公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

書評『田中角栄 人を動かす話し方の極意』 齋藤孝

2016-12-14 18:44:46 | 今読んでる本
2016.12.15読了

田中角榮の話し方のすごいところは、矛盾していても聞かせてしまうというところでしょう。人間、知に走ると矛盾を怖がるようになる。準備をするほど話はつまらなくなる。田中角榮の生き方のすごいところは、情を以て敵を増やさない繊細さ、中間地帯の拡大(ときに家族主義でありときに民主主義社会の大義に忠実な下僕であり、ときに敵に塩を送る策者であり七変化ができた)が政治的安全保障であることを信じて、実践し、死後もその残響が続いたことだ。

田中政治の戦略は地政学(hinterland 後背地)の効用を人間学に応用し敵(敵候補)を中立化たところにある。

声に出して読みたい日本語の著書齋藤孝の作品なので一味違う。

田中角栄は国難を三回救った。山一証券破綻時の特別融資、日米繊維摩擦と沖縄の交換、大学紛争特措法の強行採決による成立。そして四度目の国難祓いは、角栄の言霊で周恩来の非核三原則に対する皮肉を相対的な核武装を示唆して跳ね返した。

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