公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

時間が何に奪われるか

2010-07-07 21:22:05 | 日記
「私の観察では、成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。時間が何にとられているかを明らかにすることからスタートする。」

      ドラッカー 『経営者の条件』p46


「外の世界における真に重要なことは趨勢ではない。趨勢の変化である。この外の変化が組織とその努力の成功と失敗を決定する。」


      ドラッカー 『経営者の条件』p36

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(わたしの考え)
 時間を奪われるなら顧客に奪われるところから着手するのがいい。もし経営者が事業の未来に関心があるのなら、自己評価は生産量からスタートしない。顧客の増加率からスタートする。可能ならば満足度の差分を評価する。
 外部環境の差分こそが経営者が時間と意識を向けるべき対象である。しかし成り行き経営では多くの時間は組織内で失われる。
 人は本来的に差分に反応する性質を持っている。一般に人社会の現実は差分であって、電話鈴の鳴らない電話は電話としては存在していない。さらに凡庸な人は、上司によって差分を与え続けなければ会社には何も存在しないと感じている。

 他方で凡庸な人は、組織、部署が外部環境と、まず感じる。経営者は、外部環境を組織や部署、上司と感じとる自然で凡庸な人間の感覚を壊さなければ、普通の人をビジネスの戦士に鍛えることはできない。
 なりゆきで人が集まると、内輪の差分に反応することで大半の利用可能な時間が無駄に消費される。そういう経験はいたるところで体験できる。
 組織の外の環境変化に関心を向けられないまま、内輪の差分に反応する行動に、コストを増やす機会効用はあっても、顧客を増やす機会効用はない。

 従って外部環境に関してマネージメントがどういったマップを持ってるかがその事業の成長速度、機会利用度に大きく影響する。
 すぐれた事業は必ず独自のマップを持っている。進んだ会社はITでマップを武装している。機敏な経営者は独自に行動して最新アップデートマップを装備している。(ITC:「現代においては残された機会を細分化された時間をつかってうまく成果に結びつけるという配分もわすれてはいけない」)

 生まれたままの人間はビジネスマンではない。私たちが生きてゆくのは原始の自然ではなく、加工された自然、延長されたリアリティなのだから、素朴な感性を具備したいい人ではビジネスに物足りないだけでなく、組織を死に導く危険さえある。
 
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