ゆのひらんおばちゃん Part3

創業70年の土産屋を 2023年3月末で閉めました。『夫婦で余生を どう生きるか』を模索していきます。

閉店理由

2023-03-07 | 
年賀状で椎茸の顧客様に閉店の お去らせをしたら、元旦から電話が鳴ります。

『残念』と言う方『椎茸を送って』と言う方『まだ頑張って』と言う方が続きます。『長い間 ありがとう』とも。

正月 午前中から店を開けて 新年から荷造りでした。ありがたいことです。


そんな日が続き とうとう 椎茸はすっからかんになりました。すっから缶です。

椎茸倉庫の箱の中身も空っぽになりました。



これまで 土産物以外に 原木産椎茸を店頭で販売し、全国に発送して店を維持していました。子供二人の教育費も それで賄いました。椎茸様々です。

その原木産椎茸が不作で年々減少の一途です。

加えて 生産者の高齢化にともなう廃業も続きました。両親の時代から大量に届けてくれた 久住の方の廃業が痛かったです。

原木産椎茸は山の中で栽培する自然栽培で、労力も時間も手間もかかります。菌を打ち込んでから2年後に収穫です。それも自然環境に左右されます。

反して室内で作られる菌生栽培は人工栽培ですから 一年中収穫出来て安定生産です。

干し椎茸日本一の大分県でさえ 原木産は年々減少し、愛読している業界紙の『全国きのこ新聞』によると 茶色の原木産が どんどん減っていき


そして 2022年度は とうとう2割を切り 17パーセントです。




原木産椎茸が減ったからと言って 一年中 ハウスで栽培される菌生産椎茸を売るのには抵抗があります。やはり 自然の山の中で、手をかけて 育てるからこそ味が深く、香りも高いのです。

コロナや水害には耐えましたが 椎茸不足には お手上げです。それが最大の閉店理由です。

1年分 約800キロの大量の椎茸を選別する夫の指は職業病の『ばね指』です。注射でごまかしていましたが、ひどくなると 父がしたように手術をしなければなりません。そんなことまで似なくていいのに・・・

私は夫の二度の入院中に選別をしましたが、根気のいる作業でした。私自身も足の筋力が弱り、膝も痛みます。

夫はサラリーマン時代から数えたら50年働いたので定年を迎えたと考えることにしましょう。

まだ体力のあるうちに店を整理し、片付けないと 子供達に迷惑をかけます。

③湯平温泉の旅館も昭和時代の60軒台から現在は18軒に減り、団体客や老人会の送り迎えをする旅館も無くなりました。家族でやっている旅館が ほとんどなので それも仕方ありません。

若いカップルや家族連れが増え、インバウンドもあり 旅行形態が変わってきました。こちらは昔ながらのやり方ですから 土産部門で不振が続き、それを椎茸発送でカバーしていました。

その椎茸が入手出来ないのだから 赤字を出してまで 営業は続けられません。

大分中部地震、熊本大地震、大水害被害、台風被害 と自然災害も多くありました。

コロナも観光業に暗い影を落としました。

水害やコロナに負けたくなくて 、これまで地域の一番店と自負してやってきましたが それだけではどうにもなりません。

閉店の理由は『原木産椎茸の減少』『時代の流れ』ということで まとめます。


さあ これから月末まで閉店セールだ~(から元気)






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