚れている。


続く
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