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ボズ・スキャッグス・メンフィス・ツアー@渋谷公会堂 (2013年11月19日)

2013-11-24 18:34:36 | Music
アダルト・オリエンテッド・ロック。
略してAORと呼ばれるこの音楽は70年代半ば~80年代半ば頃、非常に流行ったカテゴリーの音楽だ。
しっとりとした都会的雰囲気のロックで、おしゃれな大人の空間を演出してくれるサウンドが特徴だ。

AOR のアーティストとしてはボビー・コールドウェル、クリストファー・クロス、ドナルド・フェイゲン、スティーリー・ダンなどが有名だが、その中でも代表格がボズ・スキャッグスだ。
洗練された大人志向のサウンドだが、ファンキーな面もある音は玄人にも好まれた。
このボズのサウンドを支えたのは、当時売れっ子スタジオミュージシャンであり、後に TOTO を結成したメンバーだったことはあまりにも有名な話だ。

自分がボズを知ったのは、ラジオの流れていた「ハードタイムス」を聴いた時だった。
ミドルテンポのロックだったが、普段聞いていたハードロックとは違った雰囲気を持ったカッコいい曲だ。
そこに乗っかる高音のボズの声はどことなく物悲しい感じがして印象的だった。
たぶん中学生の頃だったと思う。
ちょっと背伸びをして大人の世界に浸り、それ以前の曲も含め、良く聴いていた。

そんなボズの来日公演をとても楽しみにしていた。
ウチのカミさんとは音楽の趣味はあまりかみ合わないが、昔の洋楽というジャンルでは話が合う。
今回はやはりボズのファンでもあるカミさんと一緒に11月19日の渋谷公会堂に向かった。
なかに入ると予想通り自分達と同じ位の年齢のおぢさん・おばさんがたくさん詰め掛けていた。
みんな若い頃、ボズにハマった人達なんだろう。

渋谷公会堂は2000人規模のホールで、ステージが近く感じられるのがいい。
今回は最新アルバム『メンフィス』を引っ提げてのツアーだ。
『メンフィス』はボズが大ブレイクした当時の AOR ではなく、R&B のアルバムだ。
彼ははもともと R&B アーティストだったので、またもとの鞘に戻った感じだ。
このアルバム、派手さや華やかさはないがほっこりとするような内容でなかなかいい。

コンサートは定刻の午後7時過ぎから始まった。
昔のヒット曲はどのくらい演奏するのか、1曲目に何をもってくるのか非常に興味があった。
そして、1曲目に演奏したのは予想外の「JOJO」だった!
アルバム『ミドルマン』のトップを飾る大ヒット曲をいきなりやったのだ。
もちろん、掴みは OK でみんな総立ち。いきなりテンションマックス!
キーはオリジナルだが、流石に高音域のところは抑えて歌っていた。
それでもあまり違和感は感じない。
他の曲でもそうだが、そういった場面はバックコーラスがオリジナルキーでカバーする。
うまいやり方だ。

その後の前半は『メンフィス』からの R&B の曲が続き、後半は昔の AOR のヒット曲が続く。
「Miss Sun」,「Georgia」,「Lowdown」,「Harbor Lights」,「Dinah Flo」,「Lido Shuffle」などを演奏した。
そしてもちろん「We're All Alone」もアンコールで演奏した。
この曲だけはキーを下げて歌っていたが、さほど気にならない。
2度目のアンコールは大ブルース大会という感じで、これまた大盛り上がり。
本編は1時間15分くらいで終わり、その短さにビックリしたが、アンコールには2度応えてくれ、結局2時間弱で終了した。

予習のつもりで『メンフィス』や往年のヒット曲はかなり聴いてからコンサートには臨んだが、ライブはアルバムよりはるかにいい。
ボズのライブにきて、大正解だったと感じた。
いやぁー、とても気持ちが良く、幸せな時間が過ごせたなぁ。

残念だったのは代表曲でもある「Slow Dancer」は今回演奏しなかったことだ。
思い入れの強い「Hard Times」はたぶんやらないだろうと思っていたが、「Slow Dancer」は演奏して欲しかった。

そしてコンサートが終わった後もボズのアルバムを聴き続けている。
こういうことは自分には珍しいことだが、ライブをみて改めて彼の素晴らしさを再認識したからだ。
実はカミさんも同様らしく、ライブ後もよくボズを聴いているようだ。

時間が経ってもボズ・スキャッグスの作品は色褪せない。
是非またライブをみたいアーティストだ。
また来日して欲しいなぁ。




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