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THUNDER / s. m. v.

2008-12-14 23:55:00 | Music
JAZZ

時間つぶしにCDショップでCDを物色していたところ、非常に気になるアルバムを見つけてしまった。
それが"s. m. v"の『Thunder』だ。
この聴き慣れない"s. m. v"だが、実はスタンリー・クラーク、マーカス・ミラー、ヴィクター・ウィッテンというスーパー・ベーシスト3名によるユニットなのだ。
既に今年の8月にリリースされていたようだが、このユニットの存在を全く知らなかった。
ユニット名こそ彼らのイニシャルを並べただけのつまらない名前(失礼!)だが、
この3名によるユニットと聞くだけで、ワクワクするのは私だけではないだろう。
というのもこのお三方、あまりにもスゴ過ぎる方たちなのだ。

スタンリー・クラークはチック・コリアが率いた"リターン・トゥ・フォーエヴァー"への参加で、ジャズ界にその名を轟かした。
またロック界でも活躍していて、ジェフ・ベックのツアーに参加して、30年近く前に一緒に来日もしている。
当時、音楽雑誌に彼の速弾きはジェフ・ベックより上だったと書かれていたりもした。
彼のソロアルバムも何枚か持っているが、コードを弾いたり、チョーキングしたりとあたかもギターのような弾き方をする。
またアコースティックベースでの超速弾きにも驚かされた。

マーカス・ミラーは言わずと知れた現在のフュージョン界を代表するベーシスト兼超売れっ子プロデューサーだ。
フュージョンばかり聴いていた頃は、彼が参加してたり、プロデュースしているアルバムをよく好んで買ったものだ。
デヴィッド・サンボーンや復帰後のマイルス・デイビスのアルバムなんかが結構お気に入りだった。
特に彼のクールでソリッドなスラップ奏法(昔はチョッパー奏法って言ってたね。)にはしびれました。

そして、ビクター・ウッテンも最近人気の超技巧派ベーシストだ。
この人はスラップもスゴイし、速弾きもスゴイ。
最近ではジョン・パティトゥッチに変わり、チック・コリア・エレクトリックバンドの新ベーシストに抜擢されたという話もあるらしい。

そんな3人が一緒に組んだら、どんなサウンドになるのか非常に興味深い。
この個性的な3人のベースをいったいどのように使い分けるのだろう?

結果から言うと基本的にはマーカスがスラップで通常のベースパートを担当し、スタンリーとヴィクターがギター代わりにメロディーラインやコードを奏でるという感じだ。
もちろん3人のアドリブソロもたっぷりと収録されている。
彦摩呂風にいうと「ベースの宝石箱やーーー。」という感じだ。
各人がキラリと光る技を披露し、それがお互いを触発していく。
競い合ってるような感じもあり、まさにベース祭り状態だ。
スタンリーのプレイを聴くのは久しぶりだったが、チューニングダウン奏法なんかも健在で、おもわずニヤリとしてしまった。

やはりアルバムタイトルになっている「Thunder」やマイルス・デイビスのカバーとなる「TUTU」あたりがカッコ良くていい。
「TUTU」ではスタンリーはアコースティック・ベースを弾いていて、これまた渋い!

また、音質やアドリブを聴きながら、あっ、これはスタンリーの得意フレーズだ、とか、この音は間違いなくマーカスだ、なんて。想像するのも結構楽しい。

このユニットは絶対ライブで見たら、メチャクチャ盛り上がるはずだ。
ライブを見たいなぁ!と思ってたら、このユニットで既に来日を果たし、ライブを披露していたらしい。
見たかったなぁ・・・。

フュージョンファンの皆さん、特にベースプレーヤーの方にはお勧めします。
3大ベース・マエストロによる共演には聴いていてワクワクしますよ。
3大ベース祭り、聞き逃さないように・・・。

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